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TOPページ > 海外競馬情報 > 全米統一薬物プログラムを適用する州が著しく増加(アメリカ)【獣医・診療】
海外競馬情報
2015年07月20日  - No.7 - 5

全米統一薬物プログラムを適用する州が著しく増加(アメリカ)【獣医・診療】


 薬物規制標準化委員会(Racing Medication and Testing Consortium:RMTC)によれば、2年前に中部大西洋沿岸地域において着手された取組みは、“著しい進展”を遂げているとのことである。

 全米統一薬物プログラム(National Uniform Medication Program)の採択には、紆余曲折があった。しかし、州によって異なるサラブレッド産業の事情や、州毎の承認が必要なことを考慮すれば、このプログラムは歓迎されていると言える。現在、9つの競馬管轄州が、このプログラムを全面的に適用している。また、最近このプログラムを適用したウエストヴァージニア州では、6月28日に多重薬物違反罰則制度(multiple medication violation penalty system)が発効された。

 RMTCの専務理事であるディオンヌ・ベンソン(Dionne Benson)博士は、「常に前進しています。固定的なリストをもつことはほぼ不可能ですが、正しい方向に進んでいることは好ましいことです。これまでの進捗状況が励みとなっていますが、今後数ヵ月間でさらに進歩すると見込んでいます」と語った。

 23団体によって構成されるRMTCが、7月7日に公表した2015年中間報告では、規制治療薬スケジュール(Controlled Therapeutic Medication Schedule)を適用した競馬統轄州は、この18ヵ月間で、4州から15州に増加したとしている(表参照)。この15州は、全米のパリミューチュエル賭事売上げの70%を占めている。随時更新されるこのスケジュールは、競馬産業が馬の疾病および故障の日常治療に不可欠と考えている26品目の治療薬に対する薬物規制において、閾値と休薬期間を設定している。また、競走当日は、フロセミド(商品名サリックス、別名ラシックス)以外の薬物の投与は禁止されている。

 RMTCによれば、多重薬物違反罰則制度を適用した競馬統轄州は、2014年1月の3州から9州に増加したとしている(表参照)。同制度は、個人の違反の追跡システムを構築し、統轄州に関係なく薬物違反を重ねた者に対する罰則を強化するものである。

 ペンシルヴァニア州とニューヨーク州では、多重薬物違反罰則制度の法令案が提出されており、州政府の対応が待たれる。ケンタッキー州でも、この制度の導入が検討されている。

 競馬統轄州が認めた公認獣医師によるフロセミド投与を義務付ける競馬統轄州は、2014年初めの13州から16州に増加した(表参照)。この対策の実施により、競走当日に、開業獣医師は馬房内に立ち入ることができなくなった。また、少数の競馬統轄州では、競馬統轄機関の職員が開業獣医師を監視することになった。

 RMTCによれば、カリフォルニア州もこの対策を適用する最終段階にある。

 今年、アーカンソー州はオークローンパーク競馬場において、この対策を実施した。

 ベンソン博士は、次のように語った。「このサリックス投与に関する対策がオンラインで開始されたとき、アーカンソー州と一緒に取り組んできました。彼らの万全な準備により、スムーズに実施することができました。実施後は、何の苦情もありませんでした」。

 全米統一薬物プログラムは、7月初旬の中部大西洋沿岸地域における会議の議題となった。7月7日、ホースメン協会(Thoroughbred Horsemen's Association)のアラン・フォアマン(Alan Foreman)会長は、次のように語った。「ヴァージニア州は、昨年も今年もライブ競馬を開催しませんが、中部大西洋沿岸地域の他州やニューヨーク州と同様の考え方をもっています」。

 「中部大西洋沿岸地域は、統一化への取り組みに専念しており、今後も継続する予定です。このプログラムに関して大きな進捗がみられないのは、全米で4州か5州のみです。大部分の州がこのプログラムに参加しています」。

 また、RMTCは、24州が馬の薬物検査のためにRMTC認定検査施設制度を適用していると述べた(表参照)。ニューヨーク州とテキサス州の検査施設は、現在申請手続き中である。

 デラウェア州、インディアナ州、ウエストヴァージニア州で生じた問題により、検査施設がすべての薬物を均一に検査しているかが疑問視されている。薬物検査の実施レベルと対象範囲は、しばしば競馬統轄州の支出可能額あるいは支出の意思に左右される。RMTCは、各州間の相違を調査していると述べた。

 RMTCの2015年中間報告が発表された週に、薬物検査、対策および執行の監督機関として米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency:USADA)を指定する連邦法が、発効する可能性があった。競馬産業内に、“各州の方針が異なることから、薬物ルールの統一化には時間が掛かり、問題がある”と考える者の存在によって、この法案が検討された。

 昨夏のジョッキークラブ円卓会議(Jockey Club Round Table conference)において、全米統一薬物プログラムの秩序のある適用を考えた場合、連邦政府の介入ではなく、連邦法の制定を望むとジョッキークラブは述べていた。ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.)をはじめとする組織も、この連邦法の制定を支持している。

 他の団体は、連邦政府が承認した独立監視機関があったとしても、各競馬統轄州における全米統一薬物プログラムの適用は重要な部分であると述べている。

 RMTC会長を務め、NTRA(全米サラブレッド競馬協会)の理事長兼CEOでもあるアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏は、「全米の競馬統轄州には、一日も早く、全米統一薬物プログラムの全面的な適用を要請します。このプログラムの統一的な適用は、競馬関係者のみならず、競馬ファンにとっても重要な意味をもっています」と語った。

  NTRAは、ホースメングループや競馬場などの多様な団体によって構成されているため、連邦政府の関与を支持していない。
 

全米統一薬物プログラムの各制度を適用する州
  規制治療薬スケジュール
適用州
多重薬物違反罰則制度
適用州
公認獣医師によるフロセミド投与
適用州
RMTC認定検査施設制度
適用州
1 アーカンソー アーカンソー アーカンソー アリゾナ
2 カリフォルニア デラウェア コロラド アーカンソー
3 デラウェア インディアナ デラウェア カリフォルニア
4 インディアナ メリーランド フロリダ コロラド
5 ケンタッキー マサチューセッツ インディアナ デラウェア
6 メリーランド ニュージャージー ケンタッキー アイダホ
7 マサチューセッツ ノースダコタ メーン インディアナ
8 ミネソタ ヴァージニア メリーランド ケンタッキー
9 ニュージャージー ウエストヴァージニア マサチューセッツ メーン
10 ニューメキシコ   ミネソタ メリーランド
11 ニューヨーク ニュージャージー マサチューセッツ
12 ノースダコタ ニューヨーク ミネソタ
13 ペンシルヴァニア ノースダコタ ネブラスカ
14 ヴァージニア ペンシルヴァニア ニュージャージー
15 ウエストヴァージニア ヴァージニア ニューメキシコ
16   ウエストヴァージニア ノースダコタ
17   オハイオ
18 オクラホマ
19 オレゴン
20 ペンシルヴァニア
21 ヴァージニア
22 ワシントン
23 ウエストヴァージニア
24 ワイオミング


By Tom LaMarra

(関連記事)海外競馬情報 2013年No.4「米国8州が薬物ルール統一化に取り組む(アメリカ)

[bloodhorse.com 2015年7月7日「RMTC: Uniform Drug Program Has Momentum」]


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