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TOPページ > 海外競馬情報 > 寝藁・馬糞の堆肥化の進展・後半(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2007年04月06日  - No.7 - 3

寝藁・馬糞の堆肥化の進展・後半(アメリカ)【その他】


堆肥化に必要な事項

 TRCDCで非常勤勤務をしている堆肥専門家で技術者のドーン・アンガロネ(Dawn Angarone)氏によると、堆肥化を検討する際に、考慮すべき最初の事項の1つは、適切な用地である。小川や浸透マンホールから離れていて、若干(1%ないし3%)の傾斜があり、アクセスが容易でかつ平地より高い用地が理想的である。彼女は、堆肥化に関心のある牧場のために施設計画を作成し、また堆肥研究会で講師をしている。

 堆肥化施設を検討する際、トラクターや機器が馬糞の列の回りを動きやすいように十分な場所がなければならない。流出液を処理するために100フィート(約30メートル)のグラス・フィルター・ストリップ(ろ過用草地)が必要である。また、所有地境界との間に緩衝地帯も考慮しなければならない。

 トラクターや堆肥拡散機を使用して、馬糞は幅約10フィート(約3メートル)、高さ4フィート(約1メートル20センチ)の列に並べられる。

 アンガロネ氏は、「雨水が列の側面に流れないで、列の間の斜面を流れるようにするため、土地の斜面に沿って列を作る必要があります」と述べている。

 馬糞の列は、堆肥化サイクルが始まるのに十分な量になるまで、しばらくそのまま放置しておく。堆肥化サイクルは、馬糞の列を初めて攪拌するときに始まる。しかし、堆肥化サイクルを開始する前に堆肥化手順(レシピ)を作成する必要がある。寝藁はそれぞれ異なるため、馬糞を首尾よく完熟堆肥にするには適した堆肥化手順が必要である。

 アンガロネ氏は、「堆肥材料は混ぜ合わされたときに、熱サイクルを生じて雑草の種と病原菌が死ぬように窒素、炭素、空気および水の混合物を必要とします。堆肥化を検討する前にTRCDCに相談することを勧めます」と述べている。

 一方、オールドフィールド氏は、「基本的にはどの炭素・窒素由来物質も堆肥にすることができます。成功の鍵は、正しい堆肥化手順を決めることです。ウッドシェービングとウッドチップは堆肥化サイクルに若干長い時間がかかります。牛糞と馬糞を混ぜ合わせると相乗効果があります」と述べている。

 低速ギアと堆肥攪拌機を装備した70馬力ないし90馬力のトラクターが必要である。低速ギアは、型式によってはトラクターに取り付けることができる。

 堆肥攪拌機は、必要機器のうちで唯一の特殊機器であるが、大きさによっては小規模牧場に手が出せないほど高価なことがあるため、賃借するほうが有利である。

 事業規模と排泄される馬糞の量によっては、堆肥化作業を行う区域の地面を安定させるための全天候用防水シートが必要となる場合があるが、長期にわたる経済的利益を考慮すれば、初期投資が有効であるのは明らかである。

どの位時間がかかるか

 アンガロネ氏は、「攪拌の時間を確保するため、事前にスケジュールを立てる必要があります。攪拌の大部分は、最初の2週間で行われます」と述べている。

 攪拌で堆肥材料を空気に晒し、このことにより堆肥化が進むための酸素がえられる。

 馬糞の列は、最初の1週間だけ1日2〜4回の攪拌が必要である。攪拌回数は、堆肥材料の温度と寝藁の種類によって決まる。アンガロネ氏は、屋外用の直径約3/8インチ(約9.5ミリ)のシャフトを備え、曲がりにくい耐久性のある表示板式温度計が必要であると説明している。

 彼女は、「堆肥列の熱の中心は、18〜24インチ(約46〜61cm)の深さのところにあります。これは、長さが24〜36インチ(約61〜91cm)の耐久性のある温度計を必要とするということです。耐久性のある36インチ(約91cm)の温度計は、およそ120ドル(約1万4,400円)で購入できます」と述べている。

