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TOPページ > 海外競馬情報 > BHAのロイ会長、批判も受けた任期6年を前向きに振り返る(イギリス)【その他】
海外競馬情報
2013年01月20日  - No.1 - 4

BHAのロイ会長、批判も受けた任期6年を前向きに振り返る(イギリス)【その他】


 昨年の今頃はCEOが不在であったため、BHA(英国競馬統轄機構)のポール・ロイ(Paul Roy)会長は、自ら業務に携わる会長としての任務を遂行するかたわら、投資会社ニュースミスキャピタル社(New Smith Capital)のトップとしての日々の仕事もこなしていた。

 しかし同会長は、マイナスの影響も受けかねない仲間であるウィリアムヒル社と奇妙な提携を行ったことばかりでなく鞭使用ルール見直しが失敗に終わったことを理由に、メディアの猛烈な攻撃の的となっていた。

 同氏は当時、競馬賭事賦課公社(Levy Board:賦課公社)の競馬界代表メンバーの1人として、ベッティング・エクスチェンジの賦課金支払いに関する提案に反対票を投じて文化大臣を困惑させるという行動をとり、賦課公社の中立メンバーや賭事業界のトップの面々を憤慨させていた。

 ロイ会長は、英国競馬界で適切なリーダーシップを発揮できていないことで批判され、辞任も要求されていた。

 ポール・ビター(Paul Bittar)氏がCEOに就任するために豪州から来る準備が整うことで、ロイ会長の名前は見出しから消えたが、同氏は自身の立場を貫いた。

 優れた人材スカウト会社が、4月に6年の任期を終えるロイ会長の後任者をBHA理事会が選定するための最初の候補者リストを準備しているので、今日、ロイ会長は物事の明るい面を見ながら過去の批判を振り返ることができる。

 同会長は、「鞭については最も否定的な評判を得ました。しかし私たちが善意を持っていたことは誰もが分かっており、何と言われようと私たちは幅広い協議を実施しました。しかしルール変更の内容と時期は別の問題であり、この点についてはもっとうまく実行できたでしょう」と認めた。

 そして次のように続けた。「しかし、それをするのは勇気がいることです。様々な調整を行うべきであったかどうかについて遅かれ早かれ疑念を持たれるかもしれませんが、過ぎてしまったことは仕方ありません」。

 「重要なのは私たちが鞭使用回数を約半分に減らしたことであり、私は、馬主、生産者、競馬ファンとして競馬に深く関わっている人間として、このことが競馬を大いに心動かす興行にしたと思います」。

 「裁決委員が自由裁量を持てるよう柔軟さを取り入れ、このことで大きな違いが生まれたため、それは機能しています。製図板の上で見るようには実際にうまくいかないことがあります。しかし私たちは今や目的を達成しました」。

 「それに、他の国々がこれに続いたので、私たちはリーダーシップを発揮したと見られるでしょう。私たちは最高水準の競馬を維持していけると深く信じています。馬とサラブレッドの福祉について行った前向きな措置を今後ともうまく伝えていくことが必要です」。

 またロイ会長は、ウィリアムヒル社と協力して提起して議論を呼んでいる司法審査についても同じく明るい見解を持っている。この司法審査は賦課公社の決定に疑問を突き付けたが、それはベットフェア社で頻繁に賭事を行っている顧客に賦課金を支払わせることを第一の目的としていた。

 ビター氏がCEOに就任し、ベットフェア社が競馬界に対する賦課金相当の支払いを保証する長期の取決めに署名した翌日に、BHAは高等法院に提起した訴えを取り下げた。

 ロイ氏は次のように回顧した。「いわゆる“職業的および事業目的の利用者”であるベッティング・エクスチェンジ賭事客には賦課金支払いを求めないという賦課公社の決定に、私もウィリアムヒル社も同意しませんでした。そして、共通の問題に共通の見解を持ったことで、私たちは共同原告として団結しました」。

 「BHAはベットフェア社との取決めに合意して訴訟を取り下げましたので、その訴訟は意義があったと主張できるでしょう。なぜなら、そのことによって私たちはベットフェア社と賦課金について話し合う手段を得られたからです」。

 「ウィリアムヒル社は訴訟に敗れましたので、私たちも敗れたと言われるかもしれません。しかし、彼らは上訴する許可が与えられたので、この訴訟はずっと続くでしょう。私がファインプレーをしたとは言いませんが、競馬界にとっては非常に素晴らしい結果だったと思います」。

