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TOPページ > 海外競馬情報 > ラシックスの投与時間を評価する研究結果(アメリカ)【獣医・診療】
海外競馬情報
2018年02月20日  - No.2 - 4

ラシックスの投与時間を評価する研究結果(アメリカ)【獣医・診療】


 2つの研究が、運動誘導性肺出血(EIPH)を予防するために使用される利尿薬フロセミド(別名:ラシックスあるいはサリックス)の投与時間について評価を行った。それらの結果を受けて、ラシックスの競走前使用に関するルールが変更されることはなさそうだ。

 1つ目の研究は、ケネス・L・マディ馬分析化学研究所(Kenneth L. Maddy Equine Analytical Chemistry Laboratory カリフォルニア大学デイヴィス校)のヘザー・ニッチ(Heather Knych)博士が主導した。この研究は、現行基準である競走の4時間前ではなく、24時間前にラシックスを投与した場合のEIPHの重篤度の軽減効果や予防効果を調査した。2017年11月後半の全米馬臨床獣医師協会(AAEP)の年次総会で、この研究結果の概要は説明された。それによると、「4時間前のラシックスの投与はEIPHの重篤度の軽減効果が最も高い」。

 2つ目の研究は、ワシントン州立大学のウォリック・ベイリー(Warwick Bayly)博士が主導した。この研究は、「24時間前に低用量のラシックスを投与する場合、同時に水分の摂取を制限すれば、EIPHを減少させる可能性が多少ある」としている。

 薬物規制標準化委員会(RMTC)のディオン・ベンソン(Dionne Benson)専務理事は、現在のところこれらの研究結果については議論されていないと述べた。そして、RMTCは現行基準である「第三者による競走4時間前のラシックス使用」が、競馬を施行するすべての州で適用されるように取り組んでいると付言した。

 予想できることだが、これらの研究結果に対する見解は、競走当日のラシックス使用に対する立ち位置によって異なる。米国ジョッキークラブは、競走当日のラシックス使用を終結させる連邦法の制定を支持している。

 米国ジョッキークラブは、ニッチ博士の研究において4時間前投与と24時間前投与で違いが見られるのは気管支肺胞洗浄液中の赤血球数であると示唆した。一方でこの研究は、EIPHの発症リスクは気管支肺胞洗浄液中の赤血球数と相関していないようであると言及している。

 米国ジョッキークラブの上席副理事長兼専務理事であるマット・ユリアノ(Matt Iuliano)氏はこう語った。「興味深いことに、最も客観的な方法で馬のEIPHの重篤度を判定しようとするとき、科学者たちはラシックスの4時間前投与と24時間前投与との間に統計的差異を見い出せません。またこれも興味深いことですが、この研究において、ラシックスを投与されているサラブレッドの大半がそもそもラシックスの投与が必要となるほどの臨床兆候はないことが確認されました」。

 一方、全米ホースメン共済協会(NHBPA)は、この研究結果は現行の4時間前投与を支持するものであると述べた。NHBPAのCEOエリック・ハメルバック(Eric Hamelback)氏はこう語った。「投与時間を元に戻す考えを科学が後押しするのであれば、現行基準を変更することに反対しませんが、この研究結果は現行のアプローチを支持しているようです」。

 「ホースマンや獣医師は、ラシックス使用は馬を守るものだと考えています。私たちは、ラシックス使用は馬の健康と福祉に肯定的な効果があると考えています。馬にとって最善のものを求めているのです。ラシックスは馬にとって有益です」。

 ユリアノ氏は、この研究においてはEIPHを内視鏡で確認できる重篤度がグレード1以上の出血と定義しており、競走後の馬の26%が出血していたということしか明確にしていないと指摘する。

 同氏はこう語った。「これはおそらく、欧州の競馬がラシックスなしでうまく運営されている理由を説明するでしょう。EIPHがレースでの活躍に影響を及ぼさなかったことがはっきりしている競走馬のキャリアについて研究すれば、このことはさらに実証されます」。

 ハメルバック氏はこう語った。「ラシックスを使用することは義務ではなく1つの選択です。最近施行されたペガサスワールドカップ(G1)では、ラシックスを使用しないで出走させれば7ポンド(約3.2kg)の減量特典がもらえるという選択肢が与えられていました。しかし、すべての出走馬関係者はラシックスを使用しました。なぜなら彼らは皆、ラシックスを使用することは馬にとって最大の利益になると考えていたからです。米国において、私たちにはその選択肢があります」。

 グレイソン・ジョッキークラブ研究財団(Grayson-Jockey Club Research Foundation)、全米馬臨床獣医師協会(AAEP)、そして多くの競馬場がこれらの研究に資金提供した。

By Frank Angst

[bloodhorse.com 2018年2月1日「Regulatory Changes Not Expected Following Lasix Studies」]


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