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海外競馬ニュース
2008年06月12日  - No.23 - 2

ベッティングショップの映像をめぐる戦争、訴訟に発展(イギリス)[その他]


 ベッティングショップへの英国競馬のライブ映像配信の市場は、過去20年間にわたり SIS社が独占してきたが、同市場にターフTV社が参入したことにより“戦争”が起きた。このたびロンドン高等法院に戦場が移り、モーガン(Morgan)判事の下で裁かれることになった。

 訳注:(1) SIS社…大手ブックメーカーの出資により設立された会社であり、場外ブックメーカー専門に映像を衛星放送で配信する。(2) ターフTV社…英国のほぼ半数の競馬場等が共同して立ち上げた。ベッティングショップに衛星放送で映像を配信する。

 主要ブックメーカーは、ターフTV社の映像受信を共謀して拒否し、不当な取引制限をしたという提訴を受け、5月9日これに反論した。

 訴訟を提起したアムラック社(Amrac:イギリスの60競馬場のうち31競馬場を代表する競馬会社)等は、ウィリアムヒル社(William Hill)、ラドブロークス社(Ladbrokes)、ベットフレッド社(Betfred)、バッグス社(Bookmakers Afternoon Greyhound Service: Bags)等による共謀妨害行為は競争法に違反していると主張している。

 これに対して、主要ブックメーカーたちの顧問であるプッシュピンダー・サイニ(Pushpinder Saini)弁護士の反論は以下のとおりであった。

(1) ターフTV社が受信料5000万ポンド(約120億円)を求めている状況において、ブックメーカーがしたことは“正当な商業的行為”である。
(2) ブックメーカーがいくつかの競馬場のスポンサーから降りたが、その理由はこれらの競馬場から映像配信を受けなければ、売上げが激減し、ほとんど利益がなくなるからであり、正当な商業的行為である。
(3) ブックメーカーが共謀してターフTV社の事業活動を妨害する合意があれば、それは違法だろうが、そのようなことはなかった。なお、ブックメーカー間の多くの会合ではそのような合意に至るチャンスもあったので、事業活動の妨害について何らかの約束が成立したと誤解を招く可能性があったことは否定しない。

 ブックメーカー側は、アムラック社が違法な価格操作を行っているという反訴を提起した。

By Racing Post staff

[Racing Post 2008年5月12日「Fight over betting shop pictures back in court」]


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