ベッティングショップ向け競馬放映をめぐる戦争、ターフTV優勢(イギリス)[その他]
大半のブックメーカーはターフTVの映像配信をのむ
1月14日、週末のウィリアムヒル社(William Hill)に続いて、ベットフレッド社(Betfred)もターフTV社(Turf TV:英国の大半の競馬場等が共同で立ち上げたベッティングショップ向け映像提供会社)との交渉が妥結すると思われていたが、失敗に終わり、両社間の協議は当面予定されていない。
イギリスで第4位の大手ブックメーカーであるベットフレッド社は、現在ターフTV社とベッティングショップ映像配信契約を結んでいない。他の大手ブックメーカーであるウィリアムヒル社、コーラル社(Coral)、ラドブロークス社(Ladbrokes)は、ターフTVと契約を結んで、傘下店舗にターフTV社と提携する31競馬場からのテレビ映像の配信を受けることになった。
1月13日にウィリアムヒル社との契約が結ばれた際、ベットフレッド社とターフTV社が会談したと報道されたが、1月14日に最新の状況を聞かれたベットフレッド社のジョン・ハドック(John Haddock)社長は、たった1文の声明で現状を説明した。
「ターフTV社と一度会談しましたが、当面あらたな会談は予定していません」。
ベットフレッド社のフレッド・ドーン(Fred Done)会長は、昨年私財から800万ポンド(約19億2,000万円)を出してSIS社(Satellite Information Services: 衛星情報サービス)に投資した。つい3週間前に、コーラル社がターフTV社と契約した際、ドーン会長は、「私たちはターフTV社と契約するつもりはありません」と述べた。
ベットフレッド社との会談について聞かれたターフTV社の非常勤役員サイモン・バザルゲット(Simon Bazalgette)氏は、「話合いは進行中ですが、まだ妥結していません」と述べた。
同氏は、独立ブックメーカーのチザム社(Chisholm)、コーベット社(Corbett)、ベッター社(Better)、バックハウスベット社(Backhouse Bet)などとも会談を続けており、1,000店舗以上が共同チャンネルをつくって受信することに関心を示したと付言した。
ターフTV社のバザルゲット氏は、「チザム社が契約したかどうか確信はありませんが、まだ契約していないのであれば、現在話合いを続けていることでしょう。サービスを受けなかったブックメーカーはすべて、何とかして契約にこぎつけるよう話合いを行っています」と語った。
By Jon Lees
(1ポンド=約240円)
[Racing Post 2008年1月15日「No talks planned between Betfred and Turf TV」]
1月末までにターフTV社と契約できなかったブックメーカー配下のベッティングショップでは、賭けに不可欠なレース実況映像が見られなくなるだろう。
今までのところ、イギリスとアイルランドの全域で1万店に近いベッティングショップのうち、8,500店が新たにターフTV社の映像を受信することになった。そのほかの1,500店のベッティングショップは、2月1日からターフTVと提携する31の競馬場からの映像を受信できなくなるだろう。
ターフTV社のアラン・モルコム(Alan Morcomb)会長は、「私たちは昨年4月にSIS社と共同運営に合意し、12月末までSIS社を経由して映像を配信することに同意しました。そして、SIS社がそのデータに関する世界的な権利関係の処理を必要とするので、この期限を1月末まで延長しました。それを処理するのは悪夢のように大変ですが、2月1日には完了します」と述べた。
「この2月1日の変更に対する準備をしておらず、データを受信することができなくなるブックメーカーがあるかもしれません。彼らを困らせたくないので、3月末まで無料でデータを送信しますが、SIS社がその提案を拒否しました。この間データを受信することができないブックメーカーがあれば、それはSIS社の問題です」。
By Paul Eacott
[Racing Post 2008年1月18日「Non-Turf TV shops could be deprived of betting shows」]