スポンサー、競馬の質の劣化を懸念(イギリス)[その他]
競馬スポンサー協会(Horseracing Sponsors’ Association: HSA)は、英国競馬機構(British Horseracing Authority: BHA)が要求していた開催日程の戦略的見直しに関する提案書の中で、下記の結論をまとめた。
(1) レースの質が落ちているために、賭事客が競馬に興味をなくしている。(2) 競馬シーズンにめりはりをつけるべきである。(3) 地上波テレビ放映は、競馬産業がスポンサーを獲得するのに不可欠な材料である。
HSAは競馬場に対し、50マイル(約80 km)以内にある競馬場が同時にレースを開催しないことを検討し、また、開催をもっと宣伝するよう要求している。
HSAの提案書では、「粗悪な質の競馬では、賭事客は競馬場に行く気をなくすし、競馬場の客の入りが悪いとスポンサーはつかない」と記載されている。
提案書は、競馬シーズンの問題について次のように勧めている。「障害競走は、チェルトナムおよびエイントリーでの開催まで通じるはっきりとした流れがあるが、平地競走は、シーズンを通して明確な流れも物語もなく競馬ファンも追いにくい。平地競走の流れをより明確にしたほうが良い」。
「平地競走は凱旋門賞あるいはブリーダーズカップへと通じていると主張する者もいるだろうが、必要なのはシーズン閉幕時にこれらの2競走に匹敵するようなレースをイギリスでも開催し、イギリスと海外の優良馬が戦うことなのです」。
また、平地競走シーズンのスタートが地味になりがちなことを目の当たりにして、HSAは、提案書の中で次のように述べている。「私たちは開幕と閉幕がはっきりしている、平地、全天候型馬場、障害、夏障害の4シーズンを明確に規定すべきだと確信している」。
「私たちは、4つのシーズン全てが、ベットダイレクト社(Betdirect)およびボーナスプリント社(Bonusprint)がスポンサーであるアリーナ社(Arena)の全天候型馬場シーズンと同様にスポンサーをひきつけると確信している。全天候型シーズンはスポンサーの授賞式とともに閉幕する」。
HSAは、地上波テレビ放映はスポンサーがつきやすいと述べ、「2006年において競馬地上波放映の94%はスポンサーがついており、歴史的にスポンサーがつかないロイヤルアスコット開催を除けばこの数字は98%に上がる」と指摘している。
開催日程の戦略的見直しは、今年5月から開始され、提案書の締め切りは10月23日であった。
BHAの広報担当であるウィル・ラム(Will Lambe)氏は、「私たちは現在、各団体からの回答を検討しています。その結果については11月中に競馬業界と意見交換し、BHA理事会は12月の会議で審議する予定です」と述べた。
By David Lawrence
[Racing Post 2007年10月24日「Poor-quality among concerns for sponsors」]