TOPページ > 海外競馬情報 > 英ダービー馬ゴールデンホーンの血統背景(イギリス)【生産】
海外競馬情報
2015年06月20日  - No.6 - 5

英ダービー馬ゴールデンホーンの血統背景(イギリス)【生産】


 ゴールデンホーン(Golden Horn)は、6月6日にエプソム競馬場の英ダービー(G1)で強烈な勝利を見せつけ、無敗記録を伸ばした(4戦4勝)。

 ジョン・ゴスデン(John Gosden)厩舎のゴールデンホーンは、前走のダンテS(G2)でも2着となった同厩馬ジャックホブス(Jack Hobbs 父ホーリング)を3馬身1/2差で破った。3着はストームザスターズ(Storm The Stars 父シーザスターズ)であった。

 ゴールデンホーンは、ケープクロス(Cape Cross)産駒としてはシーザスターズに次ぐ2頭目の英ダービー馬であり、3頭目のエプソムのクラシック競走優勝馬である[2004年にウィジャボード(Ouija Board)が英オークスを制した]。

 ケープクロス(父グリーンデザート)は、現役時代にロッキンジS(G1)とクイーンアンS(G1)を制したトップマイラーであり、現在、キルデア州のキルダンガンスタッド(Kildangan Stud)において種付料2万ユーロ(約280万円)で供用されている。

 ケープクロスの初年度の種付料は、8,000アイルランドポンド(約142万円)に過ぎなかった。しかし、現在21歳のケープクロスは、パリ大賞典(G1)の優勝馬べーカバド(Behkabad)やグランクリテリウム(当時G1)の優勝馬ナヤラ(Nayarra)など、欧州で11頭のG1馬を送り出している。

 ゴールデンホーンの馬主は、ニューマーケットにハスクーム&ヴァリアントスタッド(Hascombe and Valiant Studs)を所有する生産者のアンソニー・オッペンハイマー(Anthony Oppenheimer)氏である。ゴールデンホーンは、1歳時に上場され19万ギニー(約3,791万円)の値が付いたが、主取りとなった。

 ゴールデンホーンの牝系は、ハスクーム&ヴァリアントスタッドに多くの成功をもたらしている。1953年英1000ギニー(G1)とコロネーションS(G1)の2着馬テッサジリアン(Tessa Gillian)が、ゴールデンホーンの6代母である。オッペンハイマー氏の父サー・フィップ(Sir Phip)氏は、1965年にハスクームスタッドとその繋養馬を購買した際、テッサジリアンを入手した。

 ゴールデンホーンは、未出走馬フレッシュドール(Fleche D’Or 父ドバイデスティネーション)の2番目の仔である。初仔の4歳牝馬イースタンベル(Eastern Belle 父シャンゼリゼ)は、昨年バリーマッコールスタッドS(英L)を制し、6月5日にベルモントパーク競馬場のニューヨークS(G2)で2着となった。

 フレッシュドールの母ヌリヤナ(Nuryana 父ヌレイエフ)はリステッド競走の勝馬であり、送り出した10頭の勝馬のうち6頭はブラックタイプ競走の勝馬である。その中には、コロネーションS勝馬レベッカシャープ(Rebecca Sharp)、リングフィールド競馬場のダービートライアル(G3)勝馬ミスティックナイト(Mystic Knight)、チェシャーオークス(英L)勝馬ヒドゥンホープ(Hidden Hope)などがいる。

 レベッカシャープは、リステッド競走の勝馬ミスピンカートン(Miss Pinkerton)を送り出している。ミスピンカートンはリステッド競走の勝馬のディスイズザデイ(This Is The Day)とヴァニティルールズ(Vanity Rules)、ヒドゥンホープはギャルターズS(英L)の勝馬アワーオブセッション(Our Obsession)を送り出した。

 ヌリヤナの母ローラレーン(Loralane 父ハビタット)は、英1000ギニー(G1)とサセックスS(G1)を制したオンザハウス(On The House)の半姉である。ローラレーンの母ローラ(父ロレンザッチョ)は、テッサジリアンの娘コーテッサ(Courtessa)が送り出した。

 ドバイデスティネーションは、今年サウジアラビアに売却され、種牡馬生活を続行しているが、今や重要なブルードメアサイアーとなっている。ドバイデスティネーションの牝馬は、ダッチコネクション(Dutch Connection)、イーティマル(Ihtimal)、レキシントンタイムズ(Lexington Times)、ポストポーンド(Postponed)、スライトリースイート(Slightly Sweet)などのステークス勝馬を送り出している。

 オッペンハイマー氏は別として、ゴールデンホーンのダービー優勝に祝杯をあげた生産者は他にも存在する。

 フレッシュドールは、2012年にタタソールズ社(Tattersalls)のセールにおいて、ハリー・マッカルモント(Harry McCalmont)氏の代理人を務めるBBAアイルランド社(BBA Ireland)に、6万2,000ギニー(約1,237万円)で購買された。その後、マッカルモント氏は、昨年のゴフス社(Goffs)のセールにフレッシュドールの1歳牝駒(父シャンゼリゼ)を上場し、スティーヴ・パーキン(Steve Parkin)氏が15万ユーロ(約2,100万円)で購買した。

By Bloodstock World Staff
(1ユーロ=約140円、1ポンド=約190円)

[Racing Post 2015年6月6日「Golden Horn: how the Derby hero was bred」]


上に戻る