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TOPページ > 海外競馬情報 > 高齢繁殖牝馬の軽視は禁物(イギリス)【生産】
海外競馬情報
2013年05月20日  - No.5 - 4

高齢繁殖牝馬の軽視は禁物(イギリス)【生産】


 2012年秋のタタソールズ社10月セールのブック2で、新たに1,043頭もの馬が上場されるに当たって、あるコンサイナー(上場人)は、こんなに頭数が多いと、遅生まれか高齢牝馬から生まれた1歳馬についてはエージェントが吟味を省略する気になったとしても不思議ではないと公言していた。遅生まれの馬でも競走で見事な成績を収める例はたくさんあるが、5月生まれの大多数は、いい若馬を求める注文を満たせないことが多い。

 では、15歳を超えたような高齢牝馬の仔馬に対するマイナスの見方は、本当に正当化できるものなのであろうか?

 多くの売り手は、若干高齢の牝馬から生まれたか、または1歳馬の説明事項にOMS(Old Mare Syndrome高齢牝馬症候群)という忌むべき文字が記されている場合、その馬がセリで評価されないことを知っていると思う。そして、高齢牝馬に関する問題(胎児への栄養素移動の低下に繋がり得る子宮壁の衰え、あるいは初乳の質低下の可能性)を考えれば、このような考え方が溢れていることは驚くに値しない。

 しかし、このことについてよく考えてみよう。昨シーズン欧州において、16歳以上の母馬から生まれた63頭の馬がステークス競走を優勝している。そのうちホームカミングクイーン(Homecoming Queen)、インペリアルモナーク(Imperial Monarch)およびソレミア(Solemia)の3頭は、実に母馬が20歳の産駒である。また、今年の英2000ギニー(G1)の出走馬ジョージバンクーバー(George Vancouver)は、その母馬ヴァーサイルストリーティー(Versailles Treaty)が22歳の時にキャピタルブラッドストック社(Capital Bloodstock)によって生産された馬であり、もう1つの好例だろう。

 近年実績を挙げた繁殖牝馬の年齢に関して2008年から2012年までの欧州と米国の重賞勝馬全頭の記録をまとめた私の調査は、すべてを物語っているわけではないが、さまざまな注目すべきポイントをもたらしてくれる。

 しかし、いくつかの要素が考慮されなければならない。自然条件あるいは淘汰によって繁殖牝馬が減少したことにより、英国と愛国における現役の高齢繁殖牝馬の割合は世界の他の地域よりも明らかに小さく、2011年の13歳以上の繁殖牝馬は英国では37%、アイルランドでは41%となっている。そして、おそらく高齢の繁殖牝馬は、自身が“並みの能力”あるいは若い種牡馬の後押しと言う理由で、能力の劣った種牡馬と交配させられるケースもあり、このことが、高齢繁殖牝馬が注目に値する競走馬を生産する確率を低下させている。

 2012年の欧州重賞勝馬を送り出した母馬28頭のうち13頭は出産時に16歳以上であったが、それらの牝馬がすでにG1馬を出していたためにより優良な種牡馬と交配され良く管理されていたということは、たぶん決して偶然ではない。

 2008年から2012年までの重賞勝馬の大半が7歳〜8歳の繁殖牝馬から生まれたことは驚きではない。欧州では8歳以下の繁殖牝馬が重賞勝馬の50%を占めており、米国でも46%である。G1で1勝し200万ドル(約2億円)の賞金を獲得しているコメンテーター(Commentator)は、母馬アウトソース(Outsource)が3歳のときの産駒。また、欧州のG1勝馬5頭、すなわちアマロン(Amaron)、キングズアポストル(King’s Apostle)、ルアーヴル(Le Havre)、ロードシャナキル(Lord Shanakill)およびスタセリタ(Stacelita)は母馬が4歳のときの産駒である。

 しかし、同じ2008年から2012年までに16歳以上の繁殖牝馬が欧州で重賞馬88頭とG1馬30頭(全体の10%)を送り出しており、高齢繁殖牝馬のオーナーも大いに元気づけられる。米国においては、16歳以上の繁殖牝馬は117頭の重賞勝馬(全体の9%)と40頭のG1馬(全体の10%)を出している。2012年のトップクラス3歳馬のうちの2頭で、トラヴァースS(G1)で1着同着となったアルファ(Alpha)およびベルモントS(G1)の勝馬ユニオンラグズ(Union Rags)は、母馬がそれぞれ18歳と17歳の産駒。また2011年のベルモントSの勝馬ルーラーオンアイス(Ruler On Ice)は、母馬が20歳の産駒である。

 欧州においては、偉業を達成した高齢繁殖牝馬のトップは、22歳時にダーレミ(Dar Re Mi)、24歳時にリワイルディング(Rewilding)を産んだダララ(Da Ra Ra)である。このほか高齢牝馬から生まれた優良馬には、ホームカミングクイーン、インペリアルモナークおよびソレミアに加えて、母馬の16歳時に生まれたキングズバーンズ(Kingsbarns)、グレートヘヴンズ(Great Heavens)、17歳時に生まれたセントニコラスアビー(St Nicholas Abbey)、ケープブランコ(Cape Blanco)、シーザスターズ(Sea The Stars)、19歳時に生まれたペドロザグレート(Pedro The Great)および22歳時に生まれたニューアプローチ(New Approach)がいる。

 こうしたことから、高齢牝馬を低く見ることは自らのリスクともなることを示している。

By Nancy Sexton
(1ドル=約100円)

[Racing Post 2013年4月5日「Risky business to ignore older mares」]


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