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TOPページ > 海外競馬情報 > ベランギエ会長、PMUの現状について語る(フランス)【その他】
海外競馬情報
2007年08月24日  - No.16 - 6

ベランギエ会長、PMUの現状について語る(フランス)【その他】


 フランス場外馬券公社(Paris Mutuel Urbain: PMU)の売上げは現在、2ヵ月連続で20%近い増加により驚くべき回復をみせている。その一方で、フランスの競馬賭事独占の問題を法廷の場に持ち込もうとする欧州委員会(Commission europeenne)の“理由を付した意見書”により、その前途に暗雲が垂れ込めている。PMUはまだ夏休み気分ではない。以下はベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)会長との質疑応答である。

パリ・ターフ紙(以下:Q):2006年の6、7月はPMUにとって困難な時期でしたが、この夏の初めの売上げは好調です。この好調の理由は何ですか?

ベルトラン・ベランギエ会長(以下:A):我が社の7月の売上高は15〜20%増となる見込みです(訳注:実際は22.7%の増加を記録)。これは6月の18%の大幅増加に匹敵します。かなりの記録です。多くの現象が同時に、私たちに有利に作用しています。昨年の同じ時期は猛暑ということもあり、また人々はサッカーのワールドカップを優先し、競馬は二の次になってしまいました。数週間前からカンテプリュス(Quinté+)の繰越金額が異常に上昇し、それによりカンテプリュスが大幅な売上げ増になりました。7月第3週のこの馬券の売上げは前年比16.5%増を記録しました。もっともこれは一攫千金を狙う競馬ファンの人気がこの馬券と繰越金のシステムに集まったことによると言えるでしょう。(編集部注:このインタビューの2日後の7月26日にカンテプリュスを当てた賭事客は696万ユーロ(約11億1,400万円)を手にした)

同時に4月中旬に競馬機構(Institution des courses)と国が共同で負担する形で、単勝・複勝馬券の控除率を3.5%引き下げました。賭事客の取り分が大きくなったことによって大変ポジティブな効果が生じました。この措置は、私たちの顧客に高く評価されました。2005〜2007年の2年間で私たちはなおかつ1,000店の営業店をオープンし、全部で9,500店を有することになります。これらの数字は私たちの活動が強く支持されていることを示すものであり、重要な意味を持っています。

Q PMUの競争相手であるフランス宝くじ公社(Francaise des Jeux)は、同じくこの好調期から利益を得ていますか?
 
A 前半期の終わり、宝くじ公社の売上げは4.6%のマイナスでした。PMUの6月末の売上げは4.6%増でしたので、正反対の展開といえます。

賭事獲得金記録(エクスパンシオン誌夏特別号より)

2005年7月29日 ユーロミリオン 1億1,500万ユーロ
(約184億円)
アイルランド人女性が獲得
1997年3月20日 シュペール・ロト 2,600万ユーロ
(約41億6,000万円)
アスニエールにて
(Asnière)
1999年1月16日 ロト 1,300万ユーロ
(約20億8,000万円)
クラマールにて
(Clamart)
2007年7月26日 PMU
カンテプリュス
696万ユーロ
(約11億1,360万円)
ドローム県ソーゼにて
(Sauzet, Drôme)
2007年6月22日 スロットマシーン 140万ユーロ
(約2億2,400万円)
アンギャン・レ・バンにて
(Enghien-les-Bains)
ルーレットカジノ 90万ユーロ
(約1億4,400万円)
アンギャン・レ・バンにて
(Enghien-les-Bains)

Q この大変繁栄した状況の中で、週ごとに減少しているカドリオ(Quadorio)の売上げに失望していませんか?
 
A いいえ、全く失望していません。確かにここ数週間、カンテプリュスに魅力が集中し、カドリオだけでなくドゥー・シュル・キャトル(2sur4)やミュルティ(Multi)にさえも影響がありました。人気の移動が起こったのです。いったん繰越金が減少したときに、これらの馬券の売上げがどのように変化するか見なければなりません。
 
Q 欧州委員会は1ヵ月前、PMUを含む賭博の独占を非難する“理由を付した意見書”をフランスに送りました。反論書は作成されていますか?
 
A 何よりもまず注目すべきことは、今のところこの出来事によってPMUの賭事客が動揺していないことです。私たちは現在、競馬界全体にとって極めて重要な書類である欧州委員会の“理由を付した意見書”について、公的機関と協議を重ねています。欧州委員会は競馬賭事におけるフランスの特異性を明確に認識していないと言わざるをえません。実際他のヨーロッパ諸国に比べて、私たちの立場は競馬界への資金面での貢献という点で非常に特異です。

欧州委員会がフランス競馬賭事の開放を望むならば、競馬界への資金の流れを維持するために、容認可能な競争条件でどのように賭事を構成すればよいか検討が必要です。市場開放を制限しなければ、この競馬への資金の流れが非常に難しい事態に陥るおそれがあると断言できます。今日では、その1つとしてドイツでの例が挙げられます。

実際に欧州裁判所(Cour européenne)に持ち込まれる前に、合意できる場を設けることは可能ではないでしょうか?私は建設的な対話は可能であると確信しています。

 
Q PMUは競馬サークルに貢献しています(表を参照)。PMUの貢献と年々それが増していることに満足していますか?
 
