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TOPページ > 海外競馬情報 > 2011年の米国競馬、賞金増額で前向きな一歩(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2012年02月20日  - No.2 - 1

2011年の米国競馬、賞金増額で前向きな一歩(アメリカ)【開催・運営】


 2011年の競馬界の経済指標は、前途有望な賭事売上げに続いて、数年ぶりにいくつかの朗報を提供した。

 今年1月5日にエクイベース社(Equibase Co.)が発表した数字によれば、2011年の最終四半期はパリミューチュエル賭事において4年ぶりの回復を見せた。2011年10月〜12月の3ヵ月間を前年同期と比べると、米国のパリミューチュエル賭事の売上げは14%増で、2007年第3四半期から続いていた落ち込みが止まった。

 2011年12月のパリミューチュエル賭事売上げは、前年同月比17.9%増の8億59万7,776ドル(約640億4,782万円)で、2009年11月以来前年同月比で初めての改善を記録した。

 この増加の多くは、ガルフストリームパーク競馬場が伝統的な1月初めの開催ではなく、69年の歴史で初めて12月に競馬シーズンを開始させたことによりもたらされたものであり、その12月の開催日程の大半は、4月開催分からシフトされていた。

 そして同競馬場の2011年12月における17日間の競馬開催の総売上げは1億2,148万1,447ドル(約97億1,852万円)で、4月の15日間における総売上げ1億1,530万5,356ドル(約92億2,443万円、フロリダダービーの約27億2,000万円含む)と比べても、遜色はなかった。

 ガルフストリームパーク競馬場のティモシー・リトヴォ(Timothy Ritvo)会長は、「12月開催は大成功でした。全米の競馬ファンとホースマンは、ガルフストリームパーク競馬場の12月開催を喜んで受け入れました」と語った。

 全米の2011年の1年間を通じたパリミューチュエル賭事の売上げは5.7%減少し107億7,042万6,313ドル(約8,616億3,411万円)で、5年連続で減少しており、過去8年間でも7回目の減少であったので、競馬界はまだ困難に直面している。この8年間の下降傾向の前に、競馬界は151億8,000万ドル(約1兆2,144億円)の記録を達成しているが、今シーズンの売上げはその全盛期の売上げを29%下回っている。

 年間5.7%の減少は、2007年以来最も少ない減少幅であり、最終四半期の良好な結果も希望が持てる理由となる。この減少の主因は、競馬場が新たな基準に対応するために競馬開催日数を3.2%減少させたことによるものであった。

 同時に、レース賞金額は2007年以来前年比で初の増加であった。エキゾチック馬券の控除率を引上げたことで元気の出たカリフォルニア州の競馬場によるところが大きい。米国の賞金額は2011年において2.9%増加し10億5,739万2,389ドル(約845億9,139万円)となった。

 エキゾチック馬券の控除率を2連式は2%、3連式以上は3%引き上げる決定は、デルマー、ゴールデンゲートフィールズ、ハリウッドパークおよびサンタアニタの各競馬場において1日平均賞金額を二桁引き上げる一助となった。

 控除率引き上げは馬券購入者には不人気であるが、ホースマンは引き上げられた賞金額に狙いを定めているので州内の競馬場の出走頭数を増加させるだろうと競馬産業のリーダーたちは確信している。ハリウッドパーク競馬場は秋開催において、1日平均馬券売上げを9.5%増加させ、また1日平均賞金額を23%増の40万8,020ドル(約3,264万円)まで引き上げた。平均出走頭数は7.6%増加し7.9頭となった。

 ハリウッドパーク競馬場のジャック・リーボー(Jack Liebau)会長は、「私たちの競馬場のレース賞金が前年よりも増加したことに非常に満足しています。出走頭数の増加は間違いなく売上げ増加に貢献しました」と語った。

