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TOPページ > 海外競馬情報 > 落馬事故によりサンモリッツの競馬開催に懸念の声(スイス)【開催・運営】
海外競馬情報
2017年03月20日  - No.3 - 2

落馬事故によりサンモリッツの競馬開催に懸念の声(スイス)【開催・運営】


 2016年セントレジャーS(G1)を制覇したジョージ・ベイカー(George Baker)騎手は2月26日、毎年恒例のホワイトターフ開催(サンモリッツ競馬場)で背筋が凍るような落馬事故に巻き込まれた。同騎手は競馬場で応急措置を受けた後、ドクターヘリで競馬場から100 km離れたクール(Chur)の病院に搬送された。

 ベイカー騎手は第1レースで3頭が転倒する事故に巻き込まれて雪上に叩きつけられ、当初はこん睡状態に置かれていたが、その日の夜、サンモリッツ競馬場の報道担当者を通じて病院からの朗報が伝えられた。

 ホワイトターフレーシング(White Turf Racing)のPR担当理事であるクラウディア・グラセーン-ウォール(Claudia Grasern-Woehrle)氏はこう語った。「つい先ほど、ベイカー騎手の意識はしっかりしており、すべてが良好だと聞かされました。本当に朗報です。どこも骨折しておらず、CTスキャンでも異常はありませんでした」。

 ベイカー騎手はブーメランボブ(Boomerang Bob ジェイミー・オズボーン厩舎)に騎乗していたが、ゴールまで1ハロン(約200m)を切ったところで、前方の2頭が転倒した。

 オズボーン調教師は「ジョージは行き場を失い、前方の馬の転倒に巻き込まれて落馬しました。ゾッとするような事故で、彼は氷の上に叩きつけられました」と述べた。

 このレースで騎乗していたクリストフ・スミヨン騎手は、エキディア(Equidiaフランスの競馬チャンネル)にこう語った。「ゴールまで残り約150メートルあたりで雪がまだらになっている箇所があり、そばにいた馬がそこで躓いて転倒したことに気づきました。私は巻き込まれなくてラッキーでしたが、ジョージの馬は私の後ろで転倒し、ジョージは起き上がれませんでした」。

 「その日最初のレースで、9頭しか出走していませんでした。最後の直線に入った時、雪は馬の蹄の高さまでしかありませんでした。後で蹄跡を見れば分かると思いますが、氷と雪の間に水がありました」。

 主催者はウェブサイトで次のような声明を発表した。「ホワイトターフ開催の関係者が実施した詳細な調査によれば、ゴールまで残り約150メートルの地点で内埒付近の氷にひびが入っていたことが分かりました」。

 「つまり、水が上がり、馬場が弱くなっていました。馬と騎手の安全は最優先です。湖の氷上にいる観客には危険はありません」。

 スミヨン騎手はこう続けた。「私の馬は決勝線を過ぎた後で大きくよろめきました。主催者に、第1レースで3頭が転倒したことを考えると、このような状態で16頭立てのレースを安全に施行することは無理ではないかと伝えました。彼らは状況を理解しました。いずれにせよ、騎手は全員、これ以上レースはできないと考えていました」。

 この事故を受けて、ホワイトターフ開催を締めくくるサンモリッツ大賞を含むその日の残りの競走は中止となった。

 ベイカー騎手は競馬場に到着した際、同じくこのレースで騎乗する予定だった英国のキーレン・フォックス(Kieren Fox)騎手とともにコースを歩いていた。

 金曜日(2月24日)にサンモリッツで管理馬が優勝していたジョン・ベスト(John Best)調教師は、この落馬事故の現場にいた1人である。

 同調教師はこう語った。「このような事故が起こるとは誰も予測できませんでした。私たちは皆でコースを歩き、ジョージは"素晴らしい、これまで見た中で最高だ"と言っていました。金曜日のレースには何の問題もありませんでした」。

調教師たちが懸念を表明

 2月26日の3頭を巻き込んだ落馬事故は、これまでサンモリッツ競馬場で発生した一連の問題の中で最新のものである。そして、数人の調教師はこの象徴的な競馬開催に対して疑問を投げかけた。

 昨年はバックストレッチの馬場の安全が確保できなかったために、レースは距離を800mに短縮して直線コースで施行された。

 2年前には、1頭の転倒に複数の馬が巻き込まれる落馬事故が発生し、開催は縮小された。馬の蹄が穴にはまったと考えられている。

 日曜日(2月26日)の競馬開催は、日中の気温上昇により生じる問題を避けるために、発走時刻は定刻の11時より早められた。しかし、3頭を巻き込んだ落馬事故を受けて、その日の残りの競走は中止を余儀なくされた。綿密な調査により、氷に入ったひびのために馬場が弱くなっていたことが判明した。

 2012年ホワイトターフ開催において管理馬マヴェリック(Maverik)で勝利を挙げたラルフ・ベケット(Ralph Beckett)調教師はこう語った。「1907年以来とても安全に競馬が施行されてきているので、この事故は残念なことです。しかし、今年の開催時期を例年より遅くしたのは疑問です。結論は明白であり、気象に詳しくなくても分かります」。

 マントンを拠点とするジョージ・ベイカー(George Baker)調教師は、2013年に管理馬エインシェントグリース(Ancient Greece)がホワイトターフ開催3年連続優勝を達成したが、サンモリッツに再び遠征することはないだろうと述べた。

 そして「魅力的な光景だったので大変残念に思います」と語った。

 一方、ジョン・ベスト調教師はサンモリッツのチームを弁護した。

 同調教師はこう語った。「フォックス騎手と一緒にコースを歩きましたが、全く安全な馬場だと思いました。このような事故が起こる兆候は何もありませんでした。ジョージの一日も早い回復を心からお祈りいたします」。

 ホワイトターフレーシングのグラセーン-ウォール氏は、すべての安全策が取られており、職員は開催前に馬場を点検したが、問題が発生する兆候はなかったと語った。

 また、同氏は例年よりも開催日程が少し遅かったのは、同じくサンモリッツで開催されるFISアルペンワールドスキーチャンピオンシップと日程が重ならないようにするためだったと述べた。

 そしてこう付言した。「そのことが問題の原因になったとは思いません。競馬開催日前日に湖の氷上で調教が行われました。それに、レース当日の朝も完璧な天候でした」。

 「金曜日には馬場状態は最高で、その後何も変化はありませんでした。すべてが上手くいくように思われました」。

By Bruce Jackson

[Racing Post 2017年2月27日「Baker on road to recovery after fall at St Moritz」]


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