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TOPページ > 海外競馬情報 > 開催場に医師はいるか?(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2007年02月23日  - No.4 - 5

開催場に医師はいるか?(アメリカ)【その他】


 チャーチルダウンズ(Churchill Downs)競馬場で施行されたブリーダーズカップ・ワールドチャンピオンシップ(Breeders’ Cup World Championships)の公式プログラムには、ブリーダーズカップ社社長のグレグ・アヴィオリ(Greg Avioli)氏から、同場の名ラッパ手のスティーヴ・バットルマン(Steve Buttleman)氏まで、あらゆる役職者の名前が掲載された。

 11月4日のプログラムには合計136名の人々の名前が載った。これら136名中には秋に行われるこの一大チャンピオンシップ・イべントに携わったチャーチルダウンズ競馬場の全職員が含まれているわけではなかった。大変重要な職責を担った者の名前が抜けていた。当日職務についていた4名の医師チームを率いた、ベイヤード・ライス(Bayard Rice)博士である。

 ライス氏とその同僚によるその日の最も重要な電話のひとつは、ハビエル・カステリャーノ(Javier Castellano)騎手が、ブリーダーズカップ・クラシック(Breeders’ Cup Classic Powered by Dodge G1)でバーナディーニ(Bernardini)に騎乗できるかどうかを確認する電話だった。2レース前に行われたブリーダーズカップ・ディスタフ(Emirates Airline Breeders’ Cup Distaff G1)でパインアイランド(Pine Island)の致命的故障のため落馬したからである。結局同騎手は騎乗を認められ、バーナディーニはインヴァソール(Invasor)に続いて2着となった。

 全ての競馬場は、競馬を施行する際には現場に医師あるいは資格を持った救急医療技術者を配置しなければならない。大抵の大規模競馬場には、チーフ医師と、代理が必要な場合に備えて補佐役の医師がいる。

 これらの医師は競馬場で不幸な出来事が発生した時にだけその存在がはっきり分かる。例えば、騎手が落馬したり、ゲートの後ろで発馬係が馬に蹴られたり、客が心臓発作を発症したりした時である。

 医師は騎手が落馬したとき、現場で最初に立ち会う専門家であり、騎手が身体的に騎乗可能であるかを検査し判断しなければならないので、騎手たちと緊密な関係になることがある。競馬場のトップは、現場の医師について漠然としか認識していないだろうが、騎手たちはその役割まで解っている。医師の中には、全ての騎手が元気かを確かめるために騎手控室の見回りを習慣にしている者もいる。グランドスタンドまで見回る医師もいる。一緒に歩けば、「よう、先生」と呼びかける声が喧騒の中から聞こえてくる。

 競馬場の医師の中には、医務室で待機して、彼等の専門技術が必要な時にその要請に応えるだけの者もいる一方で、騎手と入場客を知る機会を楽しもうとする者もいる。そうした医師の一人がフィラデルフィア・パーク(Philadelphia Park)競馬場診療所副所長のブライアン K.“バズ”リズン医師(Brian K. ”Buzz” Rizen, M.D.)である。

 リズン医師は、フィラデルフィア・パーク競馬場の厩舎地区のドナルド・ル・ヴァイン・メモリアル・クリニック(Donald Le Vine Memorial Clinic)創設のため尽力し、サラブレッド・タイムズ(Thoroughbre Times)誌の2005年1月15日号で紹介された元開業医であるが、競馬場厩舎地区と客エリアの両方を楽しみながら見回っている。

 同氏は、他の競馬場の状況にも常に関心を持っており、東京で10月21日〜27日に開催された第16回競馬検体分析化学者および獣医師国際会議の、第1回競馬場医師部会に出席するというチャンスに飛びついた。

 同氏は参加費用を自己負担し、同部会のためにアメリカの現状についてのレポートを準備するという大変な意気込みだった。同氏は2007年の初めにこの体験についてレポートする予定である。

 同氏が最も驚いたのは、アメリカ人医師の出席者が彼一人だったことだ。何故か。原因は多く考えられるが、最大の理由は以下である。

 例えばペンシルヴェニア州の競馬場医師が、カリフォルニア州あるいはワシントン州の競馬場医師を知っているようなことは殆ど無い。アメリカの競馬場医師同士を結ぶネットワークや組織は何も無いのだ。

 この点については、20年前の競馬場でのドラッグやアルコール中毒者に対するカウンセラーの状況と同じである。カウンセラー達の仕事振りは立派であったが、他の競馬場で誰が同様の仕事をしているのかをお互いに知ることはなかった。競馬場の薬物とアルコール問題対策プログラムに関するルイヴィル会議は、カウンセラー達の孤立化を解消するのに役立った。そしてこの会議がもとになって非営利組織、ウィナーズ・フェデレーション(Winners Federation)が結成された。

 リズン医師はウィナーズ・フェデレーションの理事の一人であるが、現在、競馬場の安全を推進するという明確な目的をもって競馬場医師の組織を結成し、彼等を結び付けたいと願っている。同氏は個々の競馬場に連絡をとるつもりである。競馬場医師の方でも、同氏には以下のメールアドレスを通じて連絡がとれる。rizen24@hotmail.com

 最近行われた“競走馬の福祉と安全についてのサミット会議(Welfare and Safety of the Racehorse Summit)”は、競走中・調教中事故のデータベースが非常に重要かつ必要であることを確認した。お互い知り合えば、医師達は競馬産業をより安全なものにしていく過程でパートナーとなることができ、またそうあるべきである。

By Don Clippinger

[Thoroughbred Times 2006年12月2日「 Is there a doctor in the house?」]


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