TOPページ > 海外競馬ニュース >  コールダー競馬場、賞金削減と 3つのステークス競走中止へ(アメリカ)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2009年10月22日  - No.42 - 4

コールダー競馬場、賞金削減と 3つのステークス競走中止へ(アメリカ)[開催・運営]


 コールダー競馬場は10月8日から、悪天候による芝の馬場状態の悪化および景気低迷を理由に、下級条件競走の賞金を15%削減する。

 それに加えて、コールダー競馬場は、(1)コールダーダービー(G3)の賞金総額を15万ドル(約1500万円)から10万ドル(約1000万円)に、コールダーオークスの賞金総額を10万ドル(約1000万円)から7万5000ドル(約750万円)に減額し、(2)フランセス・A・ジェンターH(G3)、フレッド・W・フーパーH(G3)およびトロピカルパークオークスを中止する。

 同競馬場は9月、当初予定していた芝競走40レースのうち33レースを雨天のためにダート競走に変更した。結局、年間の芝競走は216レースのうち127レースが芝で施行されなかった。

 コールダー競馬場の副場長兼競走担当部長であるジョン・マーシャル(John Marshall)氏は、「コールダー競馬場は、一刻も早くスロットマシンとポーカーの事業を立ち上げるべく、熱心に取り組んでいます。将来これらの事業 の収益から賞金に多額の資金を注ぎ込むつもりです」と語った。


フロリダのホースマン、賞金削減の必要性について議論

 フロリダ州のホースマンたちは、マイアミのコールダー競馬場が10月3日に発表した賞金削減の必要性について疑問を投げかけた。

 競馬産業が置かれた状況を理由として、コールダー競馬場は下級条件競走の賞金を15%削減することを計画している。また、3つのステークス競走を中止し、別の2つのステークス競走の賞金が削減される。

 フロリダ・ホースメン共済協会(Florida Horsemen's Benevolent and Protective Association: FHBPA)は、コールダー競馬場とその所有者であるチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)の決定は時期尚早であると批判した。その理由として、コールダー競馬場に対して、いくつかの代替案を提示して働きかけていたことを挙げた。代替案 の1つは、2010年春開催が始まる4月まで賞金減額をせず、それまでに賞金資金を捻出することである。

 ホースマンたちは、競馬場の収入減の大きな原因は、9月が悪天候で、予定されていた芝競走40レースのうち33レースがダートのメイン馬場に移され、出走取消しが相次ぎ出走頭数が大幅に減少したことであると確信している。

 しかしコールダー競馬場の役員たちは、競馬場が承認済みのスロットマシンの設置およびポーカールームの再開が実現しさえすれば、賞金額を増やせるという見通しを述べる一方で、賞金額の減額等を発表した。

 FHBPAの専務理事ケント・スターリング(Kent Stirling)氏は2007年の賞金削減の時は、最終的にはホースマンたちに補填措置が講じられたことから、今回については、業績の回復を見てから決 定したほうが良いと主張してきた。2010年1月にカードルームがオープンし、スロットマシンの運営が始まり、またトロピカル開催終了後にサイマルキャス ト収入が回復すれば、競馬場の収入は持ち直すだろう。

 スターリング氏は、「現時点で賞金を削減するのは時期尚早です。ホースマンとCDI経営陣の関係はすでに脆くなっているのに、さらに悪くなります」と語った。

 (訳注: FHBPA等の団体が、CDIが所有するコールダー競馬場のレース映像をフロリダ州以外の場外馬券発売所へ配信することを承認しなかったことから、4月 24日CDIはFHBPA等の役員に対して訴訟を提起した経緯がある。ただし、フロリダ州の地元競馬優遇策については協力関係にある)

 コールダー競馬場の役員とホースマンは、賞金委員会が下級条件競走の賞金体系のあり方について引き続き検討すると付言した。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[thoroughbredtimes.com 2009年10月3日「Calder cancels two graded stakes, slashes purses」]
[thoroughbredtimes.com 2009年10月5日「Florida horsemen dispute need for purse cuts at Calder]


上に戻る