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2009年04月02日  - No.13 - 3

財政難のフォートエリー競馬場を 地元の共同事業体が買収し競馬続行 (カナダ)[開催・運営]


 カナダのオンタリオ州にあるフォートエリー競馬場を買収する動きが見られる。この競馬場をノーディックゲーミング社(Nordic Gaming Corporation: NGC)から3500万ドル(約35億円)で買収する契約内容確認書(letter of intent)を発表したのは、フォートエリー・レーシング・サラブレッド・コンソーシアム・グループ(Fort Erie Racing Thoroughbred Consortium Group:FERTCG)である。

 FERTCGは共同事業体であり、構成員はフォートエリー町(Township of Fort Erie)、フォートエリー経済開発・観光社(Fort Erie Economic Development and Tourism Corp.: EDTC)およびオンタリオ州ホースマン共済協会(Ontario Horsemen’s Benevolent and Protective Association: HBPA)の3者である。FERTCGは、3月12日に、財政難に陥ったフォートエリー競馬場を救済する買収計画を発表した。

 NGCはこの4年、ナイアガラ滝の近辺の、国境の両側にあるカジノとの競争により、年間300〜400万ドル(約3〜4億円)の損失が生じていた。

 新たに結成された共同事業体であるFERTCGは、手付金225万ドル(約2億2500万円)をNGCに支払った。その負担割合は、EDTCが150万 ドル(約1億5000万円)、HBPAが50万ドル(約5000万円)、フォートエリー町が25万ドル(約2500万円)である。

 FERTCGは、事業計画を作成し、金融機関や州政府からの資金調達を図るための期間として90日が与えられている。

 この買収を計画しているEDTCのジェネラルマネージャーであるジム・ティバート(Jim Thibert)氏は、「提示金額3500万ドル(約35億円)は、売り手と買い手の双方が取引意欲を持てる金額として私たちが行き着いた結果です」と述べた。

 同氏は、「ノーディックゲーミング社の事業運営を支援したり、その損失を補填するものではありません。これは共同投資事業であり、共同事業体を構成する 私たち3者は大きなリスクを負うことになります。競馬場の最終的な購入価格は多少割り引かれる可能性もあります」と付言した。

 フォートエリー競馬場の78日間のライブ競馬開催は、実質的には昨年と同じ賞金レベルを保ち、5月2日に始まる。NGCはこのシーズン全ての開催を実施することを表明している。

 同競馬場の所有者代表であるスティーヴン・エアーズ(Stephen Ayers)氏は声明において、「NGCは、今シーズンにライブ競馬が開催できる解決策が浮上したことに大変満足しています。競馬場とその優れた従業員はこれまで通りです」と語った。

 HBPAの会長でコンソーシアムの会長であるスー・レスリー(Sue Leslie)氏は、最近の事態の進展について期待を示すと同時に、ホースマンたちに協力を呼びかけた。

 同氏は、「絶対に必要なのは、良い競走番組をつくり多くの出走馬を確保して、馬券の売上げを増やし、賞金と競馬の運営費を確保することです。それは フォートエリー競馬場に長期的な安定性を与え、我々が恒久的な問題解決に向けて懸命に取り組むための最も確実な方法です」と語った。

By Perry Lefko
(1ドル=約100円)

[thoroughbredtimes.com 2009年3月12日「Racing to continue at Fort Erie」]


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