 競馬界におけるリーダーシップの欠如に対してウィリアムヒル社のCEOラルフ・トッピング(Ralph Topping)氏がどぎつい主張をしていることを考えると、そもそもウィリアムヒル社と団結したことは奇妙であり高くついた可能性のある措置であり、また土壇場で訴訟を取り下げたことは賦課金制度を巡って良好な関係を築くことにはつながっていないと主張する者もいるだろう。しかしそれについてロイ会長は同意しかねる。

 そして次のように語った。「その2つは別問題であり、ベットフェア社との取決めは他の大手ブックメーカーとの取引への指標になったと考えています」。

 「訴訟を取り下げるに当たってはいろいろな考え方が議論されており、それが私とラルフ・トッピング氏の関係に何の影響も与えなかったとは考えていません」。

 「実際私は、締切前に合意に達した来年2013年の賦課金計画に寄与したのはこの関係だと考えたいです。結局のところ、私たちは随分成長しました」。

 だが1年前には、ロイ会長と賦課公社の競馬界代表メンバーはブックメーカーに反対する陣営におり、ブックメーカーと中立メンバーからは好印象を持たれていなかった。

 同会長は、「私たちは最初から賭事産業と考え方が正反対でした」と説明した。

 現在、競馬界と賭事産業の関係はより親密なものとなっている。ロイ会長は、「競馬界は、結果に拘わらず賦課金制度の話し合いでは常に同じ立場にいましたが、今回の話し合いにおいては、ブックメーカーともより良い雰囲気を持てました。ずっと頭のたたき合いをしているわけにはいきません」と語った。

 そして次のように続けた。「両者には通常一緒に取り組み前進しようという強い願望があります。すべてについて同意するということではありませんが、将来いずれかの時点で現行の1年間の取決めでなく長期の取決めについて賭事産業と話し合うつもりです」。

 「そうは言っても、賦課金制度が競馬界に公正な還元を行っていないので、私は賦課金制度にはやはり明らかに問題があると主張します」。

 「賦課金は保存に値しない古い記念碑であると表現した人がいました。だからこそ、私たちはその改革のために努力してきましたが、現在のところそれは実現されていません」。

 「ジョン・ペンローズ(John Penrose)大臣は、賦課金制度に代わるガイドラインを入念に計画すべく賭事業界と競馬界を交渉の席に着かせるために実践的な方法を取っていたので、同大臣が文化・メディア・スポーツ省を去ったことは残念なことです」。

 「膨大な作業がなされ、法律制定に裏打ちされた賦課金に代わる支払いが達成されました。そして協議プロセスは発表されましたが、それは推進力を失っていて、レーダーから外れてしまいそうです。この状況は競馬界が起こってほしくないと強く感じていることです」。

 「賦課金制度は競馬界よりも賭事産業にとって役立ってきたので、賭事産業のほうが現行の賦課金制度により満足しているかもしれません」。

 「それから、政治的要因もあります。私たちはこれまで、賦課制度の評価は歴史に委ねるべきという無定見な形で国会からの支持を得てきました。今後は、賦課金制度が後退させられることのないよう望んでいます」。

 ロイ会長は、賦課金制度の資金調達の不備の問題から離れ、中身が半分入ったグラスを持ち上げて光にかざしながら、うまく進んでいると見る多くの指標のうち賞金額の増加、順調な入場者数、競馬人気の向上について思いを巡らす。

 そして次のように指摘した。「2012年の賞金額の総額は、1億ポンド(約140億円)になりました。したがって、私の就任当初の2007年の水準まで回復しつつあります」。

 「また競馬界はスポーツ市場における立場を高めるという点で素晴らしい仕事をしています。競馬を利用者にやさしいものにするためにこれまで大きな努力がなされてきており、現在は他のスポーツ賭事と張り合っている最中であるとしても、結果として今後は賭事産業に利益をもたらすはずです」。

 ロイ会長は、競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)を取り上げ格別の賞賛を送った。そしてRFCを発足させたBHAの面々も驚いたことに、RFCの成功による栄光はBHAのものであるとした。

 そして次のように述べた。「レーシングエンタープライズ社(Racing Enterprises Ltd.: REL)とRFCを発足させたBHAを賞賛しなければなりません」。

