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海外競馬ニュース
2017年06月08日  - No.22 - 2

無名だったベギー騎手が英ダービー優勝(イギリス)[その他]


 パドレイグ・ベギー(Padraig Beggy)騎手とは誰か?これは、コアな競馬ファンがしてもおかしくない質問である。ベギー騎手(31歳)は長年転々とし、今年は数鞍にしか騎乗していない。

 けれども、ベギー騎手がダービーで騎乗するのに相応しくないと考えられていたわけでは決してない。

 やるべき事を熟知し、バリードイルの重要な調教助手であることを示していなければ、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師から騎乗を任されることはない。ベギー騎手の英ダービー初騎乗は、同騎手がレースで冷静に騎乗できることを明らかにしている。オブライエン調教師は、ベギー騎手が今年の英ダービーで優勝したウィングスオブイーグルス(Wings Of Eagles)に騎乗するにあたり、その適性を疑ったことはなかったと主張した。

 ベギー騎手はフェアリーハウス競馬場の近くで育ったが、14歳まで馬に乗ったことがなかった。アイルランドの多くの才能ある若い騎手と同様に、ベギー騎手はケヴィン・プレンダーガスト(Kevin Prendergast)厩舎の見習騎手として成功した後に低迷し、ジョン・クイン(John Quinn)厩舎に移りヨークシャーで運を試した。しかし、2年間でわずか8勝しかできず、状況を変えることが必要となり、今度は豪州へ渡った。

 ベギー騎手は渡豪後、尿検査で禁止薬物の陽性反応が出たことで、ニューサウスウェールズ州の裁決委員から長期の騎乗停止処分を言い渡された。これは騎乗経歴に最悪の事態をもたらす事件であった。しかしこの出来事がなければ、ベギー騎手はおそらく天才オブライエン調教師の管理馬に乗ることはなく、英ダービーで騎乗することもなかっただろう。

 メディアがすぐに好感を抱くほど愛嬌のあるベギー騎手はこう説明した。「豪州でトラブルを起こしました。ひどい過ちを犯してしまい、その過ちと決別する必要がありました。私は打ちのめされていました。起き上がって再び戦わなければなりませんでした」。

 「豪州から帰ってきて、2人の親切な友人がエイダンのところにいて、私に職を紹介してくれました。2015年1月前半からエイダンのもとで働き始め、それ以降、毎日世界最高級の馬に乗ってきました」。

 「他のどの場所でもこのような優良馬に乗れなかったでしょう。それに、今や私はダービーで優勝しました!」。

By Graham Dench

[Racing Post 2017年6月3日「So just who is Derby hero Padraig Beggy?」]


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