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海外競馬ニュース
2009年10月01日  - No.39 - 1

英国の騎乗免許を失ったリンチ騎手、 米国からも排除(イギリス)[その他]


 英国から米国に移ったファーガル・リンチ(Fergal Lynch)騎手は、米国の騎手免許を返却し、英国で騎乗が認められるまで米国では騎乗しないと約束した。騎乗から離れる期間は少なくとも2010年7月までとなるだろう。

 31歳のリンチ騎手は7月、馬を減速させたことを含む2004年の一連の重大な反則行為について、英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)から制裁を課された。フィラデルフィアパーク競馬場はこれを受けて同騎手に騎乗停止処分を課し、同騎手は9月初め、ペンシルヴァニア州競馬委員会 (Pennsylvania Horse Racing Commission: PHRC)に自身の騎手免許を任意で返却した。

 リンチ騎手は9月6日、コメントを控えた。同騎手はBHAの審理において司法取引をした結果、制裁の内容は (1) 12ヵ月間英国で騎手免許の申請をしないという約束および (2) 5万ポンド(約850万円)の過怠金となった。その結果からみて、米国ではキャリアを続行できると思われていた。ところが、同騎手は2009年99勝で目下リーディング騎手となっているフィラデルフィアパーク競馬場から騎乗停止され締め出された。

 PHRCは、リンチ騎手が英国での騎手免許を取得するまでは、米国のどの州においても騎手免許を申請しないことを約束したと述べた。

 BHAはリンチ騎手と司法取引を行い、リンチ騎手が、(1) 馬を減速させた事実、(2) 騎乗した6レースの内部情報を提供した事実、(3) 2004年当時馬主資格を剥奪されていたマイルス・ロジャーズ(Miles Rodgers 元プラチナ・レーシングクラブ代表)氏と組み、あるいは同人を介して賭事を行った事実を認める代わりに、制裁を軽減した。このことを批判されたBHAは、リンチ騎手が“非常に軽い制裁で済んだこと”を認めた。

 BHAは米国の競馬統括機関に事件の詳細を通報したが、フィラデルフィアパーク競馬場がリンチ騎手を騎乗停止処分にする決定には関与しなかった。

 BHAの広報担当ポール・ストラサーズ(Paul Struthers)氏は、「BHAはリンチ騎手と12ヵ月間英国で騎乗しないと合意しています。米国での処分はいずれにしても私たちが予想していた制裁 内容、つまり12ヵ月間の騎乗停止あるいは資格剥奪とかけ離れていません」と語った。

 同氏は次のように付言した。「リンチ騎手が米国で騎乗しないことになったので、事態はあるべき姿に近づいたと思います。同騎手は英国では12ヵ月間騎乗 しないと約束しています。この期間が終わった後に免許申請があれば、免許委員会が同騎手が健全で適切な人物であるか否か審査します」。

By Jon Lees

(関連記事)海外競馬情報2008年No.2「ファロン騎手裁判、無罪判決、関係者の反応(イギリス)」

[Racing Post 2009年9月7日「Lynch forfeits US licence and will not ride there until free to race in Britain」]


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