A 躊躇なく“ウィ”です。1999〜2006年、私たちの運営費率は7.5%から5.64%に引き下げられました。我が社のような賭事会社の運営費率としては世界で最も低い水準です。10年前、PMUは職員2,000人で52億ユーロ(約8,320億円)の売上げをあげました。2006年には職員1,400人で80億ユーロ(約1兆2,800億円)の大台を超えました。このことは、他の賭事との競争の中で成し遂げた重要な成果です。私がPMUの会長に就任した当時、専念したことの1つは競争相手となり得る業者や同様の機関よりも運営費率が高くならぬように運営費をできるだけ抑えることでした。今日、私たちはその目標を達成しました。

競馬サークルへのPMUの貢献に関しては、この5年間で3億9,200万ユーロ(約627億2,000万円)から6億5,300万ユーロ(約1,044億8,000万円)に増加しました。(66%増)また同じ時期、賭事客への払戻金は29%増加しました。

 
Q 国家もまた本格的に控除率の引き下げを行いましたね?
 
A そのとおりです。国も引き下げ前の控除率が高すぎると理解したのです。控除率を下げ、賭事客に還元し、彼らの取り分を大きくすることで、皆が得をすることになります。また、売上げが上がり、競馬界が潤ったことで、この5年間で競馬産業の従事者が17%増加しました。これは国の経済にとっても追加的なメリットです。
 
Q 国外に向けてのPMUの政策について一言いただけますか?国際展開のための政策は、賭事独占保護の姿勢と矛盾が生じる恐れはないですか?
 
A 明らかなことは、PMUは国外に拠点を築いておらず、外国において競争を仕掛けることはないということです。私たちはどのような種類であれ、国外の賭事業者への経営参加をすることはありません。私たちは、スイス、モナコ、オーストリア、ドイツ、スペインの競馬場と、またイギリスにおいてはラドブロークス社(Ladbrokes)の協力により合同賭金プールで賭事を実施しています。2006年にはこの事業で1億500万ユーロ(約168億円)を売り上げました。

そのほかに、私たちはアフリカとヨーロッパの多くの国々向けてフランス競馬の映像を配信し、それぞれの国でこれを利用して賭事を行うことを認めています(賭金プールは別々に)。これにより2006年には約1,020万ユーロ(約16億3,200万円)の売上げをPMUにもたらしました。結局のところ、私たちは顧客が国外の大レースで賭事ができるようにしたいのです。


売上げ増加は誰の利益になっているのか?

PMU:1997年と2006年の資金の流れ

  1997 2006
売 上 げ 52億6,900万ユーロ
(約8,430億4,000万円)
81億600万ユーロ
(約1兆2,969億6,000万円)
賭事客への払戻し 36億5,700万ユーロ
(約5,851億2,000万円)
59億100万ユーロ
(約9,441億6,000万円)
国庫納付金 9億1,000万ユーロ
(約1,456億円)
10億2,600万ユーロ
(約1,641億6,000万円)
租 収 益 6億8,300万ユーロ
(約1,092億8,000万円)
11億2,000万ユーロ
(約1,792億円)
運 営 費 3億3,400万ユーロ
(約534億4,000万円)
4億6,700万ユーロ
(約747億2,000万円)
競馬サークルへの
資金還元
3億4,900万ユーロ
(約558億4,000万円)
6億5,300万ユーロ
(約1,044億8,000万円)

上の表は1997〜2006年で54%の増加を記録しているPMUの売上げにより、どこが恩恵を受けているのか示した表である。最大の受益者は間違いなく競馬サークルである。その収入はこの10年間で純収入が3億4,900万ユーロ(約558億4,000万円)から6億5,300万ユーロ(約1,044億5,300万円)となり、87%増となった。賭事客への払戻金は、この10年で61%増加した。PMUは同時期に賭事客数が37%増加していることよりも、この点にしばしば言及する。控除率の引き下げも払戻金の増加に寄与している。運営費は比率の面では、以前7%であったが、2000年に5.64%に引き下げられた。2003年からは国庫納付金(2003年:4億6,100万ユーロ(約738億6,000万円))が運営費(2003年:4億5,200万ユーロ(約723億2,000万円))を上回っている。この10年に関していえばPMUの売上げは2倍になっているが、運営費については自助努力により31.8%増にとどまっている。結局のところ、この10年競馬賭事に対し控除率を12.7%まで引き下げた国の努力を評価すべきである。国は控除率の引き下げを認めることで、雇用創出と新たな収入の面での利益配当を得ることを見込み、競馬産業振興という策に出たのだ。

By Francois Hallopé
(1ユーロ=約160円)

[Paris Turf 2007年7月29日「《La situation de la France est très originale》」]


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