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2016年06月30日  - No.26 - 1

英ダービー馬ハーザンド、愛ダービーも制覇(アイルランド)[その他]


愛ダービー(G1・6月25日カラ競馬場) 2400m 3歳限定

 英ダービー(G1)優勝馬ハーザンド(Harzand)は、すさまじい走りぶりで以前からのライバルであるアイダホ(Idaho エイダン・オブライエン厩舎)の粘り強い挑戦を振り切り、愛ダービーも制覇した。

 ハーザンドは、英ダービーでアイダホを2馬身3/4差で破っていた。しかし愛ダービーでは、アイダホが残り400mを切ったときから脅かすような脚で迫ってきたので、優劣をはっきりさせるために戦わなければならなかった。

 ハーザンドはパトリック・スマレン(Patrick Smullen)騎手の合図に応えて、アイダホに1/2馬身差をつけて優勝し、最終オッズ4-6(1.7倍)に応えた。

 6月23日に4,000勝を達成したダーモット・ウェルド(Dermot Weld)調教師は、これで愛ダービー3勝を果たした。これまで、1996年にザグレブ(Zagreb 引退後に日本で供用。コスモバルクの父)、2004年にグレイスワロー(Grey Swallow)でこのレースを制していた。



今後の目標

 ハーザンドの馬主は、アガ・カーン殿下である。同殿下は2000年に、シンダー(Sinndar)で英愛ダービー制覇に加え凱旋門賞(G1)優勝を果たしている。

 ウェルド調教師はこう語った。「ハーザンドにはスピードがないと考えている人は多かったのですが、今日そうではないことを見せつけました。独特なパフォーマンスを見せる馬で、先行していた2頭をとらえるとあっと言う間に加速しました」。

 「パトリックは上手く乗ってくれました。最高の日になりました。ハーザンドはしばらく休養し、凱旋門賞を目指すでしょう」。

 コーラル社(Coral)とパディパワー社(Paddy Power)はハーザンドの凱旋門賞優勝に8-1(9倍)のオッズを付けている。しかし、ハーザンドに1番人気ポストポンド(Postponed)と同じオッズ5-1(6倍)を付けているブックメーカーもある。



優秀で逞しく頼りになる馬

 スマレン騎手とウェルド調教師のコンビは、これまで平地の主要レースのほとんどを制してきたが、凱旋門賞はまだ優勝していない。ハーザンドはこのコンビに英ダービー初優勝をもたらしたが、凱旋門賞初優勝ももたらしてくれることを、スマレン騎手は望んでいる。

 同騎手はこう語った。「アイダホ鞍上のライアン・ムーア騎手は一度仕掛けてきましたが、残り150ヤード(約135m)のところで再び並んできました。接戦となったことでかえって戦いやすくなりました。ハーザンドは優秀で逞しく頼りになる馬です」。

 「ハーザンドがどこまで実力を伸ばすのかわかりませんが、凱旋門賞馬となってくれることを望んでいます」。



レース展開


 ハーザンドは持久力のある馬だが、関係者はまずまずのペースで真っ直ぐ走るエベディイン(Ebediyin)をペースメーカーとして送り込むことで、そのスタミナが確実に持つようにした。

 スマレンは序盤の駆け引きでハーザンドを3番手につけていたことに満足していたが、最後の直線に差し掛かったとき、ライバルたちを引き離そうとした。

 道中ずっとハーザンドを追跡していたアイダホは、残り2ハロン(約400m)を切ったときに脅かすような脚で迫ってきた。しかし、ハーザンドは終盤で驚異的なパフォーマンスを見せて強敵をとらえ、その評価をさらに高めた。

By Tony McFadden

[Racing Post 2016年6月25日「Derby hero Harzand follows up at the Curragh」]


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