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海外競馬ニュース
2009年01月08日  - No.1 - 2

騎手組合、健康保険問題に重点的に 取組む(アメリカ)[その他]


 騎手組合(Jockeys’ Guild)は破産を回避した直後の会合において、騎手の健康と福祉に関する案件を取上げた。

 騎手組合の総会が、12月8、9日の2日間ラスベガスで開催され、健康保険費と競馬場内の医療の改善が議論された。騎手組合は現在のところ、メンバーに健康保険サービスを提供していない。

 またこの総会では、全米サラブレッド競馬協会(National Thoroughbred Racing Association: NTRA)の安全・公正に関する同盟(Safety and Integrity Alliance)を支持することを決定した。10月に発表されたNTRAのこのプロジェクトは、馬の安全に焦点を当てている。このプロジェクトが馬の故 障を減少させることを目標としていること(それは言い換えれば騎手の怪我の減少にも寄与する)を評価する一方で、騎手組合は騎手特有の健康問題と福祉問題 を考慮するよう競馬産業に求めた。

 騎手組合の競馬産業への要望事項は次のとおりである。(1) 騎手とその家族に対し手ごろな保険料で健康保険サービスを提供すること、(2) 騎手の体重制限についての議論を続けること、(3) すべての競馬場における現行の傷害保険を改善すること、(4) インフレに対応するために傷病手当金を調整すること、そして (5) ヘルメットと安全ベストを改良するため支援すること。

 キーンランド協会(Keeneland Association)の医療担当理事であるバリー・シューマー(Barry Schumer M.D.)医師は講演で、騎手たちがインターネットを通して自身の病歴記録を更新することができる新しい騎手医療データベースの概要を説明した。信頼性の あるデータベースは、緊急時に医療関係者に有力な情報を提供する。このデータベースの開発を行ったのは、ジョッキークラブの子会社インコンパスソリュー ションズ社(InCompass Solutions)、ジョッキークラブ、ジョッキークラブ・テクノロジーサービシーズ社(Jockey Club Technology Services)、騎手組合、シューマー医師、キーンランド協会である。

 騎手組合は、資金提供の機会を拡大し、共通の問題について対策を検討するために世界中の騎手団体に働きかける計画を発表した。騎手組合はまた、オーストラリア、カナダ、イギリス、香港、日本の団体との会合を計画している。

 他の来賓講演者は、メジャーリーグ選手会(Major League Baseball Players Association)専務理事のドン・フェア(Don Fehr)氏、チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)のマイク・モスホルダー(Mike Mossholder)副会長、ノースウエスタン・ミューチャル・ファイナンシャル・ネットワーク社(Northwestern Mutual Financial Network)の上席投資専門家ドン・ラーキン(Don Larkin)氏、インコンパス社のミシェル・ペンナ(Michelle Penna)氏、そして障害者騎手基金(Disabled Jockeys Endowment)および永続的障害者騎手基金(Permanently Disabled Jockeys Fund)について報告したナンシー・ラサラ(Nancy LaSala)氏である。

 騎手組合のテリー・メヨックス(Terry Meyocks)事務局長は、「私たちは総会のすべての発表者のご意見を評価しています。とりわけメジャーリーグのドン・フェア会長が今回の総会に参加 し、選手たちの地位を向上させるために、同氏と選手会が行った措置について説明してくださったことに感謝しています」と語った。

 また、騎手組合は、ジョン・べラスケス(John Velazquez)会長、G・R・カーター(G. R. Carter)副会長、会計係のジェリー・ラサラ(Jerry LaSala)氏、書記のジョン・コート(Jon Court)氏を含む指名役員全体を再選した。

By Frank Angst


[thoroughbredtimes.com 2008年12月10日「Jockeys’ Guild turns focus to health insurance」]


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