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海外競馬ニュース
2008年03月13日  - No.10 - 2

オンタリオ州競馬委員会、薬物違反を厳罰化(カナダ)[獣医・診療]


 オンタリオ州競馬委員会(Ontario Racing Commission: ORC)の“馬主と調教師の責任に関するルール”の変更は、治療目的でない薬物の陽性反応が出たときは、自動的に当該馬を90日間出走停止にすることなど厳しい内容となった。

 この自動的な出走停止処分の規定は、クラス1、2、3の禁止薬物の陽性反応が出た場合や炭酸ガスの許容量を上回った場合に適用される。

 ORCは新しい方策の発表文書で次のように述べた。「ある馬主の所有馬から禁止薬物の陽性反応が出た場合、問題の所在が明らかです。現行の規則には陽性反応が出たことに対する馬主の責任が規定されていません。今回の規則改正の目的は、調教師を選ぶにあたって適切な注意を払うよう馬主に求めることにあります」。

 ORCは、薬物違反に対する調教師の責任について考え方を明らかにし、従来の規則に矛盾があったことを明らかにした。

 ORCは発表文書で、「現行規則では、管理馬に相当な注意を尽くしていたことを調教師が立証できれば、責任無しと裁定されることがありました。陽性馬が出ても、その責任が誰にあるのかあいまいになることが起きていました。馬の管理に対する調教師の結果責任を確立することで、絶対的な責任者は誰なのかを、社会全体と競馬産業に示すことになります」と述べた。

 ORCはまた、電気刺激療法の適用に関するガイドラインも制定し、また調教中と競走中における安全手綱の使用義務付けを段階的に導入することとした。

 1月31日に発効する今回の大改正には、これらのほかに、オンタリオ州内においては、獣医師免許を持つ者に限り競走馬に薬物を投与できるとした規定が含まれる。

 ORCはまた、“馬パスポート”制度の制定を目指している。この制度ができると、現在の馬主から要求があったときは、前の馬主は72時間以内に馬の病歴記録を提出しなければならないことになる。病歴記録の要求は馬を譲渡した日から1週間以内に行われなければならない。

 ORCのロッド・セイリング(Rod Seiling)会長は、「これらの措置は、馬、馬主、調教師を保護するためのものであり、同時に競馬が最高レベルの公正確保のもとで運営されているという社会への強力なメッセージとなると確信しています」と語った。

 

[thoroughbredtimes.com 2008年1月29日「Ontario enacts horse suspension for drug violations」]


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