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TOPページ > 海外競馬ニュース > 間違った馬が出走して優勝するも競走結果は変わらず(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2017年08月10日  - No.31 - 1

間違った馬が出走して優勝するも競走結果は変わらず(イギリス)[その他]


 ヤーマス競馬場は7月27日、英国競馬において前代未聞の"取違え"の舞台となった。単勝51倍で第1レースの2歳戦を制した馬が本来の出走馬ではなく、その日の他のレースに出走予定だった同じ厩舎の3歳牝馬であることが、後に判明したのだ。

 チャーリー・マクブライド(Charlie McBride)調教師はこの過失について、鞍の手配が遅れてしまい、レースに間に合わせるために大急ぎで馬装したせいで生じた"単なるうっかりミス"であると述べた。

 同調教師はこう語った。「単なる間違いであり、人間誰しも間違いを犯します。これはうっかりミスで、誰の利益にもなりませんでした」。

 「2~3ヵ月前から、我々の厩舎の馬の世話を若い女性に任せています。彼女は2頭のどちらの牝馬にも乗っており熟知していました。私たちは、これらの牝馬をチェックしてから昼食を取りました。そして、彼女に2歳牝馬を出走させる準備をしてもらい、私は鞍を取りに検量室に向かいました」。

 「早く前検量を済ませたかったのですが、鞍を受け取るまでに20分以上も掛かりました。戻ってきたときには、牝馬はすでに馬房から出されていましたが、慌てていたのでじっくりと見ませんでした。正しい馬だと思っていたのです」。

 過失が明らかになったのは、競走後に検体が採取されたときになってからである。後検量後の正式発表はすでにされており、競馬場の裁決委員には、この厄介な結果を修正する権限がなかったため、この件はBHA(英国競馬統轄機構)に送られた。

 マクブライド調教師はこう続けた。「両方とも黒鹿毛の牝馬です。一緒に立たせていれば、すぐに識別できます。2頭のことは熟知していますが、その時は冷静さを失っていて馬を見ませんでした」。

 「パドックにも、レース後にも、多くの馬主や関係者がいましたが、私にそれが正しい馬ではないことを気付かせてくれる人はいませんでした」。

 ニューマーケットを拠点とするマクブライド調教師が管理し、ジョン・イーガン(John Egan)騎手が騎乗したマンダリンプリンセス(Mandarin Princess)は、2歳未勝利戦(約1200m)において単勝1.67倍の1番人気馬ファイアキー(Fyre Cay)を下して優勝し、番狂わせを引き起こした。

 しかし、優勝馬の血液あるいは尿が取られる検体採取所において、マンダリンプリンセスとされていた馬は、第4レース(ハンデ戦 約1800m)に出走予定の3歳牝馬ミリーズキス(Millie's Kiss)であることが判明した。

 裁決委員は審議を要求したが、初めて過失が明らかになってから約45分後、すなわち問題のレースの2時間以上後の午後4時12分まで、このレースに関する発表はなかった。

 そのうち、賭事客、ブックメーカー、馬の関係者は混乱し、疑念に駆られることになった。

 有給裁決委員のトニー・マクグローン(Tony McGlone)氏は、アットザレーシズ(At The Races)にこう語った。「これまでこのような状況に遭遇したことがありません。全ての出走馬と同様に、これらの馬は、厩舎に連れてこられて検査され、馬房を割り当てられました」。

 「マクブライド調教師は検量室のほうに行き、わずかに遅れて戻ってきました。厩舎の若い女性スタッフがすでに馬房から出していた馬を、装鞍所に連れて行きました。マクブライド調教師は大急ぎで鞍を乗せ、馬は出走して優勝しました」。

 「それから、優勝馬の通常の競走後検査において、獣医師が検査したところ、それが間違った馬であることが判明しました。この出来事について調査しましたが、おそらく単純な間違いです」。

 マクグローン氏はこう続けた。「私たちはBHAにこの件を送ってさらに検討するように求めました。レース後14日間は、不服申立てができます。不服申立て制度は機能していますが、あらゆる事柄と同様に、絶対確実ではありません」。

 1999年にマイクロチップのIDが導入されて以来、英国の競馬場においてこのような状況は生じておらず、BHAは徹底的な調査を開始する予定である。

 BHAの声明にはこう記されている。「ヤーマス競馬場の事件は、我々のルールに従って調査を実施するように、BHA本部に送られてきました。マイクロチップ識別システムを導入して以来、我々が知る限り、このような事件の前例はありません」。

 「この問題が見つかったのは、競走結果が確定した後でした。競馬場で後検量が確定して公式発表がなされた後では、裁決委員は競走結果を修正できません」。

 声明はこう続ける。「正しい馬を連れてきて走らせる責任は調教師にあります。そうは言っても、私たちは最近このような性質の事件を目にしていませんでした。もちろん、このようなことが再発しないように、どのような措置が必要か決める予定です。この事件の影響を受けたであろう賭事運営者や賭事客については気の毒に思います」。

 マクブライド厩舎の馬とコンビを組んでいたイーガン騎手は、なぜ競走結果が修正されなかったのかについて疑問を呈した。

 「第4レースまで、ミスに気づきませんでした。厩務員たちはミリーズキスを連れてきていると思っていました」とイーガン騎手はアットザレーシズに語った。

 「結局のところ、人間は誰でもミスを犯します。チャーリーにとって大変残念なことであり、彼ほど失望している人はいないと思います。世の中にはこれより酷い出来事がありますので、すべてを乗り越えて前に進みましょう」。

 「裁決委員がレースの無効や優勝馬の失格を決定しなかったことに驚いています。間違った馬が出走したわけですから、とてもシンプルに思えます。このルールは理解できません」。

 場内ブックメーカーのダン・ハーグ(Dan Hague)氏はこう語った。「大変恥ずべきことであり、起こってはいけないことです。ブックメーカーの立場から、私たちは後検量後の公式発表に従わなければなりません。さもなければ取引は終わりません」。

 「どこかで時間に区切りをつけなければなりませんし、後検量を済ませた後に、事件は明るみになりました。常連客から1番人気馬への1,100ポンド(約15万9,500円)の賭事を受け付けていました。しかし、すでにレース結果が確定していましたし、彼には公正に対応しました。この顧客に好意でお金を支払っても良いでしょうが、すでに的中者に400ポンド(約5万8,000円)を支払っている状況で、どれくらいのことができるでしょう?」。

 「これは1回限りのことで、こんなことは二度と起きないでしょう。英国競馬にとってとても残念な日です」。

By Peter Scargill and Andrew Dietz

(1ポンド=約145円)

[Racing Post 2017年7月27日「Yarmouth shambles as wrong horse wins juvenile race at 50-1」]


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