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海外競馬ニュース
2008年01月31日  - No.4 - 3

騎手が訴えるニューヨーク州競馬の創造的な解決策(アメリカ)[その他]


 競馬産業が直面している諸問題を、ニューヨーク州の競馬施行権を獲得する会社が創造的な方策によって解決してくれること、これがジョン・ベラスケス(John Velazquez)騎手をはじめとする騎手グループの願いである。

 サラトガ、アケダクト、ベルモントパーク競馬場で競馬を施行するニューヨーク競馬協会(New York Racing Association: NYRA)の施行権利は、2007年12月31日で期限が切れ、2008年2月13日まで暫定延長されている。

 騎手組合(Jockey’s Guild)の会長を務めるベラスケス騎手は、次のように述べた。「これは変革を起こす絶好の機会です。1950年代に創られたものは、21世紀にはもう機能しません。長期的な解決策で、ニューヨーク州の競馬を世界的リーダーにするためには、われわれは赤字に陥っている場外発売制度を立て直すと同時に、革新的なゲーミング(video lottery terminal)事業を取り入れるプランを策定する必要があります。ニューヨーク州の競馬はあらゆる面で最高です。実際に最高であることは州のモットーでもあります。ニューヨークの競馬ファンも最高です。今こそ変革を成し遂げるチャンスです」。

 ペンシルバニア州では、競馬場におけるゲーミング収益の12%が競馬賞金と軽種馬生産基金に回されている。競馬場にゲーミングを導入することを可能にした賭事法の成立後、同州の軽種馬産業では、この追加収入により産駒数が劇的に増加した。

 「他の複数の州では、競馬はゲーミングの収益から恩恵を受けています。ペンシルバニア州の例が示すように、その恩恵の範囲は、競馬そのものの領域を超えてはるかに大きく広がっています」とベラスケス会長は述べる。

 騎手グループは対策が必要な領域として、騎手退職基金の設立、騎乗料の引き上げをはじめ、競走馬と厩舎関係者の安全・健康や福祉問題があると感じている。また、NYRAの理事会に騎手、競馬関係者、生産者のポストを設けることも望んでいる。

 「安全の問題に議論の余地はありません」とベラスケス騎手は述べる。「競馬関係者、生産者、騎手は、競馬場における意思決定プロセスに参加し、ニューヨーク州競馬の施行権利を獲得する会社と力を合わせてファンに可能な限り最高の競走を提供する必要があります」。

 

 「加えて、健康、福祉、年金、騎乗料など、われわれに関係する問題について、カリフォルニア州の最近の取り組みをモデルに、ニューヨーク州でも創造的なアプローチが採用されることを願っています。カリフォルニア州の場合、騎手の年金基金は電話投票(Advanced Deposit Wagering)からの拠出金で開始されており、騎乗料も引き上げられましたが、ニューヨーク州では、騎乗料は長年増加していません」。

 ベラスケス騎手のグループには、アロヨ(Norberto Arroyo)、ブラボー(Joe Bravo)、カステラーノ(Javier Castellano)、コア(Eibar Coa)、デゾルモー(Kent Desormeaux)、ドミンゲス(Ramon Dominguez)、ガルシア(Alan Garcia)、ヒル(Channing Hill)、ラッツィ(Mike Luzzi)、マラーゲ(Rajiv Maragh)、プラド(Edgar Prado)、サミン(Jean-Luc Samyn)、ベラスケス(Cornelio Velasquez)などの騎手が含まれている。

 

[thoroughbredtimes.com 2008年1月8日「New York jockeys seeking creative solutions」]


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