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2015年02月20日  - No.2 - 4

2014年の競馬賭事売上げ2.84%減、出走頭数6.25%減(アメリカ)【開催・運営】


 エクイベース社(Equibase)が1月5日に発表したサラブレッド競馬経済指標(Thoroughbred Racing Economic Indicators)によれば、2014年の米国競馬の賭事売上げは前年比で2.84%減少した。この8年間で競馬賭事売上げが減少するのは7回目である。

 2014年の米国競馬賭事売上げは105億5,221万4,930ドル(約1兆2,662億6,579万円)で、1シーズン当たりの売上げとしては104億3,000万ドル(約1兆2,516億円)であった1995年以降で最低である。2006年の売上げ147億8,000万ドル(約1兆7,736億円)に比べると、2014年は28.6%減少したことになる。

 この売上げ減少はパリミューチュエル賭事への関心の低下を反映しているのかもしれないが、2014年に関しては競走数の減少がより強く関係しているようだ。近年の生産頭数減少にともなう出走馬不足に競馬界が直面していることで、2014年は賭事客が賭けの対象とする競走数および出走馬の実頭数のいずれも減少した。

 2014年の米国の競走数は2013年と比べて4.31%減少し、4万1,277レースとなった。また延べ出走頭数は6.25%とさらに大きく減少し、31万8,246頭となった。

 これらの数字は、2014年の平均出走頭数が2013年の7.87頭から7.71頭に減少したことを示す。少頭数レースよりも多頭数レースの方が売上げが多いことは研究により実証されているので、出走頭数の減少も賭事売上げに影響を与えたのだろう。

 競走数の減少幅がパリミューチュエル賭事売上げの減少幅を上回ったことで、2014年の1レース当たりの賭事売上げは実質1.53%増の25万5,644ドル(約3,068万円)となった。

 競走数・賭事売上げの減少は、米国の賞金額が1.37%減の11億1,176万7,029ドル(約1,334億1,204万円)となった原因でもある。

 12月は特に厳しい月となり、競走数が11.58%減の2,427レース、賭事売上げが9.07%減の6億4,224万ドル(約770億6,880万円)となり、賞金額は12.43%減の5,826万ドル(約69億9,120万円)となった。

 

                    サラブレッド競馬経済指標

<2013年と2014年の比較>

  2013年 2014年 増減
賭事売上げ* $10,860,918,711
(約1兆3,033億1,025万円)
$10,552,214,930
(約1兆2,662億6,579万円)
-2.84%
賞金額 $1,127,221,156
(約1,352億6,654万円)
$1,111,767,029
(約1,334億1,204万円)
-1.37%
競馬開催日数 5,114日 4,973日 -2.76%
競走数 4万3,135レース 4万1,277レース -4.31%
延べ出走頭数 33万9,462頭 31万8,246頭 -6.25%

<2013年12月と2014年12月の比較>

  2013年12月 2014年12月 増減
賭事売上げ* $706,303,954
(約847億5,647万円)
$642,243,496
(約770億6,922万円)
-9.07%
賞金額 $66,530,394
(約79億8,365万円)
$58,260,685
(約69億9,128万円)
-12.43%
競馬開催日数 323日 287日 -11.15%
競走数 2,745レース 2,427レース -11.58%
延べ出走頭数 2万2,847頭 2万  634頭 -9.69%

*米国競馬を対象とした世界中のコミングリング(合同プール)賭事も含む。

By Frank Angst
(1ドル=約120円)

[bloodhorse.com 2015年1月5日「Few Positives in 2014 Economic Indicators」]


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