ドナヒュー卿、パディパワー社顧問を辞職 (イギリス)[その他]
ドナヒュー卿(Lord Donoughue)は2月19日、ブックメーカーのパディパワー社(Paddy Power)の顧問を辞職した。これによってスターティングプライス(Starting Price: SP)を監督するスターティングプライス規制委員会(Starting Price Regulatory Commission: SPRC)の委員長としての公平性に対する懸念が払拭された。
ドナヒュー卿は、「考慮の結果、本日をもって顧問契約を解消することと致しました。パディパワー社の顧問職は、SPRCでの仕事に何のかかわりもありま せん。今後ともSPRCの業務に全力を尽くしたいと思っています」と述べ、「パディパワー社にはすでにこのことを説明し、同社も了解しました」と続けた。
パディパワー社の最高経営責任者パトリック・ケネディ(Patrick Kennedy)氏は、「顧問契約は短期間でしたが、ドナヒュー卿がアドバイスを下さったことに感謝しています。私たちは同氏の決断を理解しますし、今後のご活躍を期待しています」と述べた。
ウィリアムヒル社(William Hill)の最高経営責任者ラルフ・トッピング(Ralph Topping)氏は、「SPRC委員長の報酬水準はその職責に見合っていません、相応しい報酬があれば、ドナヒュー卿はパディパワー社での顧問職につい て考え直すかもしれません」と語っていた。ドナヒュー卿の決断は、その数時間後になされた。
ドナヒュー卿とその他の理事は、その責務に対して非常につつましい給料しか得ていないと言われており、トッピング氏は、「ドナヒュー卿の社会的信用と、 お人柄には非の打ち所がありません。同氏がブックメーカーの味方と考えたことなどありません。同氏には大いに尊敬の念を持っています。同氏は非常に知性的 で、公正確保についても絶対に清廉潔白です。SPRCでのドナヒュー卿の重要な働きが過小評価されていることは明らかです。同氏の報酬を高くすることが解 決手段だと思います」と語った。トッピング氏のコメントは、ドナヒュー卿の辞職の発表の前に出された。
ドナヒュー卿は、「私の報酬は現在の水準で十分です。金銭のために委員長を務めているのではありません」と述べた。
SPRCの総務部長ジム・ドネリー(Jim Donnelley)氏は2月19日、SPRC内でドナヒュー卿にパディパワー社の顧問職を辞めさせるような圧力は見られなかったと述べた。
同氏は、「彼の辞任のことはいま聞いたばかりです。SPRCの理事たちは、利害の衝突はないと考え、2日前にドナヒュー卿を支持する声明を出していました。ですから今回のドナヒュー卿の決定は彼の個人的な決断によるものと確信しています」と付言した。
By Jon Lees, David Ashforth and Rodney Masters]
[Racing Post 2009年2月20日「Donoughue resigns as Paddy Power consultant」]