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TOPページ > 海外競馬情報 > 種牡馬ガリレオの成功の蔭にボルジャー氏の影響あり(アイルランド)【生産】
海外競馬情報
2013年12月20日  - No.12 - 4

種牡馬ガリレオの成功の蔭にボルジャー氏の影響あり(アイルランド)【生産】


 今年のカルティエ賞の最優秀2歳牡馬賞を受賞したキングストンヒル(Kingston Hill)の所有者であるポール・スミス(Paul Smith)氏は、受賞スピーチに当たって、2008年にキングストンヒルの父マスタークラフツマン(Matercraftsman 今年のリーディング初年度産駒種牡馬)が同じ賞を受賞した際に自身が同じ舞台に立っていたことを思い起こし、競馬界と生産界の持つ輪廻のようなものについて思いをめぐらした。

 昨年の同部門の受賞馬はドーンアプローチ(Dawn Approach)で、その父ニューアプローチ(New Approach)も2007年に同賞を受賞し(翌年には最優秀3歳牡馬賞も受賞)、2006年にはテオフィロ(Teofilo)が同賞を受賞している。これら3頭の優れた馬は、ジム・ボルジャー(Jim Bolger)氏によって調教され、多くのトロフィーには同氏ならではの調教の特徴が反映されているが、この度同氏はカルティエ賞の功労賞を受賞した。

 もちろん、同氏を単なる調教師と呼ぶのは過小評価である。

 同氏のこの分野での才能は疑う余地はなく、自家生産馬を妻ジャッキーの勝負服で出走させ多くの勝利を獲得したことで、多くの調教師の羨望の的となっている。ボルジャー夫人は今年の平地シーズン、これまで14年間にわたり強力なクールモアグループが独占してきたアイルランドのリーディングオーナーのタイトルを手にした。

 ジム・ボルジャー氏は、自身の厩舎成功の始まりの地であるレドモンズタウンスタッド(Redmondstown Stud)で生産活動を行っている。のちにテオフィロおよびソルジャーオブフォーチュン(Soldier Of Fortune)と名付けられることになるガリレオ産駒が、若馬の時に放牧地を共にしたのはここである。クールモアが出走させたソルジャーオブフォーチュンは、最優秀2歳牡馬テオフィロより遅いスタートを切ったかもしれないが、3歳時に愛ダービー(G1)、4歳時にコロネーションカップ(G1)を優勝して成功を収めた。

 ソルジャーオブフォーチュンが愛ダービーを9馬身差で楽勝した2週間後、ボルジャー氏の自家生産ではないがもう1頭のガリレオ産駒であるニューアプローチが、前年テオフィロがデビューしたレースで実力を爆発させた。

 ニューアプローチは最優秀2歳馬となるまでにテオフィロと全く同じ5つのレースに出走し、ガリレオ産駒初の英ダービー(G1)馬となり、テオフィロの故障による早い引退を補う活躍を見せた。

 アイルランドと英国で両チャンピオンS(G1)を優勝してさらに勝利数を増やし、ニューアプローチはダーレー牧場に繋養されることで、またもやテオフィロと同じ道を歩んだ。この2頭は、モハメド殿下(Sheikh Mohammed)の牧場にとってガリレオ血統への重要なつながりとなっている。
しかし、ボルジャー氏のこの2頭との関係はここで終わらない。

 ちょうどこの2頭の競走キャリアを形成したのと同じように、種牡馬としてのキャリアに対するボルジャー氏の影響力にも深いものがある。テオフィロとニューアプローチの両馬が種牡馬となった後、最初の勝馬を生産し調教したのはボルジャー氏であり、それはパリッシュホール(Parish Hall)とドーンアプローチ(Dawn Approach)である。

 さらに驚くべきことに、両馬とも彼らの父と同様にデューハーストS(G1)を勝ち進み、ドーンアプローチは、昨年ニューアプローチがリーディング初年度産駒種牡馬となったのと同時に最優秀2歳牡馬となった。

 今シーズン、ボルジャー氏は両種牡馬の産駒から最初のクラシック勝馬を誕生させた。それは英2000ギニー(G1)を制したドーンアプローチと愛ダービーを制したトレーディングレザー(Trading Leather)である。

 テオフィロとニューアプローチは現在ガリレオに“サイアーオブサイアー”の地位を与える先陣の働きをしているので、ジョン・マグニア(John Magnier)氏がボルジャー氏の功労賞受賞の際のインタビューで、クールモアの最優秀種牡馬ガリレオの堅実なキャリア確立にあたりボルジャー氏が演じた役割に感謝の意を表したのも納得が行く。

 平地シーズンを通じて、種牡馬の地位確立につながると見られるレースは沢山あるが、競馬史において種牡馬の地位を確立できるとされる調教師はほとんどいない。

 ジム・ボルジャー氏はかつてトニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手に、障害競走で騎乗するには体力不足だと言って珍しく判断ミスをしたかもしれないが、種馬場からウィナーズサークルまでの事柄に関しては、彼の腕前は確かである。

By Emma Berry

[Racing Post 2013年11月15日「The man who made Galileo?」]


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