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2017年01月20日  - No.1 - 2

米国競馬界の経済指標、2016年は穏やかに変化(アメリカ)【開催・運営】


 2016年の米国サラブレッド競走の1日あたりの平均賭事売上げは、2015年の前年比5.8%増ほど大幅な増加率を見せず、前年比2.42%増となった。一方レース数は減少し続けており、2015年には前年から5.65%減少したが、2016年はわずかに1.69%減少した。生産頭数は2014年から3年連続でほぼ2万500頭と最低水準となっており、それらの産駒が競走年齢に達し始めているので、レース数の減少傾向は今後も続くと予測されている。

 2016年に米国で支払われた賞金額は、レース数と同様に緩やかに減少した。米国の賞金総額は2014年から2015年にかけて1.62%減少していた。2016年は10億8,374万1,023ドル(約1,246億3,022万円)となり、2015年の10億9,367万488ドル(約1,257億7,211万円)から0.91%の減少となった。2016年の1日あたりの平均賞金額は前年から0.9%増加して23万2,114ドル(約2,669万円)となった。競馬開催日数は前年比1.79%減(85日減少)となり4,669日となった。

 競馬と賭事に関する経済指標の前年からの変化が全体に穏やかであることを、競馬産業のリーダーは肯定的にとらえた。

 NTRA(全米サラブレッド競馬協会)の理事長兼CEOのアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏はこう語った。「2016年の賭事売上げと賞金総額に関する報告は、米国のサラブレッド競馬界が数年前に世界中で生じた経済不況から立ち直り、安定しつつあることを示しています」。

 「競馬産業は生産頭数の減少を受け、レース数と開催日数を削減することで対応するとともに、技術革新を進めてきました。開催日数が85日減少したにもかかわらず賭事売上げが増加したことに注目すべきです。チャンピオン馬のカリフォルニアクローム(California Chrome)、ビーホルダー(Beholder)、テピン(Tepin)、ソングバード(Songbird)、またBCクラシック(G1)優勝馬アロゲート(Arrogate)をはじめとする3歳のスター馬がブリーダーズカップ開催(11月)まで競走を続けたことが、この結果に寄与したことは明らかです」。

 ウォルドロップ氏は2017年について、米国財務省と内国歳入庁がパリミューチュエル賭事の控除率と財務報告について提案している規制変更が、賭事売上げに大きく影響する可能性があると述べた。

 同氏は次のように付言した。「複式馬券などの賭事を提供するための費用を反映するために、控除率と財務報告を新しく見直すことにより、賭事客の手元にはより多くのお金が残るでしょう。彼らはその大半をさらに馬券を購入する資金とします。それは皆の利益となるでしょう。NTRAが何年にもわたり支持してきたこの重要な措置が実施されれば、パリミューチュエル賭事全体に好ましい影響が見られるでしょう」。

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By Eric Mitchell

(1ドル=約115円)

[bloodhorse.com 2017年1月5日「More Modest Changes in 2016 Handle, Race Days」]


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