 堆肥の列の温度が華氏140〜150度(摂氏約60〜66度)になると、堆肥材料は酸素を失うので、攪拌で酸素を加えながら、温度を保って、堆肥化サイクルを継続する。堆肥材料を検査し、温度を測定し、必要に応じて堆肥列をゆっくりと攪拌するという時間と労力が必要である。

 興味深いのは、堆肥化が正しく行われているときは、悪臭を出さないということである。悪臭が出始めたら、何かがおかしいということである。

 アンガロネ氏は、「悪臭は、不適切な排水設備またはよどんだ水が集まる傾斜地に生じることがあります。堆肥列の基部や下方に水がたまる場所に堆肥列を不適切に置くことも悪臭の原因となることがあります」と述べている。そして、悪臭は堆肥材料が密集しすぎてバランスを欠いた方法を取ったために、自然の空気の流れが制限されている場合、または堆肥材料の成分に窒素含有量が多すぎる場合にも生じることがあると付け加えている。

 堆肥化がいったん始まると、糞を完熟堆肥に変えるのに通常8〜10週間かかる。完熟堆肥は、有機肥料のような臭いはなく、土のような臭いがするだけである。

堆肥化の実施

 ケンタッキー州ミッドウェーで184エーカー(約73.6ヘクタール)の牧場を経営しているランタンヒル牧場(Lantern Hill Farm)は、丸1年にわたる最初の堆肥化を完了したところである。

 同牧場の所有者であるスージー・シューメーカー(Suzi Shoemaker)氏は、「馬糞を処理する場所はもうあまりありません。牧場に隣接する農地を利用してきましたが、今後は利用できません。地価が大幅に上昇しました。馬糞処理問題に取り組むための新しい方策を考えなければならないと感じていました。未処理の馬糞を牧草地に拡散することは馬の管理という点において良いこととは思っていませんでしたが、馬糞の運び出しには非常に費用がかかります」と述べている。

 シューメーカー氏は、同牧場で1年間に使用する寝藁の量に基づいた堆肥化計画を作成するようTRCDCに要請した。彼女の牧場は、TRCDCから堆肥攪拌機を賃借したが、これは堆肥化を始めるにあたり非常に費用効率のよい方法であった。

 シューメーカー氏は、「TRCDCから堆肥化用地として3エーカー(約1.2ヘクタール)の土地を薦められたので、私たちは初年度用に隣接の土地を賃借しました。自分たちの機械を使用し、また支援を受けて堆肥を製造できることが分かりましたので、その後本場にある3エーカーの専用用地を柵で囲いましたが、非常に効率的に使用されています。馬糞の運び出しにお金を支出する必要がありませんので、節約になっています」と述べている。

 最大課題は、低速ギアを装備しているトラクターを見つけることであったと述べている。彼女はその後、同牧場のトラクターに低速ギアを取り付けるための備品一式を購入した。

 ランタンヒル牧場は、使用している寝藁の約90%が麦藁であり、ウッドシェービングも使用している。シューメーカー氏は、堆肥化計画を続行する予定である。

 彼女は、「堆肥化は、私どもにとって唯一の解決策です。堆肥化は、いたるところで問題となっている水質問題に対応するための唯一の方法であると考えました。また、私どもの堆肥製品は高品質であり、これを土地に還元しています。私は堆肥化計画に大賛成です」と述べている。

 彼女は、「温度を測る必要があり、また攪拌サイクルもありますので、堆肥化専従の従業員を必要とします。温度は、堆肥材料を殺菌するためにきわめて重要です。当牧場のマネージャーは、温度を測って攪拌するタイミングを従業員に伝えます。多くのことを正しく行う必要があり、そうしないとうまくいきません」と述べている。

