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TOPページ > 海外競馬情報 > ワールドベストレースホースはアロゲートで決まってしまうのか(国際)【その他】
海外競馬情報
2018年01月20日  - No.1 - 7

ワールドベストレースホースはアロゲートで決まってしまうのか(国際)【その他】


 "希望さえ持たなければ失望しないですむ"と考えているからといって、もちろん絶望しているわけではない。しかし最近、友人がクリスマスにもらったプレゼントを見せ、柔らかい口調で「見てごらん。君はこれにぴったりのタイプの人間だ」と言ったのは、このような私のメンタリティーが原因だろう。

 それは、『はてしない失望ダイアリー(Perpetual Disappointments Diary)』というスケジュール帳。英ガーディアン紙が「励みとなるぐらい意気消沈させられる」、ニューヨークタイムズ紙が「全ページが暗雲に包まれている」と評する品だ。各週のページに、やる気をなくさせることわざ、悲観的な説教、厭世的なアドバイスが記載されている。「ひどい日だが楽しめ(crappe diem. ラテン語の"carpe diem 今日を楽しめ"をもじったもの)」「知らぬが仏ならば、なぜそう悲しむのだ?(if ignorance is bliss, why are you so sad?)」「"それでもまだ"明日はあるのさ(tomorrow is YET another day.)」。

 しかし、彼らにいったい何が分かるというのだ?熱狂的な競馬ファンはいつも多くのことを楽しみにしている。たとえば、チェルトナムフェスティバルにがっかりさせられるようなことはめったになく、今年のこのイベント(3月13日~16日)へのカウントダウンはずっと前に始まった。いつもより早かったぐらいだ。半数のブックメーカーは、"ノンランナーノーベット形式(non-runner no bet 選択した馬がレースに出走しなかった場合、その馬券購入額は返還となる)"で馬券発売を開始した。チェルトナム競馬場付近の住宅価格はフェスティバルの効果で高騰しているほどだ。いっそのこと英ダービー(G1)の舞台を3月のチェルトナム競馬場に移して、一緒にやってしまうというのはどうだろう?

 この案はそうスムーズに承認されないだろうから、話題を平地競走へと移すことにする。真冬に平地競走について語るのはいささか不適切かもしれない。ただ、来る1月23日にクラリッジスホテル(ロンドン)で第5回ロンジンワールドベストレースホースの授賞式が予定されている。しかし、どの馬が2017年の世界ランキングでトップに立つかについてはあまり明確ではない。その栄誉に浴する馬として5頭~6頭の名前が挙がっているが、意見の一致を暗示するものはない。

 適切な馬が選ばれることを期待しよう。12月の香港国際競走の前に実施されたセレモニーでは、ヒュー・ボウマンが"ロンジンワールドベストジョッキー"に選ばれるという残念な決定が行われた。この優秀な豪州人騎手をディスるつもりは全くないが、彼は首位ではないはずだ。いったいどういう方式のランキングで、より多くのG1勝利(および3着内)を達成したライアン・ムーアよりもヒュー・ボウマンは上位となったのだろう?

 この話はもうたくさんだ。馬についてはどうだろう?今月発表される世界ランキングにより競馬界は事実上のチャンピオンを決定する。たとえ現実には1年間において特に際立った1つのパフォーマンスに対して最高評価を与えてまとめられたレーティングであったとしても、世界最高のレーティングを獲得した馬こそがワールドチャンピオンとされるのだ。

 とはいえ、2017年ロンジンワールドベストレースホースにまつわる議論は興味深い。これに関してはすでにある程度の議論が巻き起こっていた。それは、名声が傷つけられていた米国のクロイソス(訳注:紀元前6世紀古代小アジアにあったリディア王国の最後の王。巨万の富を築いたのち、ペルシアに敗れた)とも言うべきアロゲートが、BCクラシック(G1)の直後に発表されたワールドベストホースランキング(2017年1月1日~11月5日)でもなおトップに君臨し続けていたからである。

