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海外競馬ニュース
2008年12月04日  - No.48 - 2

資金不足のためカラー競馬場の再開発計画凍結(アイルランド)[その他]


 アイルランド政府により発表された大幅な予算削減を受けて、1億ユーロ(約160億円)に上るカラー競馬場の再開発計画は凍結される。

 アイルランドで最も歴史のあるカラー競馬場は、その近代化が切望されており、再開発計画の第一段階は首尾よく完了し、第二段階とその他の大半の段階は、2009年7月に開始されることが予定されていた。しかし、政府が競馬・グレイハウンド基金(Horse and Greyhound Fund: HGF)への補助金を9.5%削減[660万ユーロ(約10億5600万円)に相当]するという発表を受けて、少なくとも差し当たり凍結されることとなった。

 ターフクラブ(Turf Club)は11月5日正午に発表した声明において、「ターフクラブは、現在の前例のない経済状況を踏まえて、カラー競馬場の再開発計画の延期を決定しました。私たちは現時点において、再開発を開始するのは妥当ではないと感じています。また私たちは、この計画を経済状態が回復してから復活させる方向で検討を続けます」と語った。

 約1億ユーロ(約160億円)の予算が立てられているこの計画は、ホースレーシング・アイルランド(Horse Racing Ireland: HRI)の資金援助、競馬産業の寄付、銀行借り入れおよびターフクラブの自己資金が財源となっている。

 ターフクラブの上席裁決委員ニック・ウォッシュマン(Nick Wachman)氏は、ターフクラブの顧問だけではなく、競馬界の重鎮の多くに意見を聞いたうえでこの決定を下したとコメントした。同氏は、意見を求められた全員が現時点においてこの計画を延期するのが最善策であるということに同意したと語った。しかし同氏は、この計画はターフクラブにとっては引き続き優先事項であり続けると強調した。

 ウォッシュマン氏は、これを機にこの計画を支持したすべての人に感謝したいと述べ、次のように語った。「幸運にもアイルランド競馬界の全員が、この素晴らしいカラー競馬場を世界レベルの競馬を提供するのに相応しい施設とするために、同競馬場の再開発の必要性を理解してくれました。私たちは、この計画が妥当な時期に再開されることを確信しています」。

 「ターフクラブに代わって、この計画に関係したすべての方々に感謝し、とりわけこの計画を促進させるために支援を申し出てくださったアガ・カーン殿下(Aga Khan)に改めて御礼を申し上げたいと思います。また、私たちの計画を進展させるために多大な資金援助をしてくださった政府とHRIならびに競馬産業関係者に感謝します」。

 「私は相応しい時期が訪れた時に、アイルランド競馬界の未来にとって不可欠であるこの計画の復活に皆さんが賛成してくれることを期待しています」。

 ウォッシュマン氏は、再開発の一環としてカラー競馬場の2009年後半の開催日程が他の競馬場に振替えられていることに言及し、ターフクラブとHRIはこれらの日程について話し合うために近いうちに会合を行うだろうと述べた。

By Lee Mottershead
(1ユーロ=約160円)

[Racing Post 2008年11月5日「Cash-starved Curragh scraps redevelopment」]


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