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海外競馬ニュース
2009年01月08日  - No.1 - 4

BHA、罰則に関する相互適用を定めた国際協約を尊重(イギリス)[開催・運営]


 香港で騎乗停止処分中のクリス・マンス(Chris Munce)騎手に、オーストラリアが騎手免許を交付した。これが物議を醸していることにかんがみ、12月5日、英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)は、罰則に関する相互適用を定めた国際協約を尊重することを表明した。

 マンス騎手は、賭事の内部情報を漏洩したスキャンダルにより香港で20ヵ月間投獄された経歴の持ち主である。香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club: HKJC)はマンス騎手に2009年9月までの騎乗停止を申し渡していた。ところが2008年12月初旬、オーストラリアのニューサウスウェールズ州が同 騎手に騎手免許を交付し、同騎手は12月10日から騎乗できることになった。これにより国際的な騒動が巻き起こった。

 ニューサウスウェールズ州の決定はHKJCを刺激し、HKJCはオーストラリアと香港の関係を損なう行為であると怒りに満ちた反応を示した。

 英国は以前にスペインの競馬統括機関から1年間の業務停止処分を受けたエディー・クレートン(Eddie Creighton)調教師に対して、数年後に調教師免許を付与した先例がある。2003年にスペインにおいて同調教師は史上初の外国人の最優秀調教師と なった。ところが同調教師は、2人の厩務員と仲間の調教師に脅迫的行為(本人は嫌疑を終始否定)を行ったで、1年間の業務停止処分を受けた。その後、同氏 は2006年に英国に帰国し、調教師免許の申請を行った。この件を扱った競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA:当時この問題の権限機関であった)は同氏に免許を与えた。

 BHAの広報担当ポール・ストラサーズ(Paul Struthers)氏は、「私たちは国際協約を全面的に支持します。罰則に関する相互適用は重要な原則です」と述べた。

 同氏は、通常の事例においては、他の国・地域の競馬統括機関の調教停止処分中の個人から免許申請があっても却下されると述べた。

 しかし同氏は、クレートン調教師の件は“相互適用期間外”であり、スペイン側からは特段の要請を受けなかったことを併せて考慮し、BHAは同氏に調教師免許を与えたと語った。

 ストラサーズ氏は、「クレートン調教師の件はHRA時代のことなので良く分かりませんが、相互適用期間外だったからだと思います。当時の免許委員会は法 律専門家のアドバイスを受け同調教師に免許を与える決定をしました。これは国際協約の相互適用の条項に触れていません。したがって、BHAが他の国・地域 の競馬統括機関が下した制裁処分と同等の制裁処分を行わなかったことは、国際協約に違反していません」と語った。

By Paul Eacott


[Racing Post 2008年12月6日「BHA backs international bans」]


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