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TOPページ > 海外競馬情報 > 2014年以降、ブラックタイプ競走は質をより反映したものに(アメリカ)【生産】
海外競馬情報
2014年01月20日  - No.1 - 2

2014年以降、ブラックタイプ競走は質をより反映したものに(アメリカ)【生産】


 北米のステークス競走177レースは2014年1月1日からブラックタイプの地位を失うこととなっており、あと何年かのうちにはさらに多くのレースがブラックタイプでなくなるかもしれない。

 これら177レースの勝馬や2・3着馬は、そのレース内容が新しい最低基準を下回ったため、2014年以降その名前がセリ名簿のページに“ブラックタイプ(太字)”で記される権利を失う。

 ブラックタイプを気に掛けるのは誰かと言えば、生産者、馬主およびセリ会社である。ブラックタイプは、上場馬のファミリーの中で評価の高い馬を名簿上で見つけ出しやすくする方法として考え出された。ステークス勝馬は太字かつ大文字で「MUCHO MACHO MAN」などと記され、一方ステークス2・3着馬は、太字だが大文字・小文字混じりで「Casiguapo」などと記されている。

 ファミリーに多数のブラックタイプの馬がいる上場馬は、より良質の血統を持つと見なされその価値が高まる。

 しかし、すべてのステークス競走が質の面で等しいわけではなく、非リステッドの間での不均衡は甚だしく、そのため北米国際セリ名簿基準委員会(North American International Catalogue Standards Committee: NAICSC)はリステッドと非リステッドの両方を評価し直すよう要求し始めた。

 北米のブラックタイプ競走の基本的な区分は、重賞競走、リステッド競走(準重賞)、非リステッド競走の3つである。重賞競走は最も権威があり、通常最高の賞金額を提供し、最高の競走馬が出走する。重賞のうちG1競走は、総賞金が最低でも25万ドル(約2,500万円)に達していなければならず、以下G2競走の15万ドル(約1,500万円)、G3競走の10万ドル(約1,000万円)と続く。重賞の格付けは、サラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)のアメリカグレード競走委員会(American Graded Stakes Committee: AGSC)が毎年すべてのレースを評価した上でグレードの追加、変更、削除を決定している。

 2番目のリステッド競走は、総賞金7万5,000ドル(約750万円)以上のオープン競走(性別以外の制限なし)なので重賞に近いが、グレードが付いていないため“リステッド”とされている。リステッド競走は、賞金額と競走の質で適切な基準を満たせば重賞に昇格できる。

 そして3番目として、5万ドル(約500万)以上7万5,000ドル(約750万円)未満の賞金を提供する非リステッド競走があるが、これはオープン競走か、または4つの条件((1) 州産馬であること、(2) 特定セール出身であること、(3) 特定の種牡馬の産駒であること、(4) ステークス未勝利であること)のうちいずれかに当てはまる限定レースである。

 ブラックタイプであるかどうかは総賞金額だけで決定されてきたが、レーシノ(競馬+カジノ)や独立型カジノの急増で賞金への資金提供が増加したため、ブラックタイプ競走を創る上で賞金額は事実上要件ではなくなり、数百もの非リステッドのブラックタイプ競走が生まれた。2013年は年間1,397の非リステッド競走が施行されるが、非リステッド競走をブラックタイプと見なしているのはアメリカだけである。

 取るに足らないステークス競走の数が増加するにつれ、NAICSCはブラックタイプがその名に相応しいものかどうかに懸念を持つようになった。

 NAICSCのカール・ハミルトン(Carl Hamilton)会長は、「米国のブラックタイプ競走の割合は、他国と大きく違っているわけではありません。しかし私たちは、ブラックタイプを与えるのに相応しいレースとして評価したいと思っていますので、レースの質に一層の重点を置くことにしました」と語った。

 非リステッドに関しては、評価はオートメーション化されている。すなわち、ブラッドストック研究・情報システムズ社(Bloodstock Research Information Systems: BRIS)、デイリーレーシングフォーム紙(Daily Racing Form ベイヤー指数)、エクイベース社(Equibase)およびソローグラフ社(Thoro-Graph)が出した上位4頭のスピード指数に関する統計である“レース・クオリティー・スコア”(Race Quality Score: RQS)の最低基準を満たすか上回る限り、非リステッド競走はブラックタイプの資格を持ち続けることになる。

 RQSに関しては、6つのカテゴリー(2歳、3歳、3歳以上のそれぞれの牡馬・牝馬)ごとに分けられている。既存のレースについては、RQSの3年移動平均が最低基準を下回り、そして直近のRQSが最低基準を下回る場合には、ブラックタイプのステータスを2年間失うことになる。そして、2年後にRQSの3年移動平均が最低基準を超えた場合には、再びブラックタイプの地位を得ることができる。

