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TOPページ > 海外競馬情報 > 三冠馬アメリカンファラオのマーケティングへの挑戦(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2015年06月20日  - No.6 - 6

三冠馬アメリカンファラオのマーケティングへの挑戦(アメリカ)【その他】


 アメリカンファラオ(American Pharoah)の馬主とサラブレッド競馬界は、今や新たな戦いに挑もうとしている。三冠達成の興奮が冷めないうちに、この偉業を十分に金銭的な利益に結びつける戦いである。

 ベルモントS(G1)での圧倒的な勝利により、37年振りの三冠馬となったアメリカンファラオは、1978年の三冠馬アファームド(Affirmed)の馬主が、全く想像できなかった豊富なマーケティング機会に恵まれている。しかし、競馬はマイナーな娯楽となり、ファン層の高齢化、競馬場の減少、新たなスポーツ賭事との競合に直面している。

 南カリフォルニア大学マーシャル・ビジネススクールのデヴィッド・カーター(David Carter)教授は、「マーケティング・メディア・消費行動のすべてが変化しました。知名度をマーケティングに活用することは1つの手段ですが、人々にお金を使わせることは別問題です」と語った。

 アメリカンファラオの馬主アフメド・ザヤット(Ahmed Zayat)氏は、すでにモンスターエナジー(Monster energy 栄養飲料)と会員制自家用飛行機会社ウィールズアップ社(Wheels Up)とスポンサー契約を交わした。ザヤット氏がアメリカンファラオのマーケティングを委託しているレヴァレッジエージェンシー社(Leverage Agency)のCEOベン・スターナー(Ben Sturner)氏によれば、商品契約はファナティックス社(Fanatics)などと締結済みとのことであった。6月8日には、オールプロチャンピオンシップス社(All Pro Championships)とシュタイナースポーツ社(Steiner Sports)と、同様の衣料品・商品契約を締結したことが発表された。

 さらに、ザヤット氏はより多くの契約締結を探し求めることだろう。また、同氏は競馬界を勢いづけるため、アメリカンファラオ人気の利用を約束している。今年、アメリカンファラオは、あと2〜3レースに出走する見込みである。これは競馬への関心を高め、同馬が出走する競馬場の入場者数を増加させ、レース中継の視聴率を上げる後押しとなるだろう。

 長年果たされず、実現は不可能だろうと思われていた三冠を達成した馬として、アメリカンファラオは近年記憶に残った馬より多くの商品を売り出し、多くのスポンサーを引きつけることは確実であろう。スターナー氏は、ボブルヘッド人形、ランチボックス、“人々が身に付けたいと考えるもの”の商品化や、幅広いスポンサーの誘引を目指している。同氏は、シリアル食品“ウィーティーズ”のパッケージにアメリカンファラオを登場させるため、月曜日はまずゼネラルミルズ社(General Mills)に電話する予定と語った。

 そして「分析や購買層のことは忘れましょう。これは、新たな歴史を作り、前例のないことをしようというものです。アメリカンファラオはただの馬ではなく、象徴です」と付言した。

 1973年三冠馬セクレタリアト(Secretariat)は切手になり、競馬雑誌を含めた限らず主要雑誌の表紙を飾り、今日でもポップカルチャーの手本であり続けている。

 それでも、競馬は年間を通じて注目するファンが殆どいないスポーツであり、広告会社がそのヒーローの商品や会社に協力するため、どれだけの投資をするか未知数である。また、アメリカンファラオがその生涯において注目される期間は限られているように思われる。年末、アメリカンファラオの所有権は、同馬の種牡馬としての権利を購買したアイルランドを拠点とする事業体“クールモア牧場”に移行するからである。

 アメリカンファラオの人気が下火になるか、それとも競馬界の下向きの軌道が反転するかは、さらに不透明である。

 ライトファンは三冠競走しか気に掛けていない。これらの特別なレースへの関心は、馬券の購入だけでなく、華やかな祭典に向けられるものである。ここ数十年来、競馬場への入場者数は減少し続けている。

 カーター教授は、アメリカンファラオへの注目度について、「ライトファンは“素晴らしい偉業だ”と言うでしょうが、その後は別のことに興味を移します。ほどなくして、彼らの記憶から消えてしまえば、マーケティングの勢いを保持することは困難です」と語った。

 2012年にアイルハヴアナザー(I'll Have Another)、2014年にカリフォルニアクローム(California Chrome)が、あと一歩のところで三冠を達成できなかった。それ以前に、ライトファンの注目を引いた馬は、ゼニヤッタ(Zenyatta)である。19連勝を果たした稀に見るスーパー牝馬は、2010年の年度代表馬に選出されている。

 ゼニヤッタの馬主ジェリー・モス(Jerry Moss)氏は、商業的関心をそれほど引きつけることができなかった。同氏は、「彼女は人々の関心を引きつけましたが、大きな契約は締結できませんでした。私自身驚きました。彼女はアメリカ人のハートを捉えていたのですから」と語った。

 モス氏は、アメリカンファラオはゼニヤッタよりもずっと商業的に成功し、少なくとも今年一杯は競馬をマイナーな存在から脱却させるために一役買うだろうと考えている。

 NTRA(全米サラブレッド競馬協会)のCEOアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏は、アメリカンファラオの今回の勝利は競馬のアピール度を高める一助となるだろうが、それは単に、大勢の人々が今は三冠の達成に気をとられているからであるとしている。そして、土曜午後のベルモントS以降のメディア報道を、“噴火”と表現した。

 しかし、ウォルドロップ氏は、時が経つにしたがい、アメリカンファラオへの関心が希薄化することを心配している。「今後2週間は心配ありません。自然に興味がもたれ、気楽でいられるでしょう。ただ問題は、その関心を競馬への参加につなげることができるかどうかです。馬券を買ってもらうことが、最終的に競馬の活力源に繋がります」。

(AP通信社の競馬記者ベス・ハリス(Beth Harris)氏がこの報告に寄稿した。)
By Jonathan Fahey, Associated Press

[bloodhorse.com 2015年6月8日「Seeking to Capitalize on Triple Crown Victory」]


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