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海外競馬ニュース
2007年10月05日  - No.38 - 3

マグナ社、ティッセルダウンおよびポートランド・メドウズ競馬場を売却(アメリカ)[開催・運営]


−コンサルタント会社は現在もマグナ社の資産を審査中―


 財政的に火の車となったマグナ・エンターテイメント社(Magna Entertainment Corp.)は、ゲーミング賭事導入に失敗した2競馬場の売却を計画している。その競馬場とは、オハイオ州のティッセルダウン(Thistledown) 競馬場とオレゴン州のポートランドメドウズ(Portland Meadowns)競馬場である。

 マグナ社のフランク・ストロナーク(Frank Stronach)会長は、負債を減らすために更なる競馬場の売却を考えていると述べた。同社の8月の報告によると、2007年度第2四半期の損失は 2,343万7,000ドル(約28億1,200万円)、上半期の損失は2,096万8,000ドル(約25億1,600万円)とのことだ。

 オハイオ州では州上院が、スロットマシーンと類似するものの、実際はパリミューチュエル方式で行われるインスタントレーシング(Instant Racing)機の導入を承認した。しかしながら、テッド・ストリックランド(Ted Strickland)州知事は、インスタントレーシング関連の法案には全て拒否権を発動すると述べた。

 ティッセルダウンズ競馬場は、インスタントレーシング機導入の他にも、ビデオを使った賭事用ゲーム機(VLT機)の設置を計画したが住民投票で負けてい る。2006年のティッセルダウンズ競馬場の税引前損失は450万ドル(約5億4,000万円)で、その中には住民投票にかかった費用310万ドル(約3 億7,200万円)が含まれる。

 オレゴン州競馬委員会(Oregon Racing Commission)がマグナ社に、ポートランドメドウズ競馬場におけるインスタントレーシング機導入の許可を出した後、同社は170万ドル(約2億 400万円)を投資して150台の機械を購入し、機械を収容する部屋を設置していた。

 また、オレゴン州では、6月に州司法長官がインスタントレーシングは違法であるとの決定を下している。

 マグナ社の暫定CEOも務めるストロナーク氏は次のように述べている。「我が社は競馬産業に大きく貢献していますが、これらの競馬場は、運営面と規制面 で非常に困難な問題に直面しているのが実情です。我が社は引き続き資産の売却と財務改善に全力で取り組んでいく所存で、このために利益を上げていない2競 馬場の売却を決断したのです」。

 業績が振るわなかった第2四半期を終えて、マグナ社は、マグナ社の前CEOであるトム・ハッジソン(Tom Hadgson)氏が率いるグリーンブルック・キャピタル・パートナーズ社(Greenbrook Capital Parteners)に対し、戦略的見直しを依頼したと発表した。発表時にハッジソン氏は、マグナ社が競馬場を売却することを明らかにした。

 ティッセルダウンズ競馬場とポートランドメドウズ競馬場を売却するという9月5日の発表後、マグナ社の秘書役であるビル・フォード(Bill Ford)氏は、ハッジソン氏の戦略的見直しの結果更なる競馬場売却の可能性があると述べた。

 マグナ社所有のメリーランド州のピムリコ(Pimlico)競馬場とローレルパーク(Laurel Park)競馬場でも、この5年間、ゲーミング賭事導入に失敗し続けている。

 


[Thoroughbred Times 2007年9月15日「Magna to sell Thistledown, Portland Meadows」]


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