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2007年02月01日  - No.4 - 1

フロリダ州で馬ヘルペスウイルスにより馬が死亡(アメリカ)[獣医・診療]


 フロリダ州農 務省(Florida Department of Agriculture)のスポークスマン、マーク・ファガン(Mark Fagan)氏によると、同州のインディアンタウン・ギャップ(Indiantown Gap)にあるペイソンパーク調教場(Payson Park training center)に入厩していた馬が、馬ヘルペスウイルスの症状を示す病気で12月22日に死亡したため、同調教場の厩舎地区が12月23日に隔離指定された。死亡した馬はジョン・へニング(John Hennig)調教師の管理馬である。

 同調教場の隔離は、農務省の係官の検査が行われた後に決定された。ファガン氏は、どのくらいの期間隔離されるかは分からないと述べている。他方、馬ヘル ペスウイルスに感染していることが確認された1頭は、12月11日にマイアミのコールダー競馬場(Calder Race Course)から輸送されてきた。同競馬場は、ペイソンパーク調教場の南約90マイル(約145km)のところに位置している。

 同調教場は、冬季に南フロリダ州で出走するために一流調教師が利用する個人調教場である。同調教場に馬を入厩させている調教師には、ビル・モット (Bill Mott)、クリストフ・クレメン(Christophe Clement)、マーク・へニング(Mark Hennig)、ジョン・キンメル(John Kimmel)およびトム・アルバートラニ(Tom Albertrani)の各調教師がいる他、無敗の6連勝でシガーマイル(Cigar Mile G1)で優勝しセンセーションを巻き起こした3歳のディスクリートキャット(Discreet Cat)を含むダーレー・ステーブル(Darley Stable)所属の多数の馬が入厩している。ペイソンパーク調教場の隔離が1月3日に開幕するガルフストリームパーク(Gulfstream Park)競馬場の2007年開催にどのような影響を与えるかは定かでない(この記事は12月26日に掲載された)。同競馬場は、マイアミの真北に位置す るハランデールビーチにある。

 コールダー競馬場の獣医師、メリー・スカレー(Mary Scollay)博士によると、本件死亡馬は、パームビーチ郡の馬病院で最近手術を受け、その後ペイソンパーク調教場に送られたが、同じ病院でコールダー競馬場の感染馬も治療を受けていた。

 スカレー博士は、「ペイソンパーク調教場で12月22日の夜に死亡した馬の剖検結果は、早くても12月26日以降になりますが、死亡した際のすべての症 状と状況を考慮すれば、同馬の死亡を馬ヘルペスウイルスと判断するのが妥当ですが、そうでないこともあり得ます」と述べている。

 コールダー競馬場では、ペイソンパーク調教場に入厩している馬で、12月24日と26日の競走に出馬投票していた馬は、12月23日のレースに出走を予 定していた馬と同じように、出走を取り消された。さらに、同調教場に入厩している馬の出馬投票は、州農務省によって隔離が解除されるまで受け付けられな い。タンパベイダウンズ(Tampa Bay Downs)競馬場の担当者によると、同競馬場も12月23日に予定していた12月29日のレースの出馬投票を3日間延期した。

 キンメル調教師は12月23日、「今回の状況がしばらく続くとすれば、ペイソンパーク調教場に管理馬を入厩させている者全員に大きな影響があるのは確実 です」と述べた。同調教師は、ガルフストリームパーク競馬場にも管理馬の一部を入厩させており、「コールダー競馬場で12月24日に1頭、また12月26 日に別の1頭を出走させることになっていましたが、できなくなりました。また、ペイソンパーク調教場からガルフストリームパーク競馬場にある私の厩舎に何 頭かの馬を移動させる予定でしたが、これもできなくなりました。近く行われるセリのために何頭かの馬をキーンランドに輸送することも予定していましたが、 これらの馬はセリに出る機会を逃す羽目になりました。全てはヘルペスの影響です」と述べている。

 現役競走馬を含むすべての馬を対象とするキーンランド混合セリ(Keeneland All Age Sale)は、1月8日に始まる。

 

By Mike Welsch


〔Daily Racing Form 2006年12月26日「Herpes suspected in death」〕


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