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海外競馬ニュース
2014年08月28日  - No.34 - 3

妊娠中牝馬の輸入規制が緩和(オーストラリア・ニュージーランド)[生産]


 馬伝染性子宮炎(contagious equine metritis)に関する輸入規制の変更を受け、今や生産者は牝馬を英国・アイルランドからオーストラリア・ニュージーランドに向け、より廉価でかつ短時間で輸送することができる。

 この規制緩和が7月に発効したことにより、妊娠中の牝馬には今後、出国時と入国時にそれぞれ2週間検疫所で過ごすという他の馬と同じ条件が適用される。以前、牝馬は妊娠中と出産後1ヵ月は検疫所に留まらなければならなかった。

 インターナショナル・レースホース・トランスポート社(International Racehorse Transport イギリス、アメリカ、オーストラリアおよびニュージーランドに事業所を置く競走馬輸送会社)のジム・パルトリッジ(Jim Paltridge)社長は、この規制緩和は牝馬所有者にとって大幅なコスト削減となり、採算性を向上させる可能性があると語った。

 そして次のように続けた。「以前妊娠中の牝馬は数ヵ月間検疫所で過ごさなければならず、これは全く追加的な費用でしたので、多くの人々は妊娠中の牝馬を輸入することをあきらめていました。ニュージーランドには検疫期間を短くする方法がありましたが、牝馬と種牡馬に毎日複雑な消毒作業(swabbing)を行わなければならず、これは現役種牡馬にとってはまったく実行不可能なことでした」。

 「今や、牝馬を南半球のシーズンに合わせて交配させ、オーストラリアやニュージーランドに輸出することがずっと簡単にできます」。

 「このことはもっと多くの取引を可能にするでしょう。馬主は夏にタタソールズ社(Tattersalls)7月セールなどで牝馬を購買し交配させ、妊娠したその馬をイングリス社(Inglis)などが開催するオーストラリアでの繁殖牝馬セールに上場することができます」。

 国際色豊かな有力購買者層がいることはタタソールズ社の多くのセリの特長であり、同社のマーケティング担当理事ジミー・ジョージ(Jimmy George)氏は、パルトリッジ社長の意見に同意し、次のように語った。

 「とても重要で大いに歓迎されるべき展開です。オーストラリアの生産者は毎年12月のセールに大勢来ますが、この規制緩和は購買プロセスを確実に簡素化することになるでしょう」。

 昨年のゴフス社(Goffs)11月セールは過去最多の南半球の購買者数を記録した。ゴフス社のCEOヘンリー・ビービ(Henry Beeby)氏は次のように語った。「買い手の参加と欧州馬の購買を容易にすることは望ましいことであり、将来南半球の購買者数がさらに増加することを期待しています」。

 なお、これらの規制は、牝馬はオーストラリアには妊娠7ヵ月以内で、ニュージーランドには妊娠300日以内で到着しなければならないと定めている。

By Katherine Fidler

[Racing Post 2014年7月25日「Australia and New Zealand relax mare import regulation」]


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