TOPページ > 海外競馬ニュース > リングフィールド競馬場、 ポリトラック馬場を改修(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2009年10月15日  - No.41 - 3

リングフィールド競馬場、 ポリトラック馬場を改修(イギリス)[その他]


 リングフィールド競馬場では、2001年に敷設したポリトラック馬場が休むことなく使用され続け劣化したため、これを“回復させる”大掛かりな改修工事が行われている。

 9月15日の開催はポリトラック馬場で施行される予定であったが、改修工事を円滑に進めるため芝馬場への変更が許可された。次の開催日である10月2日までに完了させるべく工事が進んでいる。

 来場者たちは、全天候馬場に大型の土木機械が置かれた珍しい光景を目にした。現在馬場の表層を剥がす作業が進んでおり、内周は淡褐色の基盤が露出し、外周にほぼ黒色の表層材が積み上げられている。

 全天候馬場の歴史上、この種の改修工事は初めてのことである。同競馬場のニール・マッケンジー=ロス(Neil Mackenzie-Ross)馬場取締役はこの改修の背景について、以下のように述べている。「ポリトラック馬場では、毎年競馬が約100日施行される ばかりでなく、ほぼ毎日ギャロップ調教が行われます。馬場の性能を回復させる方法、悪化しているキックバック(土砂の跳ね上げ)の問題を改善する方法を ずっと模索してきました」。

 「馬場の基盤に近い下層の2〜3インチ(約5.1〜7.6 cm)の素材は新品と同じくらい良質であるという印象を受けたので、馬場を回復させるためにそれを利用します」。

 「劣化が進んで黒くなった表層4インチ(約10.2 cm)程度を剥がしたものを馬場の外周に積み上げています。次にこれを基盤の上に敷き、その上に新品同様の素材を敷いて改修工事を行います」。

 マッケンジー=ロス馬場取締役は、ターフトラックス社(TurfTrax)の農業土木学者であるアレックス・ヴィッカーズ(Alex Vickers)氏から助言を受けて、馬場の中の、競走に使用するコースから離れた箇所を使って予め実験を行ったところ、浸透あるいは排水への悪影響はみ られず、結果は良好であった。

 また、フィリップ・ホブズ(Philip Hobbs)調教師所有のギャロップ走路は、大々的ではないものの同様の改修工事を行ったことから、マッケンジー=ロス馬場取締役は自信を持った。

 同氏は、「フィリップ調教師は、ギャロップ走路のポリトラック素材を改良型ハローを使用して混ぜ合わせるという基本的に同様の“再生工事”の結果に満足しています。彼の走路を見て大変勇気付けられました」と語った。

 今回のポリトラック馬場の改修工事が、今後の競走にどのような影響を及ぼすかについて、馬券購入者の関心に応え、マッケンジー=ロス馬場取締役は次のよ うに述べた。「調教師たちが改修後の馬場を試走すればもっと多くのことが分かるでしょう。しかし、馬場が馴染むまでには少し時間がかかるでしょう」。

 「ポリトラック本来の状態にすることを目指しますが、最初の内は馬場の素材の密度はやや低くなることは否めません。私の直感では当面、改修工事前より少し重い馬場で施行することになるでしょう」。

By Graham Dench

[Racing Post 2009年9月16日「Lingfield’s major makeover set to ‘pep up’ Polytrack」]


上に戻る