契約従業員の活用

 ケンタッキー州ミッドウェーにある約2,000エーカー(約800ヘクタール)の土地で牧場を経営しているスリーチムニーズ牧場(Three Chimneys Farm)は、寝藁に麦藁を使用しており、約4年間馬糞を堆肥化している。

 同牧場のダン・ローゼンバーグ(Dan Rosenberg)場長は、「堆肥化は、環境の点で正しいことです。我々は、堆肥化によって牧草地を改良し、かつ費用を節約しています。馬糞を運び出してもらうよりも費用がかかりません。また、堆肥を土に還元するという付加的な利点もあります。堆肥化は、非常にうまく機能しています」と述べている。

 堆肥化は、専従の労働力のほかに特殊な機器を必要とするため、スリーチムニーズ牧場は、いわば汚れる仕事を処理する独立会社と契約を結ぶことにした。

 ローゼンバーグ氏は、「エクワイン・マック・マネジメント社(Equine Muck Management: EMM)が当牧場のために馬糞を処理してくれます。EMMは、多数の牧場と契約を結んでおり、堆肥に必要な機器を現場から現場へ移動させています。当牧場には2つの異なる堆肥化施設がありますが、我々が馬糞を現場に降ろした後EMMはそれを堆肥化して牧場に拡散します。我々は、馬糞の運び出しに必要な費用の4分の3の費用でこの堆肥化を行っています」と述べている。

 同氏は、生の馬糞を牧草地に拡散することは賢明な管理方法でないと考え、「未処理の馬糞を牧草地に拡散することが寄生虫や雑草の問題をもたらすこと、また馬糞を堆肥化しないで単に積み重ねておくことで地下水が汚染されることは明らかですので、堆肥化は正しいことです。私はEPAが馬糞の処理には他に選択肢がないことを説明する日が来ると確信しています。我々は、時代の先端を先取りしたいと思ったのです」と述べている。

 ロン・ウォーレス(Ron Wallace)氏が経営するEMMの事業は、ケンタッキー州ウッドフォード郡に本拠を置く。自社の機器を使用し、EMMは地域の牧場のために堆肥化を行っている。牧場は、堆肥化用地を提供する。用地は、排泄される馬糞の量に応じて一般的に2〜4エーカー(0.8〜1.6ヘクタール)の広さを必要とする。EMMスタッフが現場に来て、実際の堆肥化作業を行う。

 同氏は、「我々は主に、麦藁と稲藁からなる寝藁を処理しますが、ウッドシェービングやおがくずも扱うことができます」と述べ、ウッドシェービングは分解に少し余計に時間がかかるが、完熟堆肥は同じ状態になると付け加えている。

 ウォーレス氏は、「我々は普段、馬糞を積み重ねて列に並べ、高さ5フィート(1.5メートル)幅10フィート(3メートル)の列を作ります。堆肥化作業開始のために、通常土を加えます。作業を始める時には、通常土と完熟堆肥を新しい馬糞と混ぜ合わせます。完熟堆肥は、一般に売っている表土のような感じです。我々は、完熟堆肥を牧草地に拡散し、木の回りにもまきます。完熟堆肥は、最初の馬糞の20〜30%の量になります」と述べている。

堆肥販売の開始

 オールドフィールド氏は、自分のことを堆肥女王と呼ぶ人々がいることを気にしていない。

 彼女は、牧場経営者と仕事をすることが好きであり、ケンタッキー州の馬産地域が将来、堆肥を販売するようになることを強く望んでいる。

 彼女は、「私が引退する前にこの事が実現することを期待しています。この地域の人口を考えると、この実現に問題があるとは思いません。肉牛牧場と馬牧場の経営者が堆肥による利益を望んでいます。牧場経営者が堆肥で利益を得ることができれば、それは牧場用地を保存するための最善策です」と述べている。

(1ドル=約120円)
By Cynthia McFarland

〔Thoroughbred Times 2007年2月10日「Turn bedding into compost」〕


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