 州産馬限定のステークス競走は、非リステッド全体の38%以上を占め、また来年ブラックタイプのステータスを失うステークス競走の56%を占めるので、大きな打撃を受けるだろう。

 今年からAGSCは例年重賞に対して行ってきた査定をリステッド競走でも開始したため、大きな影響を受けるリステッド競走もあり、最低基準を満たしていないレースはどれもブラックタイプのステータスを失うだろう。

 このことは、競走馬がブラックタイプで記載されるチャンスを減らすので、商業的なホースマンに不快感を与えるだろうが、長い目で見れば、セリ名簿のページのブラックタイプはより有意義でより価値のあるものになるだろう。


ブラックタイプに続きリステッド競走の評価方法も変更

 米国は引き続き重賞およびブラックタイプのステータスを持つリステッド競走(準重賞)の評価の見直しを行う。

 アメリカグレード競走委員会(AGSC)は先週、645レース(2010年より約11%減)からなる2014年重賞・リステッド競走一覧を発表した。過去5年間で重賞競走は487レースから455レースに、リステッド競走は236レースから190レースに減少した。

 すべてのステークス競走は重賞と同様の方法で評価されるべきであるという北米国際セリ名簿基準委員会(NAICSC)が求める要件が、今回ブラックタイプのステータスを検討するきっかけの1つである。2012年はAGSCとカナダグレード競走委員会(Canadian Graded Stakes Committee)が、格下げすべきリステッド競走のみを特定したが、2013年の評価会議は初めて格上げと格下げ双方を考慮した。

 これまで、北米のリステッド競走がブラックタイプのステータスを得るには、総賞金7万5,000ドル(約750万円)以上のオープン競走であるだけで良かった。しかし現在はリステッド競走はそのレースに出走した重賞勝馬や重賞出走馬の割合と、北米競馬委員会(North American Racing Committee:NARC)の5年分のレーティングによって評価されている。NARCのレーティングはセクレタリー5名が全米のレースに割り当てられたスコアを集計したものである(訳注:北米競馬委員会はジョッキークラブ、サラブレッド馬主・生産者協会、ブリーダーズカップ協会および国際格付け委員会の下で運営されている5人のセクレタリーからなる委員会)。

 長期間優良馬が出走していないリステッド競走は、非リステッドのブラックタイプ競走に格下げされる。非リステッドに一旦降格すれば、最低でも2年連続で最低限のレース・クオリティー・スコア(RQS)を維持しなければならず、さもなければブラックタイプのステータスを失う危険に晒される。

 AGSC会長のJ・デヴィッド・リチャードソン(J. David Richardson)博士は新たなリステッド競走評価要件について“難しい”と述べ、次のように語った。「G1やG2であれば、どのようなレースがその資格を有するかイメージできます。しかし、リステッドについては、馬が州内外を行き来しない地域のレースは、比較が困難です。

 2014年のリステッド競走に大きな変化は見られない。非リステッド31レースがリステッドに昇格し、リステッド16レースだけが非リステッドに降格する。また、28レースがブラックタイプのステータスを失ったが、この評価とは無関係で、これらのレースは2年間施行されなかったか、競走条件に大きな変更が見られたか、最低賞金額を満たしていなかったために、ブラックタイプとされる資格を失ったもの。その1つはこれまで芝レースで行われてきたコールダーダービーで、今後はコールダー競馬場の本馬場で施行されるだろう。

 リステッド競走の評価は結局、非リステッド競走の質を監視するためのオートメーション化されたRQS評価システムを用いた新制度と同じ目的を持っている。それはレースの質の基準を確立することである。

 新しい評価制度は州産馬限定レースからブラックタイプのステータスを奪い不利をもたらすと批判する者もいた。しかし実際のところ、この制度はその質を高く保っていた州産馬限定レースを強化するかもしれない。競馬場はスロットマシン運営で賞金額を作為的に増加させることができるからといって限定レースに懐疑的になるのではなく、今やブラックタイプのステータスは質の面で重要性を持つと考えるべきである。

 リステッド競走についても同じことが言える。

 リチャードソン博士は次のように付言した。「私たちは“L”と付くレースが付かないレースよりも優れていることに確信を与えたいと思っています。また生産者にとってもブラックタイプが何を意味するか引き続き検討しなければなりません。“L”は1つの評価で意味を持つことを人々が実感する必要があります」。

By Eric Mitchell
(1ドル=約100円)

(関連記事)海外競馬情報 2013年No.2「米国のブラックタイプ、スピード指数を組み合わせる新基準適用へ(アメリカ)

[The Blood-Horse 2013年11月30日「What’s Going On Here―Quality is the New Black」、12月21日「What's Going On Here―Giving ‘L’ Legitimacy」]


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