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TOPページ > 海外競馬ニュース > 高まる早期種牡馬入りの傾向(イギリス)[生産]
海外競馬ニュース
2013年08月15日  - No.33 - 3

高まる早期種牡馬入りの傾向(イギリス)[生産]


 サラブレッドに最も求められる特質は競走寿命である。ドイツでは2シーズンで真価を証明しない限り種牡馬入りすることはなく、また日本の優良種牡馬の多くは、ざっと思いつくところでダイワメジャー、ステイゴールド、ゼンノロブロイなどが20戦以上した後に引退している。競走寿命は肢と気質の両方の健全さを意味することが多く、観念的には新種牡馬としては短い優れた競走生活で終えた馬より理想だと考えられている。

 しかし英国とアイルランドでは、米国と同様にスピードと早熟性が市場を支配している。米国の競走馬の年間平均出走回数が1950年には10.9回であったのが2012年には6.3回しかないと新聞が伝えたときには、米国競馬産業のさまざまな部門で懸念が示されたかもしれないが、競走生活が長い競走馬より短くてもスピードを発揮した馬をより支持する生産者が依然として存在する。

 ツイッター上では、今年前半に競馬解説者エド・デローサ(Ed DeRosa)氏が次のような発言をした際、過激な意見も示された。「生産者がアイルハヴアナザー(I’ll Have Another 日本で種牡馬入り)やアニマルキングダム(Animal Kingdom 豪州で種牡馬入り)を米国で種牡馬入りするのを支持しなかったのに、1戦のみのマクリーンズミュージック(Maclean’s Music)がケンタッキーのヒルンデール牧場(Hill ‘n’ Dale Farm)において種付料6,500ドル(約65万円)で供用されているのはちゃんちゃらおかしい」。

 短い競走生活で引退し種牡馬入りすることは何も新しいことではなく、種牡馬ビジネスのあらゆる部門のように、成功例もあれば失敗例もある。ヘイルトゥリーズン(Hail To Reason)とレイズアネイティヴ(Raise A Native)が2歳シーズン終了時に引退した1960年代に遡ってみよう。両馬は生産に適した種牡馬に成長した。ヘイルトゥリーズンは非常に多忙な2歳シーズンを過ごし、1960年1月〜9月に18戦9勝の成績を上げた。一方、レイズアネイティヴは4戦を無敗で勝ち進んだ後に屈腱炎を患い、レースでの合計走行時間は3分31秒6であった。

 もっと最近では、3歳スプリント競走が少なくなったことや故障のためにこの傾向はいっそう目立っている。

 1999年後半にクールモア牧場は、故障のために最優秀2歳馬ファスリエフの種牡馬入りを余儀なくされたが、この決定は、同馬が2003年2歳リーディングサイアーとなったことから正当化された。また、その7年後には、英2000ギニーへの出走を控えていたホーリーローマンエンペラー(Holy Roman Emperor)が、受胎率の低いジョージワシントン(George Washington)の代わりを務めるために引き抜かれ、同じ道を辿った。若くして種牡馬入りした馬にはこのほかに、現在供用3年目の優良種牡馬ダークエンジェル(Dark Angel)やアプルーヴ(Approve)やゼブディー(Zebedee)がいる。アプルーヴとゼブディーは今年1歳の初産駒にそれぞれ1万9,865ギニー(約313万円)と2万1,106ギニー(約332万円)の平均価格が付いたことで、いずれも早々に市場で認められている。

 2歳シーズン後に出走しなかった種牡馬が大きな活躍をすると人気は出る。実際、彼らが現在華麗な生活を楽しんでいると言ってよい。

 ダークエンジェルは、主に3頭の優良4歳馬リーサルフォース(Lethal Force)、ソブリンデット(Sovereign Debt)、リリーズエンジェル(Lily’s Angel)の活躍で、英国・愛国サイアーズランキングで9位となった。一方ホーリーローマンエンペラーは、英1000ギニー勝馬ホームカミングクイーン(Homecoming Queen)を出した昨年に続き、今シーズンも仏ダービー2着馬モランディー(Morandi)とレイティルモル(Leitir Mor)の活躍で順調である。

 それから、今シーズンのケンタッキーダービー馬オーブ(Orb)を送り出した米国の種牡馬マリブムーン(Malibu Moon)は、エーピーインディ(A.P. Indy)産駒の中では比較的珍しく2歳時5月の900mの競走で優勝するほど早熟の馬であったが、膝の板状骨折を負った。

 結果として、同馬はメリーランド州のジョン・ポン(John Pon)氏所有のカントリーライフ牧場(Country Life Farm)に3歳で繋養されることになり、種付料は3,000ドル(約30万円)であったが、ヘイルトゥリーズンとレイズアネイティヴの成功例が、マリブムーンの初期の種牡馬生活において宣伝材料となった。現在16歳のマリブムーンは、ケンタッキー州のスペンドスリフト牧場(Spendthrift Farm)で種付料7万5,000ドル(約750万円)で供用されている。

 先週行われた愛ダービー(G1)勝馬トレーディングレザー(Trading Leather)とジャンプラ賞(G1)勝馬ハヴァナゴールド(Havana Gold)を送り出した最優秀2歳馬テオフィロ(Teofilo)を忘れてはならない。テオフィロは、伝統的な引退年齢の4歳で種牡馬入りしたが、3歳シーズン全体は棒に振ってしまっていた。

 予期されていたように、ダークエンジェル、ホーリーローマンエンペラー、マリブムーンおよびテオフィロは、2歳勝馬を送り出すという点で量的にも質的にも優秀であるが、彼らの産駒は皆、現在、古馬となっても素晴らしい数字を示している。これは多くの純粋主義者には喜ばれないが、ますます目立っている勇気づけられる傾向である。

By Nancy Sexton
(1ドル=約100円、1ポンド=約150円)

[Racing Post 2013年7月5日「Racing to breed or breeding to race?」]


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