 「RELがうまく軌道に乗ることは絶対にないし、BHAはそのことに時間を取られるべきではない、と私たちは言われました。それでも私たちは人材採用、財源と資金調達の面でRELを支援し、RELからRFCが生まれました」。

 「多くの人々が初期段階においてRFCにひどく冷笑的でした。RFC当局が当初に特別素晴らしい方法でRFCプロジェクトを発表したかどうかは分かりませんが、RFCからは非常にたくさんの計画が提案されました。それは、(1) 英国競馬における第一級の開催となったチャンピオンズシリーズとチャンピオンズデー、(2) 広範囲の観客に向けて競馬にまつわるストーリーを提供する広報活動、(3) 競馬場体験の向上、(4) 賭事産業との良好な取り組み、などです」。

 「私たちがRELを設立し支援しなければ、これらすべては成し遂げることができなかったでしょう」。

 さらなる変革を監督するのはロイ会長の後任者の責任となるが、ロイ会長自身は、ヘッドハンター業者が次期会長として探すべきはどのような能力を持った人物であると考えているのだろうか?

 ロイ会長は、「BHAの会長は非常に特殊な仕事です。競馬界は複雑で多様なので、競馬を100%愛していなければ務まらない仕事です。いつも単純な解答があるわけではありません」と語った。
そして次のように続けた。「競馬産業、金融界あるいは政府において実績を上げた人には、おそらくこれらの問題に取り組む能力が備わっています」。

 「一番必要となるのは良識であり、BHA会長でいることはバランスのとれた見解を持つことであり、良き聞き手であることですが、決断を行わなければならないときには大きく貢献できる人でなければなりません」。

 「BHA会長の職は非常に厳しいものであり、意志、やる気、情熱および活力だけでなく、それに割当てるための十分な時間も持たなければなりません。私の場合、予想していたよりもかなり多くの時間がこの職にとられました」。

 「ニュースミスキャピタル社の共同経営者にはずっと少ない時間だと信じさせてきたので、実際どれぐらいの時間だったか言うつもりはありません」。

 自身が今後どのような会長として皆の記憶にとどめられたいかについて、ロイ会長は数秒考え、次のように付言した。「それが重要かどうかはわかりません。私はただ能力の限り仕事を行ったまでです。いつもきちんと決着をつけられたわけではありませんが、世の中はそんなものです。誰も水の上を歩くことなどできません」。


ポール・ビター氏のCEOへの抜擢は大成功

 「外国人を雇わないでください。オーストラリア人なんてとんでもない。面接のために航空券代を支払うことはできません」。

 ポール・ロイ会長は、レーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Ltd.)理事のポール・ビター氏をBHAのCEOとして迎えることを求めた際、複数のルートからこのような見解を聞いた。

 ロイ会長は助言を無視したが、それは初めてのことではなかった。今日では、「誰が今ポールの抜擢に苦言を呈しているというのですか?」と述べている。

 ロイ会長は次のように説明した。「他の多くの産業やスポーツと同じく、競馬はどんどん国際的なものになっており、できるだけ広範囲にわたる人材から徹底的に探したかったのです」。

 「ポールは非常に効果的な仕事をしました。精力的で、たちまち競馬界全体の尊敬を勝ち取りました」。

 「ポールはまた非常に博識であり、メッセージを伝えるのに長けており、非常にバランスのとれた見解を持っています。人々が現在と同様のレベルで今後も彼を支援してくれることを願っています」。

 「私が今感じているように、人々がBHAの経営陣に敬意を払うのであれば、BHAにもう少し責任を委ねる形で利害関係者とより協調的取組みを行うことができ、BHAはまとめ役としての役割をずっと果たしやすくなります」。

 ロイ会長は、BHAが重要な責任を担っている分野の例として、競馬開催日程と競馬番組における最近の成果を挙げた。

 同会長は、「当初ホースマンの中には、明らかにそうではないのに、競馬開催日程はもっぱら彼らの領域であると言う人もいました。しかし、ポールが発足させた競馬開催日程検討グループのおかげで、現在BHAが2013年の中心的な競馬番組を作成中ですが、これは以前にはなかったことです。ポールは非常にうまくまとめました」と語った。

