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TOPページ > 海外競馬ニュース > リチャード・ヒューズ騎手の日本競馬印象記(日本)[その他]
海外競馬ニュース
2014年06月12日  - No.23 - 2

リチャード・ヒューズ騎手の日本競馬印象記(日本)[その他]


 騎手の生活というものは国によってさまざまだが、日本においては全く別物である。当然のことながら、私はそうそう日本に行くわけではない。昨年11月にジャパンカップ(G1)でシメノン(Simenon)に騎乗するために日本を訪れたが、2003年〜2004年に(今ではほんの2〜3年前のことのように思えるのだが)6週間滞在して以来、初めてのことだった。久々に日本に足を踏み入れると多くのことが思い出され、英国ではよっぽど風変りな人々しか日本で行われている競馬のやり方について考慮しないだろうと思い返された。

 トップジョッキーであれば、週末にしか騎乗しない。そういうわけで、武豊はこれ以外の日を色紙にサインすることに費やすことができる。しかし、その武豊でさえもタイムカード規定に従わなければならず、日本の騎手たちはちょうど工場従業員が毎日やっているようにタイムカードに打刻しなければならない。

 騎手はレース前日の金曜日の午後9時までに、競馬場の調整ルームに到着しなければならない。調整ルームの寝室に入れば、二夜を過ごすベッドがある。寝室から離れれば、テレビ、ビリヤード台およびトップクラスの体重調整施設がある。非常に快適な環境で、日曜日に全レース終了するまでそこにいることが義務付けられているので良いことである。寿司を食べるために町に繰り出すことも、家に電話することさえもできない。閉じ込められるのだ。

 日本にいれば、非常に礼儀正しいが華奢で軽くてガリガリの騎手に囲まれる。このことは彼らの騎乗には影響しないが、(1日に8つの鞍を使うこともあるので)大量の荷物を持っての競馬場への移動は困難に違いない。

 騎手は競馬開催日の10時ごろからレースごとに体重を測ることが義務付けられている。これは極めて精確で綿密なプロセスである。

 負担重量56kgで騎乗するのに体重計が56.3kgを示すなどもっての外である。再び体重を測る前に、適切な重さの鉛板の入った鞍を探して取ってくるために検量室を出たり入ったりする。喉が渇いていてその日に水を飲むつもりならば、あらかじめソックスの中に鉛板を入れておき水分で体重が増えたときに取り出して負担重量に影響が出ないようにしなければならない。レースの時間が迫れば、パドックのそばの部屋で最終的な検量を行う。その後、不思議に思われるかもしれないが、1人の男が大声を発し、騎手は馬に駆け寄り騎乗するよう求められる。

 こんなことはアスコット競馬場でうまく行くはずはないし、取り入れる必要があるシステムでもないが、日本の賞金は好ましい。

 日本の賞金は驚くほど高い。重賞の賞金は一財産に相当するが、1日で最も賞金の低いレースでさえも3万ポンド(約510万円)以上を提供する。賞金は6着までに支払われ騎手への進上金はその5%だが、たった5%でも大金である。

 レース発走前には毎回屋根のある待機所で馬は10分以上回る。そこに着いたら、尻尾に赤いリボンの目印を付けた蹴り癖のある馬に近づかないようにしなければならない。

 いよいよ発馬機を出れば、レースは道中とても美しい。馬場は素晴らしく、どちらかと言えばスペースは沢山あり、レースは早いテンポで進められる。しかし、日本の裁決委員は特に厳しいので気を付けなければならない。競馬の賞金は高く、トップジョッキーの多くは週末しか騎乗しないので、彼らは騎乗停止処分を受けることを嫌がる。騎手はレースをしたいし、それは競馬場も同じである。私が短期騎乗免許で騎乗しているときに、雪が3フィート(約90cm)積もったことがあったが、芝レースがダートコースで施行され、内馬場に雪だるまが作られ、レースが開催されたのを覚えている。これこそ日本のやり方だ。

 しかし、おそらく日本競馬の最も魅力的な側面は、競馬ファンの態度である。日本人は賭事が好きで大きな額を賭けるが、競馬場に来る人々はあからさまに馬券師というわけではなく競馬のファンでありサポーターである。

 昨年の凱旋門賞に行った人なら、日本から来た応援団がオルフェーヴルやキズナの横断幕を持ってロンシャン競馬場を動き回る様子を目にしただろう。日本の競馬開催日には、パドックはこのような横断幕で一杯になり、それを見るのは楽しい。

 競馬ファンも素晴らしいが、馬もそうである。優良中距離馬の育成に長年投資してきたことで、日本の馬主や生産者には渇望していた結果がもたらされた。日本馬は素晴らしく、毎年G1は22レースしかないので、高額賞金を巡ってレースは激しいものになる。つまりどのレースも強豪馬がぎっしり詰まるということなる。長年、私は日本競馬を上昇勢力と呼んできたが、さまざまな意味で日本はすでに高みに上っている。

By Richard Hughes

[Racing Post 2014年5月17日「A different world in the land of the rising sun」]


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