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TOPページ > 海外競馬情報 > 元競走馬の再調教セールが新境地を開く(イギリス)【その他】
海外競馬情報
2015年06月20日  - No.6 - 7

元競走馬の再調教セールが新境地を開く(イギリス)【その他】


 5月20日、ブライトウェルズ社(Brightwells オークション会社)は、スリーカウンティーズ展示場(Three Counties Showgroundウスターシャー州)において、英国初の“元競走馬の再調教セール”を公式に開催した。

 公式慈善団体“競走馬の再調教(Retraining of Racehorse:RoR)”と協力して開催されたこのセリは、第一印象では、通常のサラブレッドのセリとは全く異なっていた。

 中心には、広々としたウォームアップ用アリーナがあり、様々な馬がその能力を披露している。その周囲には、見物人の群れ、ファーストフードの屋台、移動販売車があり、夏祭りの雰囲気を演出していた。

 25人以上の馬主と調教師は、馬術競技の審査員ではなく、買い手の目を引きつけるために第1回目のセールに元競走馬33頭を上場し、馬産業の競馬グループおよび非競馬グループのいずれからも人々を呼び集めた。

 地元調教師のジェームズ・エヴァンス(James Evans)氏の妻ジェーン(Jane)氏は、「素晴らしいアイデアで、まだ仕事ができる元競走馬の販路を提供できます。人気を博すことを願っています。通常、私たちは新聞などの案内広告や口コミにより、元競走馬の新しい飼い主を探しています」と語った。

 従来、非競馬グループの間では、元競走馬は短気で、乗馬には大抵不向きであると決めつけられてきた。RoRはこの評判を払拭するために懸命に取り組んできており、ジェーン・エヴァンス氏は、その考え方が変化しつつあると感じている。

 同氏は、次のように語った。「最近は、状況が改善されています。元競走馬は新たな仕事に就き、中には素晴らしい能力を発揮している馬もいます。競走以外のことに馴染めない生粋の競走馬もみられますが、多少の欠点はあるものの、殆どの馬が乗馬になることができます。調教次第です」。

 このセリに参加したリー・モース(Lee Morse)氏とその娘シアン(Sian)氏は、ウスターシャー競走馬リホーミングセンター(Worcestershire Racehorse Rehoming Centre)の近隣に住み、元競走馬の再調教に何が必要かを心得ている。このセンターの最も有名な出身馬は、チャニンバー(Chaninbar)である。この2人は、早くに行動を起こし、一番目の上場馬ヴォリト(Volito)を600ポンド(約11万4,000円)で購買した。現役時代に何度か勝利を収めた同馬の馬主は、アナベル・マーフィー(Anabel Murphy)氏である。

 シアン・モース氏は、次のように語った。「セリ名簿にヴォリトが載っていることに気付き、見た途端に購買したくなりました。ヴォリトが最高価格馬ではなかったのは残念ですが、このセールは名案です。調教師はただ同然で元競走馬を手放しているので、相場がどのようなものか分かりませんでした」。

 モース氏の付け値は、平均をわずかに上回っていた。このセリでは12頭が総額7,070ポンド(約134万3,000円)で購買され、平均価格は589ポンド(約11万2,000円)であった。

 最高価格馬は、1,100ポンド(約20万9,000円)のバートンブラント(Barton Blount 父ビートオール)であった。同馬は、総合馬術で優秀な成績を収めてきたジャネット・ブレークウェル(Jeanette Brakewell)氏の厩舎に入る。オリンピックのメダリストでもあるブレークウェル氏は、RoRのために定期的なトレーニングクリニックを開催している。

 RoRは、950ポンド(約18万1,000円)の値が付いたリヴァップクローバー(Revupclover 父リヴォック)のように、元競走馬が高額で購買されることを目標としている。現役時代5回出走したものの成績が振るわなかった同馬は、レイチェル・ロバーツ(Rachel Roberts)氏に購買され、馬術ショーで活躍することだろう。

 RoRとブライトウェルズ社は、今後重点的に取り組む主要分野として、競馬界と馬術界の一体化をあげた。

 RoRのCEOダイ・アーバスノット(Di Arbuthnot)氏は、次のように語った。「競馬界は、スポーツホース市場に元競走馬を提供することにより、少し歩み寄りをみせました。今後、さらに購買者を集めるため、セリ会社とともに多くのことに取り組む必要があります。しかし、最初の売れ行きには満足しています」。

 BHA(英国競馬統轄機構)の主席獣医責任者ジェニー・ホール(Jenny Hall)氏も、競馬界と馬術界を一体化させる取組みの重要性を指摘している。

 「これは斬新なイニシアティブです。第2のキャリアを歩もうとする元競走馬にチャンスを与えます。優秀な上場馬も、その購買者も英国の同じ地域の出身ですが、購買にはセリが必要です」。
「しかし、人々が、このような機会があることを知るには時間を要します。競馬以外の世界におけるセリ売買は、仕組みとして確立していません」。

 また、今後の問題としては、今回、上場馬に対するセリ前の獣医検査が実施されていないことがあげられる。競馬界ではセリ前に上場馬が獣医検査を受けるシステムがあるが、これはスポーツホースに対しては実施されていない。さらに、今後のPRを考えた場合、最低競売価格の設定が必要であろう。

 チャンピオン馬のヴィヴァパタカ(Viva Pataca)が地下牢のような環境下に置かれているというニュースが話題になったが、英国が元競走馬に相応しいアフターケアを提供することは、競馬産業にとって誇らしい事であろう。

By Katherine Fidler
(1ポンド=約190円)

[Racing Post 2015年5月23日「Racehorse rehoming sale breaks new ground」]


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