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2015年04月20日  - No.4 - 2

パリミューチュエル賭事からの州・地方自治体の税収が減少(アメリカ)【開催・運営】


 ネルソン・A・ロックフェラー政治学研究所(ニューヨーク州立大学の公共政策研究部門)の研究によれば、2014年のパリミューチュエル賭事からの米国各州・各地方自治体の税収総額は、前年から3.5%減少した。

 2013年に1億4,560万ドル(約174億7,200万円)であった本税収は、2014年には1億4,050万ドル(約168億6,000万円)に減少した。一方、競馬場内のゲーミング賭事(スロットマシンなど)からの州・地方自治体の税収は、米国全体でわずかに増加している。

 パリミューチュエル賭事による税収は、フロリダ州、ニュージャージー州およびイリノイ州で増加したが、ニューヨーク州、ケンタッキー州、カリフォルニア州、ルイジアナ州、ペンシルヴァニア州およびマサチューセッツ州では減少した。40州以上がパリミューチュエル賭事から一定レベルの税収を得ており、各州のこの税収の順位により、各州のパリミューチュエル賭事産業の経済状況を垣間見ることができる。

 米国全体のパリミューチュエル賭事の税収1億4,050万ドル(約168億6,000万円)に比較し、宝くじの税収は181億ドル(約2兆1,720億円)、カジノの税収は53億ドル(約6,360億円)、競馬場内ゲーミング賭事の税収は32億ドル(約3,840億円)である。

 ロックフェラー政治学研究所の研究においては、「以前、パリミューチュエル賭事の税収は、各州にとって主要な賭事税収であった。しかし、現在では賭事税収の1%以下に過ぎない」としている。賭事税収のさらに詳細な報告とリーマンショック後の大不況が及ぼした影響は、今春下旬に発表される予定である。

 この報告は、パリミューチュエル賭事産業に対する各州の課税状況の相違も浮き彫りにしている。2014年にフロリダ州は、過去最高のパリミューチュエル賭事税収である2,530万ドル(約30億3,600万円 前年比8.1%増)を記録した。続いて、ニューヨーク州は2,180万ドル(約26億1,600万円 前年比3.8%減)、カリフォルニア州は1,380万ドル(約16億5,600万円 前年比5%減)であった。

 ケンタッキー州では、2013年には480万ドル(約5億7,600万円)のパリミューチュエル賭事税収があったが、2014年には240万ドル(約2億8,800万円)に半減した。データによって警鐘を鳴らしているこの報告では、州毎の税収の増減に関して特段の説明はなされていない。

 米国全体の主要賭事の税収総額は、インフレ調整後では年間0.8%減少している。宝くじ税収は0.6%増、カジノ税収は1.4%減、競馬場内ゲーミング賭事税収は1.5%減である。税収の増減は、賭事機会の拡大や各賭事部門への税率の引上げなどによって生じたものである。

 なお、ロックフェラー政治学研究所が報告した税収額には、賭事産業が州・地方自治体に支払った税金と手数料が含まれている。

By Tom Precious
(1ドル=約120円)

[bloodhorse.com 2015年3月24日「Study: Pari-Mutuel Revenue Down 3.5% in 2014」]


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