 定期的に発表されるこの公式レーティングはIFHA(国際競馬統括機関連盟)の指揮の下、世界を代表するハンデキャッパーにより決定され、1年間の総合ランキングも同じメンバーによりまとめられる。アロゲートはペガサスワールドカップ(G1)とドバイワールドカップ(G1)における見事な勝ちっぷりにより首位に立ち、クラリッジスホテルで最終結果が発表されるときにもトップに留まることが有力視されている。なぜなら、ガンランナー(Gun Runner)はBCクラシック(デルマー競馬場)でアロゲートを5着に沈めて優勝したにもかかわらず、アロゲートのレーティング134ポンドはガンランナーよりも依然として5ポンドも上回っているからだ。

 どう見ても、この結果はアロゲートが2017年前半に成し遂げた快挙に影響されている。しかし、現役最後の3戦を全敗した馬がトップに立ち続けることに腹の虫がおさまらない者もいる。アロゲートは一貫していなかった。

 アロゲートのレーティングは2ポンドほど引き下げられるかもしれない。しかしそうでなければ、授賞式で同馬はすんなりとワールドベストレースホースとして発表されるだろう。一方、レーシングポストレーティング(RPR)はアロゲートを130ポンドと評価している。これは首位争いの手強い相手と見られているガンランナーやウィンクス(Winx)と同じレーティングである。

 ガンランナーは当然、まもなく2017年米国年度代表馬として発表されるだろう。一方ウィンクスは2017年に9戦9勝を果たし、その連勝記録を22勝に伸ばした。その過程において、同馬は豪州で最高の権威を誇る馬齢重量戦コックスプレート(G1)の3連覇を果たし、競馬界の心をとらえた。

 とはいえ、ハンデキャッパーが情に流されないことは有名であるし、牝馬は負担重量を減量されていることでトップに立つことはなさそうだ。2013年には牝馬のトレヴとブラックキャビアがそれぞれレーティング130を獲得し、このランキングで同時にトップに輝いた。1995年にこのランキングが米国馬も対象とするようになって以来、牝馬がトップに立つのは初めてのことだった。

 欧州年度代表馬エネイブル(Enable)も牝馬であり負担重量を減量されていることで、ワールドベストレースホースへの道を開くことは難しそうだ。しかし同馬は現在、RPR129ポンドを獲得しているのでトップ争いに明らかに関与している。もう1頭大きな栄誉を狙えそうなのはクラックスマン(Cracksman)である。チャンピオンS(G1)での圧勝により同馬はRPR131ポンドを獲得し、レーシングポストレーティングで首位に輝いている。分かっている。それは重馬場での成績だ。しかし2着のポエッツワード(Poet's Word)に7馬身差つけたのだからとやかく言えないだろう。

 6頭目がこの議論に関わっているかはあまり明らかではない。その馬のレーティングがアロゲートよりも11ポンド下回る123ポンドであることだけが理由ではない。私が話しているのはバターシュ(Battaash)のことだ。アベイドロンシャン賞(G1 芝1000m)での同馬の圧倒的な勝利は昨年のベストパフォーマンスの1つだった。

 授賞式でレーティングが発表される時、バターシュはおそらくアロゲートやその他の有力馬に近い評価を受けていないだろう。しかし、短距離馬のハンデキャップ格付けに関して言えば、意見の相違が浮き彫りとなる。とりわけタイムフォーム・レーティングは常に、他の多くのレーティングよりも短距離馬に高い評価を与えてきた。そのレーティングが科学的な方法で作成されていることを考えれば、これに異論を唱えるには相当雄弁な人を必要とするだろう。現在タイムフォームの総合ランキングでは、バターシュはクラックスマンとともにトップに立っている。これは少々行きすぎかもしれないが、ワールドベストレースホースの議論に多くの要素があることを示すのに役立つ。

 何なら「オタク」と呼んでもらっても結構だ。しかし、幸い私はハンデキャッパーではないので、心のままに論ずることができる。ウィンクスがワールドベストレースホースとなってほしいと思っている。しかし常のごとく、私はがっかりするように運命づけられているのだろう。

By Nicholas Godfrey

[Racing Post 2018年1月5日「World rankings conundrum looks sure to stir plenty of lively debates」]


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