 イリノイ州では、州内の4つのカジノに3%の開発負担金が課されなくなったことが一助となり、ホーソン競馬場の秋開催での1日平均賞金額は47%増の21万1,475ドル(約1,692万円)となった。同競馬場は開催日を週5日に増やし、ホースマンを惹きつけた。毎週の開催日が増えたにも拘わらず、平均出走頭数8.6頭にまで増加し、総売上げは2010年の売上げを約800万ドル(約6億4,000万円)上回った。

 ホーソン競馬場の副社長であるジム・ミラー(Jim Miller)氏は、「ホーソン競馬場のホースマンは馬を出走させる態勢ができており、それは2012年春のホーソン競馬場に狙いを定め馬房申請していることからも明らかです」と述べた。

 サムヒューストン競馬場やサフォークダウンズ競馬場のような他の競馬場もまた、開催日が削減されたことで1日平均賞金額が増加した。サムヒューストン競馬場は、競馬開催日を58.1%削減して26日とし、1日平均賞金額は対前年比55%増の15万5,388ドル(約1,243万円)に改善した。サフォークダウンズ競馬場は開催日を17.5%削減し80日とし、1日平均賞金額は27%増の10万7,216ドル(約858万円)となった。

 競馬以外の賭事を提供している競馬場は、引き続き1日平均賞金額を増加させた。その中には、プレスクアイルダウンズ、ガルフストリームパーク、オークローンパーク、ジアパークおよびインディアナダウンズの各競馬場が含まれている。

 サラトガ競馬場は1日平均賞金額が11%増加して68万6,253ドル(約5,490万円)とし、1レース平均賞金額を米国トップの6万7,415ドル(約539万円)と開催を強化した。すべての媒体から得られた売上げは4.6%減の5億2,625万1,818ドル(約421億15万円)であったが、その減少は2010年ニューヨーク市場外馬券発売公社(New York City Off Track Betting: NYCOTB)の閉鎖によるところが大きい。NYCOTBは馬券売上げのわずかな割合しか競馬に還元していなかったので、NYRA(ニューヨーク州競馬委員会)が場内賭事プールに賭事客を移行させたことは功を奏し、場内賭事プールは2011年において5.6%増の1,211万664ドル(約9億6,885万円)となり、サラトガ開催を助けた。

 米国の賞金額は3年間連続で減少した後に増加した。しかし2010年の賞金額10億3,130万ドル(約825億400万円)は、2007年よりも12.6%下回っていて、2011年の賞金額は2009年の10億9,820万ドル(約878億5,600万円)をまだ下回っている。
 

米国サラブレッド競馬における経済指標
2010年と2011年の比較
  2010年 2011年 増減
賭事売上げ 114億1,538万1,587ドル
(約9,132億3,053万円)
107億7,042万6,313ドル
(約8,616億3,411万円)
-5.7%
賞金額 10億2,773万1,630ドル
(約822億1,853万円)
10億5,739万2,389ドル
(約845億9,139万円)
+2.9%
開催日数 5,473日 5,298日 -3.2%
2010年12月と2011年12月の比較
  2010年12月 2011年12月 増減
賭事売上げ 6億7,918万778ドル
(約543億3,446万円)
8億59万7,776ドル
(約640億4,782万円)
+17.9%
賞金額 5,654万3,832ドル
(約45億2,351万円)
6,987万8,527ドル
(約55億9,028万円)
+23.6%
開催日数 314日 348日 +10.8% 

出典元:エクイベース社

 

