海外競馬ニュース 2017年12月28日 - No.51 - 2
平地女性騎手への減量特典を2キロから1.5キロに調整(フランス)[開催・運営]

 フランスギャロ(France Galop)は、画期的な女性騎手へのアローワンス(減量制度)の導入後9ヵ月間の効果についてレビューを行った。その結果、減量特典が調整されることとなった。障害競走では現行の2キロが維持されるが、平地競走では3月1日から1.5キロに引き下げられる予定。

 この調整はアローワンス導入後ちょうど1年で実施されることとなるが、ヘイリー・ターナー(Hayley Turner)騎手にとっては痛手となる。なぜなら、同騎手はBHA(英国競馬統轄機構)から3ヵ月間の騎乗停止処分(3月13日まで)を科されており、それが終了して再び騎乗するのは減量特典の調整後となるからである。

 ターナー騎手は2015年シーズン終了時に騎手を引退し、メディアでキャリアを積んでいた。しかし再び騎乗活動をしていた今年8月に、馬券購入用の口座を持っていたことが明らかになり、同騎手はこれを認め騎乗停止処分を受けることとなった。

 ターナー騎手は、現役復帰の主な動機としてこのアローワンスの導入を引合いに出していた。そして騎乗停止処分を受けるまでにフランスで10勝を挙げていた。

 英国で最も成功した女性ジョッキーであるターナー騎手は、本紙の最近のインタビューで、減量特典を再検討するほうがよいかもしれないと認めていた。

 ターナー騎手は、「フランスギャロが女性騎手を支援していることは素晴らしいと思いますが、おそらく2キロは寛大すぎます。昨日、ある女性騎手が4キロの減量特典を受けましたが、フェアではないと思う騎手もいるかもしれません」と語っていた。

 フランスギャロは今回の調整について発表する前に、騎手や調教師を代表する競馬関連団体などと協議を重ねていた。この調整には、障害・平地のいずれにおいても女性見習騎手への減量特典の上限を4キロとすることも含まれる。

 アローワンス導入の主な発起人であるフランスギャロのエドゥアール・ド・ロトシルト(Edouard de Rothschild)会長は、こう語った。「女性騎手へのアローワンスを導入してから約1年がたち、女性騎手の認知度は高まっています」。

 「フランスギャロは、この好ましい効果が長続きすることを望んでいます。それゆえ、競馬の利害関係者の間で幅広く議論されながら、このアローワンスは進化しつつ続けられるでしょう」。

By Scott Burton

(関連記事)海外競馬ニュース 2017年No.50「ターナー騎手、馬券を購入したかどで3ヵ月間の騎乗停止処分(イギリス)

[Racing Post 2017年12月20日「France Galop to shave 1lb off female riders' allowance after numbers rise」]