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TOPページ > 海外競馬情報 > 北米の芝向き種牡馬、芝競走数増加で躍進のチャンス(アメリカ)【生産】
海外競馬情報
2017年09月20日  - No.9 - 3

北米の芝向き種牡馬、芝競走数増加で躍進のチャンス(アメリカ)【生産】


 米国・カナダの芝競走数は10年前から11.5%増加した。2016年の芝競走数は、北米の芝・ダート両方の競走を施行する競馬場の全競走数の25%を占めた。しかし、現役時代に芝競走で活躍した種牡馬の産駒は、まだまだセリで苦戦している。

 1歳馬を上場した数人のトップコンサイナーは、芝競走に適した血統の1歳馬を獲得することに意欲的な購買者もいると述べた。しかし、一般的に米国のセリでは、どの馬場にも適応できる優良産駒を送り出してきた種牡馬の産駒が最も高額で取引される。

 フォースターセールズ社(Four Star Sales)のトニー・レイシー(Tony Lacy)氏はフランスのセリ会社であるアルカナ社(Arqana)の米国代表を務めている。同氏はこう語った。「数年前から、欧州タイプの血統への関心がさらに高まっていることに注目しています。人々は一歩踏み出してこれまでとは違うことをしようとしています。血統に様々な要素を求めています」。

 現役時代に芝競走で活躍した優良種牡馬について本誌が行った分析によれば、これらの種牡馬はセリ市場で確かな足掛かりを得るのに苦労し続けているようだ。本誌はまず、2012年~2016年のいずれかの1シーズンにおいて産駒獲得賞金が50万ドル(約5,500万円)以上となった種牡馬208頭の一覧を作成した。次に、この一覧の種牡馬の2007年~2016年の種付料・種付頭数・1歳馬の平均価格、そして芝競走での産駒獲得賞金額をまとめた。

 現役時代に芝重賞を制して米国・カナダで供用される種牡馬の頭数は、2007年の28頭から、2012年は34頭に増えたものの、その後は徐々に減り2016年は24頭となった。その平均種付頭数も徐々に減少し、2016年には2012年から32%減の53頭となった。北米の現役繁殖牝馬の全体数の減少がこの下降傾向の一因だが、現役時代に芝のブラックタイプ競走を制して1シーズンの種付頭数が50頭以上の人気の種牡馬の頭数が大幅に減少した。これらの種牡馬は、2008年は34頭だったが2016年には11頭となった。しかし2017年に芝重賞優勝馬12頭が北米で種牡馬入りしたので、この数は増加するだろう。

 これらの種牡馬の1歳産駒の平均価格は、2007年~2016年の10年間に目まぐるしく変化している。この期間の平均価格のピークは2007年の10万9,144ドル(約1,201万円)で、一番低いのは2010年の4万2,104ドル(約463万円)だった。2016年は6万2,828ドル(約691万円)に落ち着いている。2016年の平均種付料は2007年以来最高の3万3,636ドル(約370万円)となり、平均種付頭数も109頭となったことに示されるように、これらの種牡馬への需要が比較的高いことに注目すべきである。


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 北米の芝競走で活躍する産駒を送り出した"芝向き種牡馬"はその現役時代、芝競走で優秀な成績を収めていないことが多い。2007年~2013年北米芝向き種牡馬ランキング(産駒の芝競走での獲得賞金による)で、1歳馬平均価格でトップとなったのはダイナフォーマー(Dynaformer 父ロベルト)である。同馬はダートのG2競走で数回優勝したが、芝のG2競走では3着内に終わった。

 ただ1989年春にキーンランド競馬場で芝のアローワンス競走を連勝し、芝の適性を見せつけた。同馬の産駒はどの馬場でもこなせるだろうと予測された。1歳のダイナフォーマー産駒が上場された最後の7年間において、その平均価格は20万5,796ドル(約2,264万円)から37万4,444ドル(約4,119万円)に上昇した。

 2016年北米芝向き種牡馬ランキング(産駒の芝競走での獲得賞金による)の上位25頭のうち、現役時代に芝の重賞を制したのは6頭だけである。ダート重賞優勝馬だが、芝でも実力を示した種牡馬は3頭いる。17位のミズンマスト(Mizzen Mast 父コジーン)はダートG1を制し、ロンシャン競馬場のパリ大賞(芝G1)で2着。23位のテンプルシティ(Temple City 父ダイナフォーマー)はダートG3を制し、ハリウッドターフカップS(芝G1)と2つの芝重賞でそれぞれ2着。11位のシティジップ(City Zip)はダートG1を制しケルソH(芝G3)で3着。

 このランキングの上位3頭はすべて、現役時代にダートG1を制したが、芝競走では賞金を獲得していない。それは、ストリートクライ(Street Cry 父マキャベリアン)、モアザンレディ(More Than Ready 父サザンヘイロー)、メダグリアドロ(Medaglia d'Oro 父エルプラード)である。上位5位まで見ると、4位のキトゥンズジョイ(Kitten's Joy)と5位のロンロ(Lonhro)はいずれも芝G1優勝馬である。


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 北米の芝向き種牡馬は商業的な成功を求め続けている。米国・カナダで施行される芝競走が近年増加していることは、良い足がかりになるかもしれない。北米の芝・ダート両方の競走を施行する競馬場における全競走数は、2007年には3万3,843レースだったが、2016年には2万6,506レースに減少した。しかし芝競走数は、この10年間において2009年に5,391レースに落ち込んだが、2016年には6,752レースまで増加した。その中で最も増えたのは芝1200m未満のレースであり、この5年間に36%増加した。芝競走1レースあたりの平均賞金額はあまり変わってはいない。けれども、芝のブラックタイプ競走の平均賞金額は2007年から15.6%増加し、16万2,647ドル(約1,789万円)となった。

By Eric Mitchell

(1ドル=約110円)

[The Blood-Horse 2017年7月29日「North American Turf Sires' Uphill Climb」]


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