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TOPページ > 海外競馬情報 > ゴドルフィンのCEOファーガソン氏の辞任で生産界が受ける影響(国際)【生産】
海外競馬情報
2017年06月20日  - No.6 - 5

ゴドルフィンのCEOファーガソン氏の辞任で生産界が受ける影響(国際)【生産】


 ジョン・ファーガソン(John Ferguson)氏が6月6日にゴドルフィンのCEOを辞任したというニュースは、同氏が四半世紀にわたりセリにおける最高の購買者の1人であったことから、サラブレッド界を震撼させたに違いない。同氏は25年間ゴドルフィンで様々な役割を担い、モハメド殿下の競走用と繁殖用の馬の調達に関わった。その間、莫大な支出も大幅な削減も敢行した。

 この辞任の発表により、"ゴドルフィンのセリでの支出はファーガソン氏が采配してきた頃のレベルを保つか"ということについて疑問が生じている。世界中のセリにおいて、ファーガソン氏が現れることで年間売上額は大きく増加した。

 タタソールズ社10月1歳セール・ブック1(Tattersalls October Yearling Sale Book1)ほど、ファーガソン氏の存在が大きな影響力を持ったセリはなかった。このセリで長年最高額購買者に輝いてきたファーガソン氏は、過去5年間で5,800万ギニー(約85億2,600万円)を支出し163頭を購買した。その頃、モハメド殿下の種牡馬帝国の中でも傑出した種牡馬ドバウィ(Dubawi)の産駒に集中して支出していたのは間違いなく、1,926万5,000ギニー(約28億3,196万円)を支出して1歳のドバウィ産駒を27頭購買していた。この額は、同時期のこのセリでの支出総額の33%に相当する。なおドバウィの2017年種付料は、自己最高の25万ポンド(約3,500万円)に達している。

 たとえば、ファーガソン氏が最近7桁で購買したドバウィ産駒のうち2頭は、6月10日にニューマーケット競馬場でデビュー予定である。それは、2016年のタタソールズ社10月1歳セールにおいて260万ギニー(約3億8,220万円)で落札され最高価格馬の1頭となったグロリアスジャーニー(Glorious Journey) と、ゴフス社オービーセール(Goffs Orby sale)における購買額140万ユーロ(約1億7,500万円)の最高価格馬ビーイングゼア(Being There 母ビューティーパーラー 母父ディープインパクト)である。両馬は、午後1時55分の6ハロン(約1200m)の未勝利戦に出走登録されている(訳注:グロリアスジャーニーはこのレースで優勝。ビーイングゼアは6月15日にデビュー予定)。

 ファーガソン氏は、2016年タタソールズ社10月1歳セールのブック1だけで、1,391万ギニー(約20億4,477万円)を支出して1歳馬26頭を購買していた。また、ゴフス社オービーセールでは268万ユーロ(約3億3,500万円)で8頭、キーンランド9月セールでは224万5,000ドル(約2億4,695万円)で5頭を購買した。結果的に、このような高額で購買された馬は、自家生産馬とともにゴドルフィンの2017年の2歳馬群のかなりの部分を占めている。しかし、高額で購買されたにもかかわらず、ゴドルフィンの厩舎では今年入厩してきた馬について満足されているわけではない。5月30日付の本紙で、ゴドルフィンのサイード・ビン・スルール(Saeed bin Suroor)調教師は、こう語っていた。「今年入厩した2歳馬については、私たちは思うような結果が出せず、大きな遅れを取っています。こんな状況は初めてです。長い時間を掛ける必要があり、2歳馬の多くは今年出走できないでしょう」。

 「とんだ災難です。これらの2歳馬は随分成長が遅れています。調教できませんし、出走させるチャンスはなさそうです。ゴドルフィンは今年、威厳を保てません。どの厩舎の未来も2歳馬にかかっています」。

 もちろん、ファーガソン氏の購買活動の範囲はセリでの高額馬の購買にとどまらず、同氏はCEOとしてゴドルフィンのプライベートでの購買についても主導権を握ってきた。それらの購買は、ゴドルフィンの最近の大きなサクセスストーリーのいくつかをもたらした。今シーズンでは、ロッキンジS(G1)で逃げて勝利したリブチェスター(Ribchester)、ドバイシーマクラシック(G1)優勝馬ジャックホブス(Jack Hobbs)、グリーナムS(G3)優勝馬で英2000ギニー(G1)2着のバーニーロイ(Barney Roy)などがいる。

 ゴドルフィンは6月1日、コモンウェルスカップ(G1 ロイヤルアスコット開催)で現在2番人気の有望な3歳牡馬ハリーエンジェル(Harry Angel)の購買を発表したばかりである。購買額は未公開であるが高額であったと憶測される

 しかし、ファーガソン氏は、ゴドルフィンが世界中の所有馬頭数削減のために積極的な対策を講じた際の"剪定作業"にも貢献しており、その任期中において支出一辺倒であったわけではない。

 2016年前半から、モハメド殿下の事業体はあらゆる年齢の馬を多数売却した。これは所有馬を合理的な頭数に保つことに重点を置くためであり、ゴドルフィンは2016年にタタソールズ社のセリだけで169頭を売却し、その売上げは967万3,200ギニー(約14億2,196万円)に上った。

 昨年キーンランド9月1歳セール(Keeneland September Yearling Sale)の開催期間中、ケンタッキー州のゴドルフィンUS社のCOO(最高執行責任者)を務めるダン・プライド(Dan Pride)氏はこう語っていた。「どれぐらいの馬を競走させ、どれぐらいの馬を売却するかについては、自らの選択基準を用いなければなりません。売却して競走馬にならない馬と手元に置く馬の選択を導き出す魔法の公式を、私たちが持っているとは思いません。しかし、どれぐらいの頭数が管理可能かを念頭に考えなければなりません。私たちが正しかったのか間違っていたのかは、最終的に競馬場で決定されるでしょう」。

 "ゴドルフィンは将来、買い手あるいは売り手として、セリやプライベートでどのように取引を行うのか?"について様々な憶測が飛び交いそうだ。しかし、どの方向に進むとしても、方針転換がなければ、ファーガソン氏が多くの馬、生産者、売り手、セリ会社にもたらした影響、そしてもちろんゴドルフィン自体にもたらした影響は過小評価できないだろう。

By James Thomas

(1ポンド=約140円、1ユーロ=約125円、1ドル=約110円)

[Racing Post 2017年6月6日「Ferguson exit leaves big shoes to fill on the global sales scene」]


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