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TOPページ > 海外競馬情報 > 馬券金額の引き下げがもたらす影響(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2007年10月19日  - No.20 - 1

馬券金額の引き下げがもたらす影響(アメリカ)【開催・運営】


 メリーランド州ジョッキークラブ(Maryland Jockey Club: MJC)は、今夏ローレルパーク競馬場で“10日間は控除率10%に”という馬券売上げ促進策を実施した。

 MJCのルー・ラフェット(Lou Raffetto)理事長は、カンザスシティーで開催された第15回年次国際サイマルキャスト会議(15th annual International Simulcast Conference)において、9月17日の会議初日に出席者を前に、「控除率の引き下げは、宣伝の点では大当たりでしたが、売上げの点では大失敗でした」と述べた。

 ローレルパーク競馬場のサイマルキャスト発売に適用された全種類の馬券の平均控除率は約11.4%で、トライフェクタ(3連勝単式馬券)やピックスリー(3重勝馬券)といった連勝式馬券の払戻金額は最高20.2%増加した。しかし、馬券購入者の反応は芳しくなかった。このことは、5日間における馬券売上げ高が前年同期比8.5%減となったことからも分かる。

 ラフェット理事長は、サラトガ競馬場およびデルマー競馬場を含む夏季サイマルキャスト発売に触れて、「大口馬券購入者にとっては、控除率引き下げはさほど魅力はありません。ファンにサイマルキャスト発売をよく知ってもらい、かつ信用を得るという目標は達成しましたが、馬券の売上げを増やすことはできませんでした」と述べた。

 エリスパーク競馬場では、ピックフォー(4重勝馬券)で4%の控除率を適用し、この馬券の1日平均売上げ高は2006年の1万9,282ドル(約231万円)から今年は3万5,085ドル(約421万円)へと82%増加した。しかし、この控除率引き下げの効果は開催当日の別のレースやピックスリーの売上げに波及しなかった。同競馬場の所有者兼場長ロン・ギアリー(Ron Geary)氏は、売上げ高が他のすべての種類の馬券で減少したと述べた。

 同氏は、「馬券購入者は、ピックフォーに適用された4%の控除率を支持しており、私たちは馬券購入者に優しい競馬場と評価されることを望んでいます。私たちは、当競馬場のサイマルキャスト発売に関する認識を深めることができました。4%の控除率を再度実施するかどうかは2008年の初めに決定するつもりです」と述べた。

 ギアリー氏とラフェット理事長はともに、控除率引き下げという新機軸は実験であると述べている。ローレルパーク競馬場の控除率は、秋季開催に向けて標準控除率に戻された。

 ギアリー氏は、9月19日まで開催されるサイマルキャスト会議に言及して、「私たちは、4%の控除率は実験的に実施しました。データを集め、それを関係者と共有したいと思います。今回はその初めての試みです」と述べている。

 過去4年間において実験段階から全国的な実施段階へと移行した馬券に関係する1つの新機軸は、馬券の発売単価の引き下げである。

 馬券の発売単価引き下げで最も人気のあったのは、10セント(約12円)のスーパーフェクタ(4連勝単式馬券)であった。この券種は、ドッグレースで始まって、2005年2月にサム・ヒューストン競馬場でサラブレッド競馬に初めて導入された。それ以降、50セント(約60円)のピックフォーやトライフェクタといった他の馬券の発売単価も引き下げられた。

 馬券の発売単価の引き下げは、当該馬券の売上げ増をもたらしたが、売上げ高全体に対する影響はまちまちである。

 サム・ヒューストン競馬場のスーパーフェクタの売上げ高は、発売単価が1ドル(約120円)であった2004‐2005年の開催に比較して、2006‐2007年開催で約45%増加した。同期間にエグザクタ(連勝単式馬券)の売上げ高は約5%減少したが、トライフェクタの売上げ高の減少は1%未満であった。

 カンタベリーパーク競馬場の競走・サイマルキャスト発売担当副場長エリック・ハルストロム(Eric Halstrom)氏は、同競馬場がスーパーフェクタの最低金額を10セントに変更した際、同馬券の売上げ高は劇的に増加したが、他のあらゆる馬券の売上げ高はかなり落ち込んだと述べた。同氏はまた、スーパーフェクタは的中させるのが難しいため、ころがし馬券の購入機会は少なくなったと付け加えた。

 マグナファイブ(magna 5−5重勝馬券の一種)は、過去5年間に導入された馬券のうちでおそらく最も成功した馬券と思われる。

 サンタアニタ競馬場の事業開発担当取締役で、ホースレーシングTV社のアナリストをしているアーロン・ヴェルクルウセ(Aaron Vercruysse)氏は、マグナファイブの企画に貢献した人物である。同氏によると、マグナ・エンターテインメント社(Magna Entertainment Corp.: MEC)の担当者はマグナファイブの発売単価を熱心に議論し、結局2ドル(約240円)に決めたという。

 同氏は、「私たちは、マグナファイブの発売単価を10セントか25セント(約30円)にするようにとの要求を耳にしましたが、2ドルにしました。こうすれば不的中による繰越金(carry over)の発生があります。小額馬券では不的中による繰越金の発生がほとんどないと思います。馬券売上げが急激に増えた場合、その日の売上げ金の一部を次のレースに還元するつもりです」と述べた。

 同氏は、4%の控除率を適用したエリスパーク競馬場のピックフォーが失敗したのに対し、マグナファイブが成功しているのは、マグナファイブを組み入れている個々のレースの馬券売上げ高が増えたためであると述べた。

 ヴェルクルウセ氏は、「どの競馬場にとっても第一の目標は、サイマルキャスト発売に注目を集めさせることであり、マグナファイブによってMECの複数のサイマルキャスト発売の増加が期待できます」と述べた。

By Ed DeRosa
(1ドル=約120円)

〔thoroughbredtimes.com 2007年9月17日「Wagering innovations more effective than takeout reduction」〕


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