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TOPページ > 海外競馬情報 > ザラ・アガ・カーン王女、生産者に忍耐を呼び掛ける(国際)【生産】
海外競馬情報
2016年02月20日  - No.2 - 3

ザラ・アガ・カーン王女、生産者に忍耐を呼び掛ける(国際)【生産】


 アガ・カーン一族は、250年間、馬を生産してきた。ザラ・アガ・カーン(Zahra Aga Khan)王女(アガ・カーン4世の息女)は、一族が20世紀に欧州で一流競走馬を生産し始めてから4代目の生産者となる。王女は生産者に対して、"短期的利益を追求したり、新種牡馬に依存したりするのではなく、じっと我慢すること"を呼び掛けた。

 そして、次のように問いかけた。「まだ実績がなく統計的に失敗する可能性が高い新種牡馬に、毎年数百頭もの繁殖牝馬を送っている状況で、血統の将来を保証できるのでしょうか?」

 「いつかは偉大なチャンピオン馬を送り出す可能性のある他のサイアーラインには目もくれず、1つのサイアーラインのスピード能力や早熟性だけに注目するやり方を避けることはできるのでしょうか?血統の遺伝的多様性を保護することはできるのでしょうか?」

 「サラブレッドの遺伝子資源を短期的で利益第一の目的のために減少させるのではなく、維持・改善して遺伝子プールを拡大することはできるのでしょうか?」

 ザラ王女は、「その答えとなるのは生産サイクルでしょう」と述べた。

 そして次のように続けた。「サラブレッドビジネスは、昔はもっと忍耐強いものでした。繁殖牝馬や種牡馬が評価されるまでに、あるいは忘れ去られて繁殖を引退するまでに、何年にもわたる猶予が与えられました。今日、生産者も馬主も投資の早急な見返りを期待しています。しかし率直に言って、生産ビジネスは急速に展開するものではありません」。

 「世界のトレンドにならってセリカタログで見栄えの良い産駒を生産したとしても、種牡馬の成功を保証するものではありません。種牡馬の成功は、セリ場ではなく競馬場での産駒の成績によって判断されます」。

 ザラ王女は、ムンバイで開催されたアジア競馬会議(Asian Racing Conference)のオープニングセレモニー(1月25日)で、基調演説を行った。

 王女は、アガ・カーン・スタッドの創設期の牝馬の中に、祖父が1922年にニューマーケットで購買し、その驚異的なスピードで"飛ぶ牝馬"と呼ばれたムムタズマハル(Mumtaz Mahal)がいたことを思い出させた。そして、「彼女の血は今でも我々のファミリー(牝系)に受け継がれています」と語った。

 しかし、プティテトワール(Petite Etoile)が最後にG1勝利(1961年コロネーションS優勝)を挙げて以来、そのファミリーから1998年サンタラリー賞(G1)を制したザインタ(Zainta)が出るまで、長い年月を要したことを王女は指摘した。

 「ムムタズマハルの系統の復活に37年を要しました。しかし復活すると、今度は父が生産した中でおそらく最高傑作の牝馬ザルカヴァ(Zarkava 2008年凱旋門賞優勝)が誕生しました」。

 「これは父の粘り強さのおかげですが、私たち一族が配合を決定する上でコストをあまり重視しなくてもよいという柔軟性のおかげなのかもしれません」。

 「私たちは最高額の種付料の種牡馬を選び、支出に対して盲目であると言っているのではありません。全く逆で、アガ・カーン一族の優良牝馬が、流行遅れで手頃な種付料の種牡馬のもとに送られることはよくあります。なぜかと思われることでしょう」。

 「その理由の1つは、私たちが確固たる信念、慎重な財政、一貫した卓越性の追求、最良の実践方法の尊重をもって生産ビジネスを営んでいることです。しかし、もっと重要なことは、私たちは血統を第一に、市場を最後に考えていることです」。

 「幸運なことに、私たちは1歳もしくは当歳での落札価格ではなく、純粋に牝馬と種牡馬の相性だけを考えて配合を決定することができます」。

 「昔ながらの生産者として、セリでアピールするためではなく、それぞれの牝馬に最も相応しい種牡馬を見つけるために毎年最善を尽くすことでファミリーを保護する、という贅沢が許されています」。

 「もちろん毎年数頭を売却しますが、それは財政的理由からではなく、管理できる頭数を維持するためです。端的に言えば、私たちは流行を追いません。ファミリーに良い配合をもたらすと思うかどうかで、繁殖牝馬の相手を決定できます」。

 「種付権利の価格は、以前は産駒のレースでの活躍で定められていましたが、ここ最近は種牡馬の人気によってますます左右されるようになっています」。

 「実績が証明されていない新種牡馬は、スピード・持久力・骨の強さ・遺伝子の可能性を伝える能力に全く関係なく種付料が設定されがちです」。

 「一方で、種牡馬の能力はほんの数年で判断され、最初の2年の産駒があまり振るわなかっただけで、その種牡馬は外国に売却されることもあります。残念なことです。年月を経た後に、遅ればせながら優良種牡馬あるいは優良ブルードメアサイアーを発見することもあるのです」。

By Howard Wright in Mumbai

(関連記事)海外競馬情報 2013年No.2「アガ・カーン殿下の世界的な生産事業(フランス)

[Racing Post 2016年1月27日「Princess Zahra preaches patience in keynote conference speech」]


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