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TOPページ > 海外競馬情報 > 燃えさかる厩舎から馬を救出した4人の英雄に白馬賞(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2008年11月21日  - No.22 - 3

燃えさかる厩舎から馬を救出した4人の英雄に白馬賞(アメリカ)【その他】


 6月にルイジアナ州ヴィントン(デルタダウンズ近郊)のクォーターホース調教施設内で、40頭のクォーターホースが入厩していた厩舎が火事になった。装蹄師のトッド・マレー(Todd Malley)氏は、厩舎内の通路で黒い濃い煙に息を詰まらせ、強烈な熱と戦いながら、鉄製の扉を開けて馬を外に出し、安全な場所に誘導した。

 パニックになった馬に押し倒され地面に倒れた彼は、黒煙のすぐ下にまだ清浄な空気の層があることに気がついた。これは幸運であった。

 マレー氏は、「煙の下から周りを見れば良いと分かったのです。それまでそれに気づきませんでした」と述べた。

 その発見によってマレー氏と他の3人の英雄たちは燃えさかる厩舎の中に入り、馬を救うことができた。4人は、19頭の馬を外に連れ出したが、取り残された馬は焼死した。

 マレー氏、ボウ・スミス(Beau Smith)氏、ラリー・ヒッグス(Larry Higgs)氏およびジェイソン・イナビネット(Jason Inabinett)氏には、その英雄的行為を称えられ、10月23日、サンタアニタパーク競馬場でのブリーダーズカップ午餐会において、レーストラッ ク・チャプレインシー・オブ・アメリカ社(Race Track Chaplaincy of America: RTCA)により白馬賞(White Horse Award)が授与された。同賞は年に1度、馬あるいは人を救うために行動した陰の英雄に贈られる。

 授賞式のあいだ、6月に起きたこの事件のビデオ映像の一部が放映され、見ていたヒッグス氏は涙ぐんだ。厩舎ではデルタの蒸し暑い気候で馬が脱水症状にならないよう、40個の高速扇風機が回されていた。

 すべての管理馬を所有・生産し、手入れもしていたヒッグス氏は、「扇風機で風を送っていたので、瞬く間に燃え拡がりました」と述べた。火の手は、厩舎のなかでも彼が管理する特別競走勝馬の大部分が入厩している箇所を襲った。

 ヒッグス氏は、「しばらくの間このことが頭から離れず、家族のなかに死人が出たような気持ちです。しばらく時間がたてば乗り越えられるでしょう。私たちは馬たちを愛しており、毎日一緒にいます。結婚したように繋がっているのです。彼らは私たちの人生の一部です。その一部をなくすということは、家族を亡くすようなものなのです」と語った。

 イナビネット氏は、飛び出した馬により馬房の扉に叩きつけられ重傷を負った。鉄の扉は非常に熱くなっており、背中に火傷を負った。

 消防隊が駆けつけたとき、厩舎の中にまだ生きている馬が1頭いた。消防士の指示を無視し、スミス氏は燃えさかる厩舎に這って戻り、最後の馬を救った。

 白馬賞のスポンサーであるテイラーメイド・セールズ社(Taylor Made Sales Agency)とテイラーメイド・スタリオンズ社(Taylor Made Stallions Inc.)の会長ダンカン・テイラー(Duncan Taylor)氏は、「私はこのような方々と同じ場所に立てることは本当に光栄です」と述べた。

 優勝した4人の受賞者は、5000ドル(約55万円)を分け合う。他に6名がこの賞にノミネートされていた。準優勝者には1000ドル(約11万円)が授与される。

 ピッツバーグ近郊のメドウズ・ハーネス競馬場の厩務員であるジョン・ポーター(John Porter)氏とロバート・ゲーラー(Robert Gaylor)氏は通勤途中で、セミトレーラーがライトバンに衝突し、ライトバンとそれに乗車していた11人が壁にはさまって身動きが取れない状況に遭遇した。彼らは通行していたトラックを止め消火器を借りて、ガソリンが滴り落ちる熱い排気管に噴射した。そして衝突したライトバンに乗っていた負傷者(近くの精神衛生施設の入居者)を車外に助け出した。6人が助かったが、5人はその事故で亡くなった。

 ダニー・メール(Danny Mele)氏は深夜に外出している際に、チャールズタウン競馬場の厩舎が燃えているのを発見した。レイチェル・ピット(Rachael Pitt)調教師と装蹄師のブライアン・ピット(Bryan Pitt)氏が協力して直ちに行動し、火を消しとめた。そして酷い火傷を負った馬(その日の夕方にレースに勝っていた)は介抱の甲斐なく安楽死措置が取られた。

 カルヴィン・ボレル(Calvin Borel)騎手は、騎手として初めて白馬賞にノミネートされた。同騎手は昨冬オークローンパーク競馬場のあるレースでハナに立っていた。彼はレース中に最後の直線に入った時、発馬機がまだコースに残され行く手を阻んでいることに気がついた。彼は鐙に立ち上がり、後ろを振り向いて他の騎手たちに警告し、外ラチの方へ導き、後続の馬たちが発馬機の横を通るように導いた。内ラチから離させることは、ボレル騎手にとって大変な労力を必要としただろうが、この行動によってコースでの大惨事が回避された。

 午餐会ではまた、馬専門の画家であるのフレッド・ストーン(Fred Stone)氏にチャープレンシー社コミュニティー・ヒーロー賞(chaplaincy’s Community Hero)が贈られた。同氏は著名な芸術家として、慈善運動に300万ドル(約3億3000万円)を寄贈していた。

 ストーン氏は、「私はあまり良くない状態や悪い状態を見ると、手を差し伸べたくなります」と述べた。

 RTCAの活動的なメンバーで殿堂入りを果たした元騎手パット・デイ(Pat Day)氏は、この機会を利用して“動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for Ethical Treatment of Animals: PETA)”を批判した。この団体は、今年のケンタッキーダービー(G1)で2着入線後のエイトベルズ(Eight Belles)の悲劇的な予後不良事故を見て、競馬場を抗議行動の標的にした。

 ノミネートされた人々の勇気ある行動に感動したデイ氏は、「PETAにこのビデオを見て頂きたいです。それでも私たちが馬を愛していないとあえて主張するでしょうか?」と述べた。

By Steve Myrick
(1ドル=約110円)

[thoroughbredtimes.com 2008年10月23日「Four named recipients of White Horse Award」]


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