2011年に1日平均賞金額が大幅増加した競馬開催
競馬場 開催日数 一日平均賞金額 前年比
サムヒューストン競馬場 26日 15万5,388ドル
(約1,243万円)
+55%
ホーソンパーク競馬場(秋開催) 64日 21万1,475ドル
(約1,692万円)
+47%
サフォークダウンズ競馬場 80日 10万7,216ドル
(約858万円) 
+27%
ターフウェイパーク競馬場(秋開催) 16日 13万9,443ドル
(約1,116万円)
+27%
ハリウッドパーク競馬場(秋開催) 26日 40万8,020ドル
(約3,264万円)
+23%
プレスクアイルダウンズ競馬場 98日 22万4,985ドル
(約1,800万円)
+23%
ガルフストリームパーク競馬場 79日 38万5,720ドル
(約3,086万円)
+21%
オークローンパーク競馬場 49日 32万2,335ドル
(約2,579万円)
+19%
ジアパーク競馬場 50日 16万6,587ドル
(約1,333万円)
+19%
ハリウッドパーク競馬場(夏開催) 54日 42万6,706ドル
(約3,414万円)
+18%
ターフウェイパーク競馬場(冬開催) 20日 12万2,354ドル
(約979万円)
+18%
ヘイスティングス競馬場 69日 13万  383ドル
(約1,043万円)
+17%
インディアナダウンズ競馬場 60日 23万3,823ドル
(約1,871万円)
+17%
サンタアニタパーク競馬場 70日 45万5,022ドル
(約3,640万円)
+15%
ゴールデンゲートフィールズ競馬場(冬開催) 99日 15万1,114ドル
(約1,209万円)
+14%
コロニアルダウンズ競馬場(夏開催) 32日 19万7,036ドル
(約1,576万円)
+13%
チャーチルダウンズ競馬場(春開催) 38日 55万4,038ドル
(約4,432万円)
+12%
デルマー競馬場 37日 54万8,431ドル
(約4,387万円)
+11%
サラトガ競馬場 39日 68万6,253ドル
(約5,490万円)
+11%
ゴールデンゲートフィールズ競馬場 58日 14万3,720ドル
(約1,150万円)
+10%
ローレルパーク競馬場 68日 19万5,047ドル
(約1,560万円)
+10% 

備考:一日平均賞金額10万ドル(約8,000万円)以上で開催日数が15日以上の開催を対象にした。

  

2011年1レース平均賞金額が大幅増加した競馬開催
競馬開催 レース数(前年比) 1レース平均賞金額(前年比)
サラトガ競馬場 397   (+0.5%) 6万7,415ドル(約539万円)    (+7.2%)
デルマー競馬場 324 (−0.3%) 6万2,630ドル(約501万円)  (+11.1%)
キーンランド競馬場(秋開催) 162         (0%) 5万9,569ドル(約477万円)    (+7.0%)
キーンランド競馬場(春開催) 142 (−0.7%) 5万9,909ドル(約479万円)   (−2.9%)
ウッドバイン競馬場 1515 (−2.2%) 5万5,053ドル(約440万円)    (+1.0%)
ベルモントパーク競馬場(秋開催) 334   (+0.6%) 5万3,014ドル(約424万円)   (−2.1%)
サンタアニタパーク競馬場(冬開催) 608 (−9.7%) 5万2,387ドル(約419万円)  (+16.3%)
チャーチルダウンズ競馬場(春開催) 408 (−7.1%) 5万1,602ドル(約413万円)    (+9.8%)
ベルモントパーク競馬場(春開催) 526 (−3.3%) 4万8,985ドル(約392万円)    (+8.2%)
ハリウッドパーク競馬場(春開催) 471 (−5.6%) 4万8,922ドル(約391万円)  (+17.6%)
ハリウッドパーク競馬場(秋開催) 224 (−8.9%) 4万7,360ドル(約379万円)  (+18.3%)
サンタアニタパーク競馬場(秋開催) 212         (−) 4万5,793ドル(約366万円)           (−)
アケダクト競馬場(秋開催) 333  (+8.5%) 4万1,402ドル(約331万円)    (+6.5%)
モンマスパーク競馬場 789 (+33.3%) 4万346ドル(約323万円)(−38.6%) 

 備考:125レース以上の競馬開催を対象とする。サンタアニタパーク競馬場は2010年秋開催を施行しなかった。


By Frank Angst
(1ドル=約80円)

[Thoroughbred Times 2012年1月14日「Positive strides for U.S. racing」]


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