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TOPページ > 海外競馬情報 > 競馬シンポジウムで“出走頭数”が注目を浴びる話題に(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2015年01月20日  - No.1 - 1

競馬シンポジウムで“出走頭数”が注目を浴びる話題に(アメリカ)【開催・運営】


 アリゾナ大学“競馬およびゲーミングに関するシンポジウム”(University of Arizona Symposium on Racing and Gaming:2014年12月8日〜11日開催)の第2日目は、出走頭数が賭事売上げに及ぼす影響に関する詳細データを数人の競馬関係者が発表することから始まった。生産頭数と賭事売上げは近年急減しているので、これは北米の競馬場にとって重大な問題である。

 最初の公開討論会は、『出走頭数の減少:グローバルな問題(Declining Field Size: A Global Issue)』というテーマであった。ここで発表された多くのデータは、“出走頭数が減少すれば賭事売上げも減少する”という、ほとんど疑う余地のない重要な点を裏付けると同時に、その分析はこの点をかなり詳細に説明していた。北米の競馬場にとって何よりも重要なのは、出走頭数対策により迅速に取り組むことで、なかなか止まらない賭事売上げの減少を反転させることができると、この分析が強調していることである。

 豪州企業の研究顧問ジェニファー・オーウェン(Jennifer Owen)氏は、一例として、もし競馬産業が競走数を削減して残りの競走への出走馬を均等にし1レース当たりの出走頭数が10頭となれば、賭事売上げは43%増加する可能性があるという“米国競馬と出走頭数の回帰分析結果”を発表した。2003年の絶頂期から賭事売上げが約30%減少した米国競馬産業にとって、これはとても大きな数字である。

 同氏の分析は逆に、競走数が増加して1レース当たりの出走頭数が6頭に減れば、賭事売上げは約60%減少することを示した。エクイベース社(Equibase)の役員ハンク・ザイトリン(Hank Zeitlin)氏は偶然にも1年前、米国の競馬場が競走数の大幅削減に着手しなければ2015年末までに出走頭数は1レース当たり6.2頭に落ち込むと述べていた。

 オーウェン氏は「出走頭数の減少から引き起こされる結果ははっきりしています」と発表を締め括った。

 現状では、過去25年で出走頭数は1レース当たり9.0頭から7.9頭へと1頭減少している。競馬場が競走数を一段と多く削減しなければ、2015年の1レース当たりの出走頭数は大きく落ち込むと見込まれている。カジノからの補助金により賞金は賭事売上げほど急激に減少していないが、競走数削減策は常にホースマンから反対を受けている。実際、過去10年間で1レース当たりの平均賞金は記録的な額に増加しており、出走馬1頭当たりの平均獲得賞金額も増加している。

 カナダ・オンタリオ州のウッドバイン競馬場の競走担当副理事長スティーヴ・コーク(Steve Koch)氏は、多頭数レースほど1頭追加してもその価値は大きく低下することを示し、多頭数レースよりも少頭数レースの出走頭数を増加させるほうが良いことを明らかにした。出走頭数をできるだけ均等化することでウッドバイン競馬場の全競走の平均出走頭数は8.4頭となり、6頭立てレースの売上げ損失は10頭立てレースの売上げ利益よりも大きいために、理論的にはウッドバイン競馬場の売上げは23%増加するだろうとコーク氏は結論した。

 コーク氏は「これはなぜ出走頭数が重要な問題であるかの最終的な結論です」と述べ、発表後のインタビューにおいて、「利益は理論上のものであり、この出走頭数の均等化は、現実世界でよりも机上でのほうが容易に実現できます」と強調した。

 全米勝馬予想選手権馬券購入者委員会(National Handicapping Championship Players’ Committee)に所属する馬券購入者クリス・ラーミー(Chris Larmey)氏は、少頭数レースは娯楽で馬券を楽しむ賭事客にとって“やりがいのないパズル”であり魅力的ではないと語った。また、プロの馬券購入者にとって、少頭数レースの小規模賭事プールは配当妙味が少ないので、関心はさらに下がってしまうと語った。

 この日の他の公開討論会で、NYRA(ニューヨーク競馬協会)の競馬運営担当上席副理事長マーティン・パンザ(Martin Panza)氏は、(1) 競馬場間でのより地域色豊かなレース、(2) 競馬開催日削減、(3) 上位1着〜4着馬の賞金額割合の再調整を提案したが、出走頭数を増加させる方法については明確な回答を持っていないと語った。

 しかしNYRA所有のアケダクト競馬場が隣のカジノから多額の補助金を受領し始めてからも出走頭数は減少しているので、賞金額を引き上げることが明確な回答ではないようだとパンザ氏は指摘した。これは全米のデータとも符合する。すなわち、過去10年間において賞金に数十億ドルもの補助が行なわれたにもかからず、生産頭数と出走頭数は共に減少している。

 コーク氏は、今後2年間でさらに落ち込む恐れのある出走頭数に競馬界が真剣に取り組むのであれば、地域協力が重要であると語った。しかし、水飲み場に集まる象に例えて、競馬場は出走馬と賭事売上げを巡ってお互いに競争しているので、その関係は複雑であると説明した。

 「競馬場という象である私たちは現在、最後の一杯の水を誰が手に入れるかを少し面白がったり、滑稽に思ったり、不思議がったりしながら顔を見合わせているのだと思います」とコーク氏は語った。

By Matt Hegarty

[Daily Racing Form 2014年12月9日「Field size hot topic at Racing Symposium」]


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