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海外競馬ニュース
2007年02月08日  - No.5 - 1

騎乗制限を試験的に実施(イギリス)[開催・運営]


 夏の繁忙期に騎手が騎乗できる競馬場数を制限するという提案が論争を呼んでいるが、騎手協会(Jockey’s Association)はそれに関して妥協が成立したと考えている。

 5月に投票が行われた際、平地競走騎手の62%が騎乗を1日1場に制限する強制規則に賛成した。しかし、収入が制限されるような規制を課すことについて騎手の不満を考慮し、騎手協会は代案を検討してきた。

 騎手協会の事務局長ジョン・ブレーク(John Blake)氏は、その後しばらくの間は多くの選択肢を検討していると述べていたが、このたび同氏は新規則を4ヶ月間試験的に実施することで英国競馬公社 (British Horse Racing Board: BHB)と協議していることを認めた。この規則は、2007年4月に発効し、土曜日から翌週金曜日までの7日間の騎乗を10場に制限するものである。

 ブレーク氏は次のように述べている。「この騎乗制限については、詰めなければならないことがまだ相当にあります。騎手と騎手エージェントの両方に関係す ることだからです。我々は、1週間単位で騎乗競馬場数を検討してきました。騎乗機会の最大は、平日の6日間は2場、日曜日は1場でつごう週13場ですが、 それを10場に制限することに決定しました。我々は、騎乗を1日1場に制限することに賛成した人も反対した人も、今回の決定に利点があることを理解してく れると思っています」。

 「この決定は、選び得る選択肢のうちで最善のものであり、騎手の選択に柔軟性を持たせています。しかし、騎手はある開催には騎乗しないと決めなければならない場合がでてきます」。

 10年前から騎乗回数の変更を主張してきたトニー・カルハーン(Tony Culhane)騎手は、今回の決定を歓迎し、「最も公平な妥協案だと思います。人々は皆しだいに賢明になってきて、むちゃな主張や愚かなことをあまりし なくなります。今回の妥協案の方向性は正しいと思います」と述べている。

 BHBの広報担当部長ウィル・ラム(Will Lambe)氏は、これまで騎手協会と協議が行われてきたことを認めており、この騎乗制限は確かに両者が正攻法で見出したものだとしている。

 同氏は、次のように述べている。「騎乗制限の問題に関して活発に議論がなされてきました。BHBは、柔軟性があり、かつ有意義な解決を望んでいます。 我々は、この問題に関して騎手協会と協力しますし、競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA)も関与してくると思います」。

 「7日間ですでに10場騎乗している騎手が、11回目の騎乗契約するのを防止するため、コンピューター・プログラムを書き替えることになるでしょう」。

 「これは、最も実行可能な解決策と思われますが、その影響を見守る必要があります」。

 

By Paul Eacott


〔Racing Post 2006年12月18日「Jockeys facing limit of ten meetings per week」〕


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