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No.46 - 1
エネイブル、ヨーロッパ年度代表馬に(欧州)[その他]
2017年11月22日

 第27回カルティエ賞授賞式(ロンドンのドーチェスターホテルにて開催)において、エネイブル(Enable)がヨーロッパ年度代表馬に選出された。ジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師が手掛け、アブドゥラ殿下が所有する同馬は今年、英オークス(G1)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)、凱旋門賞(G1)を制した。

 エネイブルはシーズン初戦3着後に6連勝したが、中でもこの3勝が最も注目を集めた。他にも愛オークス(G1)とヨークシャーオークス(G1)を制したので、今シーズンはG1・5勝を果たしたことになる。

 これらG1・5勝を達成したとき2着馬との着差は合計で22?馬身となる。したがって、この牝馬がヨーロッパ年度代表馬に決定したという発表は、11月14日の授賞晩餐会に集まった300人のゲストにとって少しも意外ではなかった。エネイブル以外では、リブチェスター(Ribchester)、クラックスマン(Cracksman)、ユリシーズ(Ulysses)が候補馬となっていた。

 3歳牝馬が年度代表馬となるのは、1991年のカルティエ賞創設以来、エネイブルで6頭目である。昨年も3歳牝馬のマインディング(Minding)が年度代表馬となっていた。なお、2歳馬で年度代表馬となったのは、創設年に選出されたアラジ(Arazi)のみである。

 エネイブルが選出されたことにより、ゴスデン調教師の管理馬が年度代表馬に選出されたのはこの4年間で3回目となった。2014年にはキングマン(Kingman)、2015年にはゴールデンホーン(Golden Horn)が選出されていた。

 また、この7年間でアブドゥラ殿下の所有馬が年度代表馬に選出されたのは4回目である。2011年と2012年にはフランケル、2014年にはキングマンが選出されていた。これは馬主として最多受賞記録であり、スー・マグニア(Sue Magnier)氏とタイである。

 エネイブルは最優秀3歳牝馬にも選ばれた。最優秀3歳牡馬にはクラックスマンが選ばれたので、3歳部門は共にゴスデン調教師の管理馬が受賞することとなった。

 エイダン・オブライエン調教師は今シーズン、年間G1最多勝記録を更新しただけでなく、管理馬3頭がカルティエ賞を受賞するという快挙を遂げた。ハッピリー(Happily)が最優秀2歳牝馬、ユーエスネイビーフラッグ(US Navy Flag)が最優秀2歳牡馬、オーダーオブセントジョージ(Order Of St George)が2年連続で最優秀長距離馬に選出されたのだ。

 他には、ハリーエンジェル(Harry Angel)が最優秀短距離馬、ユリシーズ(Ulysses)が最優秀古馬に選出された。また、ユリシーズを手掛けたサー・マイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)調教師はその目覚ましい45年間のキャリアを認められて功労賞を獲得した。

 カルティエの競馬顧問を務めるハリー・ハーバート(Harry Herbert)氏はこう語った。「欧州競馬にとって、またもや素晴らしい一年となりました。2017年カルティエ賞のすべての受賞馬・受賞者にお祝いを申し上げたいと思います」。

 「エネイブルは5つのG1競走で決定的な勝利を収めました。とりわけアスコットとシャンティイでのパフォーマンスで、稀有な卓越性をもつ牝馬であることを印象づけました。彼女はヨーロッパ年度代表馬に大変ふさわしい馬だと思います」。

 「エネイブル、クラックスマン、ハリーエンジェルは、来年も現役を続けます。来年が待ち遠しくてしかたありません」。

2017年カルティエ賞受賞馬・受賞者

年度代表馬 - エネイブル

最優秀2歳牡馬 - ユーエスネイビーフラッグ

最優秀2歳牝馬 - ハッピリー

最優秀3歳牡馬 − クラックスマン

最優秀3歳牝馬 − エネイブル

最優秀短距離馬 − ハリーエンジェル

最優秀長距離馬 − オーダーオブセントジョージ

最優秀古馬 - ユリシーズ

功労賞 - サー・マイケル・スタウト調教師

By Keith Melrose

[Racing Post 2017年11月15日「Superstar filly Enable crowned Cartier horse of the year」]



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