 そして次のように続けた。「賞金額に関して前向きな事柄は、最低賞金額が適切なレベルに定められたことです。ホースメングループ(Horsemen’s Group)が設定した最低賞金額はその時点で目的にかなっていたと思いますが、たぶん私たちは前進していかなければならず、ポールとともにBHAはそれを主導して実現します」。

 ビター氏は、ロイ会長就任直後の経済状況が悪くなり始めた時に課題としていた経費節約を引き続き前進させたことでも賞賛を受けている。

 ロイ会長は、「CEOに就任した者は皆、事業見直し、運営についての抜本的見直しを実施すべきで、ポールはそれを成し遂げました」と語った。

 そして次のように続けた。「まだ可能性のある成果がいくつかあり、開催執務委員の中央への集約や先進技術の利用促進などが検討されており、BHAは費用削減を続けています。私の会長就任以降2012年末までに、BHA運営費は500万ポンド(約7億円)節約されることになります」。

 「まだ改善すべきことは残っています。それは、仕事内容に関することだけではなく、職務の統合や業務の実施の面でのより実効性のある運営方法、財源と時間の有効利用などです」。

 「ポールのもう1つの課題は、協調的アプローチを続行することです。どのようにして各部門の利害を一つにまとめ、競馬の全体的な利益に適切な判断を下すかが重要です。誰もが勝利するということはできません」。


ロイ会長の談話

英国競馬について

 「英国は最高の競馬を行い世界一だなんて、よくも言えるもんだね」と人々はよく言いますが、率直に言って実際にその通りなのです。英国には最高級の馬がおり、競馬界の全員の努力によって提供される最高の競馬場と最大の多様性があります。主要な関係者すべてが英国競馬の一部となることを望んでいます。

 唯一私たちの期待を裏切っているのは中央資金調達モデルであり、これについて私たちはまだ転換することができていませんが、ほかの収入で不足を賄っています。


ホースマンの最低賞金額

 ホースメングループの設立は、ホースマンが地域を代表してまとまる良い方法であったことから、BHAは設立を支持したのですが、今ではその価値は高まりました。

 競馬場の見解は違うかもしれませんが、2011年からの最低賞金額の導入は、ホースメングループの価値を高めました。なぜならば、そのことが賞金額に再び脚光を浴びせたからです。低いレベルの賞金を一定以上に引き上げるという野暮ったい方法ではありましたが、それは賞金レベルの引き上げに確実に寄与しました。


鞭使用問題が解決したのちに辞任した広報担当理事ストラザース氏

 鞭使用ルールの見直しのあらゆる問題のスケープゴートとして、メディアがポール・ストラザース(Paul Struthers)氏をくどくどと繰り返し取り上げたことは残念でした。これは感情的でお決まりの反応であり、事態を正確に反映していません。

 ポールは非常に能力のある人物であり、私ではなく彼自身が、「BHAでの役割を卒業し、別の仕事に移る準備ができている」と語っていました。騎手協会(Professional Jockey Association:PJA)のCEOに就任し、自身とPJAの両方にとって良い結果となっているので、嬉しく思っています。


チャンネル4の競馬中継について

 私はチャンネル4の競馬中継契約について非常に楽観しています。なぜなら、より協調的で総合的なアプローチが可能となる一つのまとまった報道基盤を得ることは良いことだからです。また2013年からはメディア権料において450万ポンド(約6億3,000万円)の純収入増加も見込まれています。

 たしかにチャンネル4は少数派のテレビ局ですが、90日間の地上波放送もまだ行っており、幅広い視聴者に向けて番組を魅力的なものにするために多大な努力を払っています。

 チャンネル4の職員全体が競馬に情熱を持っており、これはBBCの重役レベルにおいては考えられません。BBCは多くの種類のスポーツ中継を行っており、競馬への情熱があまり強くなかったため競馬中継という好機を失ってしまいました。


ロイ会長の遺産

 私は自分の功を認められたいとは思いませんが、満足する点があるとすれば、競馬の促進策が一歩前進したことと、いろいろな意味で私たちが国際競争をリードしたことです。

 しかしながら、相応の生計を立てられない競馬界の多くの人々が直面しているいくつか難題と苦難を取り除くことはできていませんので、私たちは賞金額をもう少し引き上げる努力をしなければなりません。

By Howard Wright
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2012年11月30日「Criticised chairman sticks with positive spin on his six years」]


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