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TOPページ > 海外競馬情報 > 大型種牡馬と小型種牡馬のいずれが望ましいか(アメリカ)【生産】
海外競馬情報
2015年04月20日  - No.4 - 6

大型種牡馬と小型種牡馬のいずれが望ましいか(アメリカ)【生産】


 多くのホースマンと馬格に関して話すと、三者三様の意見が聞かれる。競馬界の言い伝えによれば、「大型馬は、小型馬を負かすことができる」、あるいはその反対だっただろうか?双方の説で実例はあるが、この昔からある質問に答えはあるのだろうか?

 この数世紀の間に、サラブレッドの体高は平均15ハンド(約152 cm)から、現在の16ハンド(約163 cm)に伸びた。それでも、多くの生産者は16ハンドでは十分と考えていない。セリのリングで2歳馬のように見える大きな1歳馬を生産するため、大型種牡馬を望むからである。生産者が大きさを重視する理由は、購買者が大きい馬を探しているからである。つまり、最初から小型種牡馬は不利なのである。

 幸いなことに、期待されようとされまいと、頂点に立つのは優秀な種牡馬である。米国で最高の種付料を誇る2頭の種牡馬は、16ハンド(約163 cm)のタピット(Tapit)と15.3ハンド(約155 cm)のウォーフロント(War Front)である。いずれも、小型だからといって種牡馬として不適格ではなかった。

 その他の優良種牡馬の体高は、次の通りである。これらの馬は大きくはないが、種牡馬として健闘している。

・15.3ハンド(約155cm):ディストーテッドヒューマー(Distorted Humor)
               イングリッシュチャンネル(English Channel)
・15.35ハンド(約156cm):スパイツタウン(Speightstown)
               テールオブザキャット(Tale of the Cat)
・16ハンド(約163cm) :オウサムアゲイン(Awesome Again)
              モアザンレディ(More Than Ready)
              シティジップ(City Zip)
              イントゥミスチーフ(Into Mischief)
              エクスチェンジレート(Exchange Rate)
              アフリートアレックス(Afleet Alex)

 また、過去数十年の一流種牡馬は、次のように平均以下の体高である傾向がみられる。

・16ハンド(約163cm)以下:ミスタープロスペクター(Mister Prospector)、ストームキャット(Storm Cat)、シアトルスルー(Seatle Slew)、エーピーインディ(A.P. Indy)、ゴーンウエスト(Gone West)、エルプラド(El Prado)、スマートストライク(Smart Strike)
・15.3ハンド(約155cm):ヘイロー(Halo)、ダンジグ(Danzig)
・15.2ハンド(約154cm):リファール(Lyphard)

 なお、ダンジグとリファールの体高は、父ノーザンダンサー(Northern Dancer)よりも高かった。

 次に、大型種牡馬に目を転じてみる。ダイナフォーマー(Dynaformer 2012年死亡)とアンブライドルズソング(Unbridled’s Song 2013年死亡)は極めて大きく、17ハンド(約173 cm)であった。超一流の実績をもつ大型種牡馬は、16.3ハンド(約166 cm)のティズナウ(Tiznow)である。その他、16.3ハンド(約166 cm)以上の種牡馬は、以下のとおりである。

 ハードスパン(Hard Spun)
 クオリティロード(Quality Road)
 ミッドナイトリュート(Midnight Lute)
 テンプルシティ(Temple City)

 注意深い読者は、現役で活躍している小型種牡馬より、大型種牡馬は際立って少ないことに気付くであろう。

 実際、ケンタッキー州における種付料1万2,500ドル(約150万円)以上の供用種牡馬の中では、小型種牡馬(16ハンド以下)は12頭であり、大型種牡馬(16.3ハンド以上)の5頭を上回っている。ちなみに、この間のサイズ(16ハンド超16.3ハンド未満)の種牡馬が大多数を占めている。

 セリにおいて大型1歳馬の需要が高いのであれば、なぜ大型種牡馬の種付料は上昇しないのだろうか?1つの理由としては、大型種牡馬の産駒は、発育面・健康面の問題が生じやすいため、一貫して優良競走馬は送り出せないことがあげられる。これらの産駒は、大きな体躯を支える強い骨・靭帯・腱を発達させるために長期間を要し、発育が遅延する傾向がみられる。セリでは、少し大き過ぎる、あるいは妙に成長が早い1歳馬もみられる。将来有望な多くの大型若馬は、その重さに耐える肢が完成する前(訳注:化骨の完成、すなわち長骨の前端線の閉鎖)に強い調教が施されることにより、故障することが多いのである。

 小さい馬はそれほど重くないため、同レベルの調教でも骨や関節に大きな負担が掛からない。他の条件が同じならば、平均より小さい馬は健康状態を保ちやすいため、出走レース数が多く、より長く現役を続行できる。

セリで需要のある馬と実際の競走で好成績をあげる馬が、必ずしも一致しないことは明らかである。小型種牡馬に対する偏見は、競馬場ではなく、セリ場でつくられたものである。
生産者に優秀な小型種牡馬を利用させる最も常識的な解決策は、平均より大きい繁殖牝馬を配合させることである。そのためには、繁殖牝馬の所有者は、所有牝馬と種牡馬の馬格に関して、知る必要がある。

 競走成績や写真などの資料において、相性が良く見えても、馬格に関して考察することなく配合を決定することは、機械的な生産と同様である。

 生産者には、典型的に大きく(ただし、大きすぎない)、ゆったりした繁殖牝馬に注目することを強く勧めたい。なぜなら、このような繁殖牝馬は幅広い種牡馬と交配させることができるからである。とりわけ利益を求める生産者にとって小型繁殖牝馬は、種牡馬の選択肢が限定されるため、大きな負担となる場合がある。

 結局、大型馬と小型馬の優劣に関する質問に対する真の答えは存在しないかもしれない。しかし、生産者は、しばしば見落とされてしまう“優秀な小型種牡馬”に注目すべきであろう。

By Anne Peters
(1ドル=約120円)

[The Blood-Horse 2015年2月28日「Is Bigger Always Better?」]


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