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TOPページ > 海外競馬情報 > 競馬変革プロジェクトの動き:オッズ表示の変更を提案(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2010年03月12日  - No.5 - 1

競馬変革プロジェクトの動き:オッズ表示の変更を提案(イギリス)【開催・運営】


 競馬変革委員会(Racing For Change board)は競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)を立ち上げ、イギリスなどで独特の分数オッズ表示を10進法表示へ変更することを提案した(訳注:分数オッズ表示での「3−2」は10進法表示で は「2.5」となる)。2009年に競馬産業を網羅するメンバーで発足した同委員会は、英国競馬の近代化のために何をなすべきか総体的な検討を進めている が、この変更が最初に盛込まれた。

 英国の通貨が20・12進法から10進法に変更されてから39年後に至り、ブックメーカーたちはいずれかの週末開催における試行において、賭事客に10進法オッズ表示で賭けを提供する。

 この措置は、競馬変革委員会により1月4日に発表された、今後数ヵ月間に実施に移される10の提案のうち最も抜本的なものである。RFCは、英国競馬の 商業分野を引き受ける業界横断的団体レーシングエンタープライズ社(Racing Enterprises Ltd.)により統率されている。

 10進法表示オッズ試行の日程は決定していないが、複数の開催における試行が予定されている。少なくとも1つの地上波テレビが競馬中継を行う春季の週末に実行されるものと思われる。

 場内および場外馬券発売において、早朝に発表されるオッズから発走直前の平均的オッズに至るまで、10進法表示オッズと昔から馴染みのある分数表示オッズの2種類のオッズを併せて表示する形でこの試行は行われる。

 英国とアイルランドは1971年2月15日から通貨を10進法化していたにもかかわらず、両国のブックメーカーは昔から馴染みのある複雑な分数表示オッズの使用に固執してきた。

 しかし、ベッティング・エクスチェンジの出現が10進法表示オッズの導入を導き、ベッティングショップと場内ブックメーカーが分数表示オッズに執着してきたものの、今ではブックメーカーもインターネットを利用する顧客に選択権を与えている。

 一部の人々からの抵抗を予想し、競馬変革委員会が出した声明も10の提案の中で“おそらく10進法表示オッズの試験的導入が最も議論を呼ぶだろう”と認 めている。その声明は週末の試行発売の背景にある考えを説明するべく、次のように続いている。「現行の分数表示オッズは、常連の賭事客にポンド、シリング (20シリング=1ポンド)、ペンス(12ペンス=1シリング)の日々を思い出させる心の糧である。しかし、10進法の時代に育った若い賭事客やベッティ ング・エクスチェンジの顧客にとって、分数表示オッズは異質なものである」。

 競馬変革委員会の賭事開発担当として1月4日からこの作業に取り組んでいるナイジェル・ロディス(Nigel Roddis)氏が、紙の上ではシンプルに思えるアイデアを現実のものとする移行計画の責任を担っている。

 同氏は次のように語った。「ブックメーカーと放送局からマスメディアまで多くの人々や機関が競馬変革委員会の議論に加わる必要があるのでしょうが、この 提案は競馬賭事をいっそう適切で時代に合ったものにすることを目指す主要な戦略の1つに合致します。私たちはこれを試行することに強い熱意を持っていま す」。

 「私たちはより幅の広い顧客層に働きかけ、彼らに最大限に参加してもらいたいと思っています。戦略には競馬におけるいくつかの要素を分かりやすくすることが含まれており、10進法表示オッズへの変更はその一環です」。

 ロディス氏は次のように付言した。「競馬界は、おそらく失敗や冷笑を買うことを恐れているために、一般に新たなことを試みるのにあまり長けていません。 しかし私たちは戦略全体に適合するなら、それを大胆に自信をもって試みるべきです。なぜなら私たちは、実行の段階になって初めて、何が上手く行き何がそう でないかを知ることができるからです」。

 競馬変革委員会により最初に設立された賭事商品作業部会のメンバーであるコーラル社(Coral)の取引担当取締役サイモン・クレア(Simon Clare)氏は、この提案を支持し、次のように語った。「1年後、5年後あるいは10年後にせよ、10進法表示オッズの導入は避けることが出来ませ ん」。

 「しかしこれは試みであり、この実施から成果が得られるかどうかは、常連顧客を疎外することがないように、また若年の顧客が競馬賭事に目を向ける気になるように、情報をどのようにやり取りし提示するかにすべて掛かっています」。


競馬変革委員会の10の提案

 ►► 2010年春にいくつかの週末開催において10進法のオッズ表示を試行する。

 ►► 騎手と調教師へのメディア対応の指導に資金提供し、さらには競馬に関連のない番組への出演料の予算を計上する。

 ►► 3月より騎手と調教師の名前を出馬表にフルネームで掲載する。

 ►► 写真判定の結果の発表と同時に決勝写真を画面上に掲示する。また、レース経過をわかりやすくするためにゼッケンの数字を大きくする。

 ►► 競走名を簡素化する。また、競馬場の場内アナウンスを4月までに現代風にする。

 ►► 場内ブックメーカーに単勝式と複勝式を組み合わせた標準的な複合馬券(応援馬券)を販売するよう促すとともに、合意された最低限のサービス標準を参考にして顧客サービスを強化する。

 ►► 競馬場は、新規顧客と常連顧客の両方に向けて競馬の楽しさと競馬場での1日をより良く理解させるための試みを、独立した新しい評価計画と連結させて実行する。

 ►► 若い成人を対象に無料のメンバークラブを発足させ、競馬場入場料の割引や競走馬の共同所有を提供する。

 ►► 新規あるいは若年層の顧客へ競馬の販売促進を行うために、5月までに新たなウェブサイトを創設する。

 ►► 競馬に幅広い観客を惹きつけるために、より効果的な広報キャンペーンを行う。

By Howard Wright


[Racing Post 2010年1月5日「The end for fractional odds?」]


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